学園ハーレムのモブ役は必死で主人公達を支える
長谷川さん
ジョン=ドゥ
プロローグ モブの独白 改定版
夕暮れ時の教室の窓から、少年―
ふと、教室の向かいの棟から図書館が見えて一人の少女を捕らえた。彼女はグラウンドの下の少年とは真逆でわいわいと屯してはいないものの、図書館にいる多くの生徒は、本を見つつ彼と同じく羨望の目で密かに見つめている
二人の少年と少女。
そして、二人は古宮高校の人気者。
もし、うちの学校のイケメンと美少女をアンケートすれば必ず二人が一番になるほど顔立ちがかなり整っている。
湊海は特に運動神経がずば抜けていた。幼い頃から野球をしていて彼の実力ならば、強豪高校へ入学すると思っていたが何故か甲子園に行ったこともない古宮高校に入学して一年生エースとして君臨している。噂では、弱小高校を甲子園につれていくためだとかいわれている。
実際、甲子園の常連校との練習試合にて完全試合を遂行して勝利をもたらしている。
周りからチヤホヤされているのに謙虚な心を忘れることなく持っており、誰にでも分け隔てなく優しく接するため多くの人からも慕われている。
女子からはそれはもう多大な人気を誇る。
バレンタインデーには、古宮高校の生徒に飽き足らず他の学校の生徒からももらっているためにわざわざ空のバッグを持ってきているが毎回パンパンだ。
椎名天は頭脳明晰で学年一位を一年間続けている。偏差値がここより高いの高校入試で合格判定をもらっていたというのに何故がこの学校に来ている。彼女は通学に時間がもったいないからであると説明している。
部活には入っていないが良く図書館で1人本を読んでいてその姿を拝むために多くの男子生徒が図書館へと通っているほどだ。
そんなに多くの男子生徒を魅了していながら、一度も告白を受け入れたことがない。
残るのは、散った男共の涙だけ…。
そんな二人に囲まれた神室の日常は、地味の一言だ。
運動神経がないとは言わないが目立つものでもなく、勉強面では中の上をキープしている。
「はぁー。」
体から悪いものを吐き出すように深い溜息。
別段、ちやほやされたいとか目立ちたいとかで彼らに対して嫉妬しているのではない……ないはずだ。自分に言い聞かせた。そうでないと、さらに惨めになってしまう。
時折、湊と話していると他の人が話に割り込んできて、椎名がふと自分に話かけると背後から男子生徒から殺意の波動を食らう。
よって、神室は仲の良かった二人と距離を空けるようになった。下手に関われば、面倒ごとになると思ったからだ。
彼らと自分は同じく土俵にいてはいけないのだ。
俺は、それこそギャルゲー乙女ゲーに出てくる少年Bのようなモブでないといけない。輝きを持つを独占してはいけないのだ。
「あいつらと幼馴染になりたくなかった。」
頭にふと湧いた言葉を神室が口にして、そんな自分が嫌になる。再び、二人を一瞥して誰もいない教室から逃げるように学校を後にした。
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