大安に、十字路を射た

 武蔵小杉下車。改札を抜けて、駅の外に出た。好天とは云い難い空模様だが、降雨の心配は不要のようであった。腰に吊るした歩数計の付属時計が「午前11時」を示していた。

 駅を離れ、市民ミュージアムを目指した。持参した地図には「バスで約10分」と記されているが、運動と節約を兼ねて、徒歩で移動した。


 土地勘はゼロに近い。未知の道(洒落じゃないよ)を歩くのは不安なものである。途中、俺が歩いている方向と、ミュージアム行きのバスが走っている方向が同じであることを視認し、ようやく安心した。当面の目標にしていた「小杉十字路」に辿り着いた時、それは完全なものになった。


 到着後、知友のKさんと合流した。今日の午後、同館の映像ホールで、Kさんが参加された劇場アニメの上映があるのだった。1980年公開の作品である。Kさんが同作品を鑑賞するのは「完成試写以来」であることが、後の会話で判明した。その間、多くの大作、話題作に携わり、現在も活躍中である。まさに本物。正真正銘の職人である。


 合流後、まず約束の品をKさんに渡した。シンカワさんの「闇塚鍋子」と「スライムの夜」である。この二枚も、Kさんの仕事場に飾られることになるだろう。熱心なシンカワファンの一人なのだ。

 その後、ラウンジに行き、コーヒーを飲んだ。卓上を片づけてから、企画展示を見物した。興味深い映像に接することができた。開場5分前。俺たちは、上映会場に足を進めた。Kさんが事前に確保しておいてくれたチケット(プラスチック製の小判形プレート)を受け取り、開場を待った。〔10日〕


[シンカワメグムさんのコメント]

はわわわわ……Kさんにあげちゃったのですね…。((((;゚Д゚))))

片やファンシー(?)もう片方はホラー。描いている奴の雑食ぶりが伺えます。

職人様のKさんにお見せできるレベルではないので、恐縮です。恐縮です。

(あえての二回。)

でも闇塚氏シリーズだけは、眼力(だけ)はスゴイと評価を頂いております。

Kさんの大切な物の近くに貼っておけば、防犯の役に立つかもしれません。


未知の道。(笑) 知らない道は本当に目的地までが遠いですよね~

帰りの道はスイスイなのに。やっぱり脳も緊張してるのかもしれませんね。

ミュージアムに無事についてよかったですな!しかしあえての徒歩とは流石!


デート。(笑) 仲良しの二人には、天気は関係ありませんでしたな!

80年代アニメですか~!最高ですね~!何回みても飽きませんよね~!

でも、Kさんが完成試写以来見てないとは…。30年以上、作品を見るのも

躊躇われる程の、ご、ご苦労を…?|д゚) いや、た、たまたまかも。


ブログを拝見していると、K先輩は動で、Kさんは静と言った感じですね。

どちらも闇塚さんの畑を潤す、大事な栄養のような方たちです。羨ましい!

末永く、大切になさって下さいませえ~!(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


[闇塚の返信]

印刷した形で(シンカワさんの絵を)見たい…というのが、Kさんの御希望だったのです。カラープリントしたものをお渡ししました。


2キロ程度なら歩いてしまうようになりました。かつての俺ならば、考えられなかったことです。若い頃より、今の方が元気かも知れません。


様々な形でお世話になっております。まったくありがたいことです。大感謝以外に捧げる言葉がないのであります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る