第26話修行開始
トラウ「持つだけなら誰でも…」そう言ってデンキオロルに手を伸ばし掴む
トラウ「イッッッテーー!」掴んだ瞬間、バァンッ!と物凄い音が鳴った直後、トラウが手を離す
トラウ「っなんだこれ?!くそ痛ぇ!」
コウキ「それが電気だ」
ドワーフの店主「普通ならただではすまんのだが…大丈夫そうだな」
トラウ「大丈夫じゃねえよ!目ぇ付いてんのかおっさん!」
コウキ「ただこいつがいるとなー…今まで以上に美味い物がいつでも!食えるんだよなー…」
トラウ「…」コウキの言葉を聞き考える
トラウ「いつでも…?」
コウキ「そーだな」
トラウ「…やってやるよ」意気込むトラウ
コウキ「応援してるぜ!」
トラウ「任しとけ!」勢いよくデンキオロルを掴むトラウ
トラウ「イデーー!おいこれ!どーすんだよ!」デンキオロルの電気を受け流し耐えながら二人に叫ぶトラウ
ドワーフの店主「あ…そういえば、まだこいつの住処、用意しとらんでは?」
コウキ「…あ!そっか!トラウいいや、一旦おろしてくれ」
トラウ「ぐわっち!」トラウが急いで戻す
コウキ「わり!まだ入れるとこなかったわ!」
トラウ「…お前らホントにいい加減にしろよ…!」ボロボロのトラウ
ドワーフの店主「よく考えたら先に冷蔵庫か」
コウキ「じゃあ上か」一階へ登る二人
トラウ「…あいつら」二人が上がって行った先を恨みがましく睨みながら一階へ上がる
ドワーフの店主「とりあえずこいつを先に置く必要がある」冷凍庫を見ながら話す
コウキ「了解!任せろ!よしトラウ!」コウキが一旦店の外へ出て三m以上の亜空間の出入口を作る
トラウ「何が任せろだ、俺じゃねえか…後で絶対旨いモン食わせろよ…」そう呟きながら冷凍庫を抱えて亜空間の部屋に運ぶ
コウキ「ここにそぉーっと置いてくれ」トラウを部屋の一番奥の方へ誘導し置くよう頼む
トラウ「よっと」
コウキ「流石!…あ!ちょっとまて」部屋の二階へ走って行って二m以上あるスノコを取ってくる
コウキ「も一回上げてくれ」
トラウ「へいへい」トラウが冷凍庫を上げ、その隙にスノコを差し込むコウキ
コウキ「よし…!これでやってくれ」ドワーフの店主へ声をかける
ドワーフの店主「よしわかった」そう言って透明の中が見える長方形の物を置きそれと冷凍庫から伸ばした紐で繋げ、三人で亜空間から出て地下へ降りる
ドワーフの店主「よしじゃあこいつを入れて、しまいだな」
トラウ「マジかよ…」コウキが飼育の箱に直接繋がる出入口を作る
コウキ「よっしゃここに入れてくれ」
トラウ「はぁ…よし!行く!」気合を入れた後にデンキオロルを勢いよく持つ
トラウ「イデー!」痛みに耐えながら出入口へ放り込む
コウキ「よし!よくやった!」
ドワーフの店主「天晴れだ!冷凍庫なら充電してあるから、一応もう動く筈だ」
コウキ「試してみよう」三人で亜空間へ入り、冷凍庫の電源を入れると所々光が付き、ブゥーン…と微かに振動する
ドワーフの店主「よし!これでしばらくすれば中も冷えるだろう」
コウキ「ありがとな!おっさん!とトラウ」
トラウ「もう二度と勘弁だからな…」
コウキ「おっさんこれ代金渡しとくよ」
ドワーフの店主「毎度!さあて今日は飲むかな〜」上機嫌の店主
コウキ「じゃあな、またなんかあったら頼むよ」
ドワーフの店主「おう!また来い!」
トラウ「またな!」店を出てギルドへ向かう
トラウ「旨い飯は?」
コウキ「ギルドで食えるだろ」
トラウ「は?!それじゃ昨日とおんなじじゃねえか!」
コウキ「まあまあ今は、まだなんだよ」
トラウ「騙された…」落ち込むトラウ
コウキ「人聞きの悪いこと言うなよ」話しながら歩いているとギルドに着く
コウキ「昨日の報酬を受け取りに来たんだけど…」受付嬢に話しかける
受付嬢「こんにちは!報酬の受け取りですね!ギルドカードを見せていただけますか?…コウキさんとトラウさんですね、少々お待ちください」紙と麻袋を取り出し二人へ渡す
受付嬢「こちらが報酬内訳の紙と報酬です」
コウキ「ありがとう」報酬を受け取り食事を終わらせ、荷車無しで騎竜を手配し街の北東のバサド山の方を目指す
コウキ「着いたぞ」バサド山中腹に到着する
トラウ「よっしゃぁ!久々の修行!ガビテまでもうちょっとなんだよな!」
コウキ「ああもうちょいだな、今やっとかねえと後々後悔するからな」二人が騎竜をおり背中をポンポンと二回叩くと二匹の騎竜が街へ向け帰って行く、騎竜を見送りバサド山を歩き出す
コウキ「ここらでいいだろ」山中の中腹まで来る
トラウ「もっと上行こうぜ!」
コウキ「デカイ怪我してガビテ出れなくなったら、どうするんだよ、それに治療にいちいち街、帰ってたらめんどくせえだろ」
トラウ「むー…」顰めっ面のトラウ
コウキ「おい…さっそくムナホシワシだ」コウキが見た方向の離れた場所に三匹の三m強の怪鳥が佇んでいる
トラウ「よっしゃ!行っくぜ!」
ムナホシワシ…強位33 全長三m翼開長七mの全体的に青色の鷲、雄だけに胸に星の様な十字の赤い模様があり繁殖期になると肺に空気を入れ羽を広げ雌へ求愛行動をとる、大型動物を持ち上げる程の脚力と強靭な羽で狩りをする。羽根が派手好きに人気
トラウ「旨いな!こいつ!」
コウキ「パリッと焼けた皮に柔い肉が最高だな!」二人で連携し狩って焼いたムナホシワシに齧り付く
トラウ「旨かったー!」
コウキ「初めて食べたけど、また食いてえよ」天幕を張り食事を終わらせて魔照虫鍛錬をしてデンキオロルにご飯をあげ
明日からの修行に備えて就寝する
二日目
二人は一日目地点から移動し大きな岩がゴロゴロした山肌へ来ていた
コウキ「歩き難いとこだな…」コウキが普通に歩きトラウが大きな岩の上をピョンピョン跳んでいく
トラウ「おい!コウキ!なんだこいつ!」
コウキ「なんだ?」トラウに駆け寄る
トラウ「デケェカニ」トラウが左右の鋏を持ち見せる
コウキ「こいつはバサドイワガニだな」
トラウ「食おうぜ!」
コウキ「当たり前!」
バサドイワガニ…強位3 横幅三十cm 岩肌の様な見た目をしているバサド山固有の蟹、割と良い値で売れ誰にでも普通に捕まえられる為、麓にいたりするバサドイワガニを獲り生計を立てている者もいる、ただ鋏で挟まれると成人男性の腕でさえ容易にへし折る程、その為注意が必要、食用として人気が高いので、養殖に挑戦する者もいるのだとか。雑食でなんでも食べる為か身が非常に詰まっており味が濃縮されている、鋏部分の身は弾力があり甘めの味がする、オグス村では一家の大黒柱だけが鋏の身を食べる風習があるらしい。
周囲に潜んでいた二五匹大量のカニを捕獲し何匹が焼き始めると香ばしい匂いが食欲を増進させる
トラウ「クッソ旨めー!」
コウキ「なんでイチイチ騒ぐんだよ…美味いけど」
トラウ「カニみそに身つけて食うと最高!」次にカニを茹でてみる
トラウ「ぎゃー旨めー!」
コウキ「美味いしか知らねえのか…」トラウの語彙力の少なさに呆れる
茹でるとカニの甘みと旨味が口いっぱいに広がる、食事を終え殻を洗い、殻を亜空間に入れ、魔照虫鍛錬を始め魔力が尽きた頃に就寝する
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