仏滅に、食費を射た

 扉が閉まり、始発電車が動き始めた。座席の埋まりは九割ぐらいか。早速眼を閉じる人もいれば、自分のやりたいことをやっている人もいる。車内の過ごし方にも、個性のようなものが出る。俺は本を読んだ。椎名誠の『にっぽん・海風魚旅4/大漁旗ぶるぶる乱風編』(講談社文庫)である。


 終点下車。駅から職場へ、徒歩で移動した。歩きながら、ラジオの情報番組を聴いていた。スポーツコーナーの話題は、初場所の結果について。今回優勝した玉鷲さんは「相撲界一、女子力が高い力士」だそうである。


 職場到着。売店に入る前に、手持ちの買物カードを休憩広場に設置されているチャージ機に挿入し、3000円分をチャージした。先週の繰り越し分と合わせて、3200円。月曜から木曜までの4日間、朝飯と昼飯をこれで賄うのだ。

 売店に入り、菓子パンとコーヒーを買った。食後、コーヒーを飲みながら、乱風編収録の「ぼんやりぐるぐるふたつ島」を読んだ。


 午前業務終了。食堂に行き、Bランチの券を買った。窓際の席に座り、飯と魚と汁を腹の中に流し込んだ。食事としての楽しみはほとんどない。空腹を和らげるための作業のようなものだ。休憩室に行き、ふたつ島を読了した。豆腐工場の見学場面が特に面白かった。その後、約十分仮眠。〔28日〕

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