第24話冷蔵庫、亜空間からの手招き

作業場から来た通路を通って本館側へ戻る 

フランドル「私達も食事にするか」ギルドの本館へ出る 

コウキ「そだな…一人変な奴いるな…」トラウが自分の目の前に大量の料理を並べてバクバク食っている 

トラウ「モゴっぼー!きばぼば!」トラウが食事と会話を同時に取ろうとする 

コウキ「汚いなー、食ってから話せよ」コウキとフランドルの二人も忙しないトラウの目の前に座り通常の量の食事をのんびり取る

トラウ「ぷふー、もお食えねー」

コウキ「じゃあ風呂浴びて宿帰るか」

トラウ「え?!風呂行くのか?」

コウキ「い、行かないのか…?」

トラウ「も、もちろん!行く!」コウキの病みの蓋を開けそうになったトラウが急いで賛同する 

フランドル「そうかじゃあ報酬は明日にでもここで受け取ってくれ、私は少し酒を煽ってから帰るのでな」

コウキ「そっか、今日は色々世話になったよ」

フランドル「二人の実力がみたかった私の勝手だよ、困った事が有ればなんでも行ってくれ力になる」

コウキ「ああ、じゃあな」

トラウ「またなー!」ギルドを後にし風呂でゆっくりした後宿へ戻る二人 

コウキ「さてと…修行してから寝るかな…」

トラウ「俺にもくれ」

コウキ「あいよ」亜空間から魔照虫の籠を二つ取り出し一つをトラウに渡す

トラウ「おっし…!」

コウキ「…」魔照虫が揺めき魔力尽きた頃に眠りにつく二人

次の日…

コウキ「んー…朝か…」窓から差し込む光に起こされる

反対側のベッドでは落ちそうで落ちないトラウが寝ている

コウキ「…こいつ起こすと面倒くせえな…」支度しトラウの枕元に十分な金を残し宿を出る

コウキ「よし!とりあえず」上機嫌で大通りの店が出ている場所へ向かう

コウキ「朝の少し涼しい空気に当たりながら朝食…!なんて素晴らしい日なんだ…!」

コウキ(基本トラウかワカバ孤児院チビのいるもんなー…)サンドイッチとカフェオレという物を出している店に座り朝食をとる

コウキ「あー…朝の飯ってのはこういうのをいうんだよ…」

コウキ(朝っぱらから脂のって旨味たっぷりの肉塊に齧り付くなんてあり得ねえ…あいつの胃袋はどうなってんだ…)のんびり朝食をとる

コウキ「じゃあ…念願の朝から一人風呂でも入るか…いや、待てよ…」

コウキ(そういやこの辺りになんか面白そうなもん売ってるとこが幾つかあったな…)大通りから少し外れた細めの道に入り電機という看板がかけてある店を覗く、店主のドワーフが店の奥の作業台の上で何かを組み立てている

コウキ(なんだこりゃ…)鉄の箱に目が止まる

ドワーフの店主「なんだ若えの家電に興味があんのか?」

コウキ「これは何する物なんだ?」一m〜二mほどの鉄の箱が並んでいる

ドワーフの店主「そいつはな冷蔵庫っといってな中に入れた物を冷やしたり冷やしたままにしておく事が出来るんだ」

コウキ「物を…冷やす…?」大きい大袈裟な大きさをしている割に微妙な物だなとガッカリする

ドワーフの店主「フッ…こっちに来い」

コウキ「?」ドワーフに手招きされた方へ行く

ドワーフの店主「こいつの取手を扉を開ける要領で引いてみろ」ドワーフがコウキの目の前の二m足りないくらいの細長の冷蔵庫を指差す

コウキ「開けんのか…?」取手を軽く引っ張てみると一瞬重たく感じたがその後すんなり開く

コウキ「ん…?お…?なんだこれ?!」コウキにヒンヤリした冷気が降りかかり思わず身構える

ドワーフの店主「ドッハッハ!」焦るコウキを見て笑うドワーフの店主

コウキ「お、おっさんの能力か…?」戸惑うコウキ

ドワーフの店主「違うわい、これは電気を変換して冷気で冷やす道具だ、中を見てみい」

コウキ(電気…そういや学校で習ったな…地球の文明で色んな機械を動かすとかって…)

コウキ「なんだこれ…食い物か…?」中には卵や肉野菜等の複数種類の食材が入っている

ドワーフの店主「それとこっちは…冷凍庫というやつだ」冷凍庫の上部にも付いていた同方向に開く扉を開ける

コウキ「うおっ?!さっきより冷てえ…!」中を触ってみる

ドワーフの店主「氷を作ったり、食材を冷凍する為のもんだ」

コウキ「氷を…」

コウキ(氷庫に冬の氷を保存しておく事はあるけど…)冷凍庫のフチや中には霜が張り、細かい氷が付いている

ドワーフの店主「これはな、食い物を冷やして日持ちさせる道具だ一日でダメになっちまうモンでも一週間それ以上もつ、まあ物によるがな」

コウキ「なるほど…食材の保存か…」

ドワーフの店主「まあこれを使うには設備が必要だからな…注文や設置の依頼がくるのは金持ちくらいよ」

コウキ「そうなのか…電気はこの中で勝手に作るのか?」

ドワーフの店主「いや、こいつに電気を作る事は出来なくてな、こいつの後ろに黒い紐が伸びてるんだが、それが屋根まで伸びててな、その屋根の紐を太陽の光で電気作る装置とくっつけりゃ動くんだよ」

コウキ「そうなのか…」

コウキ(保存の部分は重宝しそうだし、亜空間の部屋に入れて置いときゃ便利かと思ったんだけどなー…太陽はなー…)悩み気落ちするコウキ 

ドワーフの店主「なんだボウズ買うつもりだったのか?」

コウキ「うーん…いくらするかは知らないけど有れば良さそうだなーって思ったんだけど…」

ドワーフの店主「部屋が狭いのか?」

コウキ「いや…」

コウキ(見てもらう方が早いか…)

コウキ「見てほしい物があるんだ…」

直径二mの亜空間への出入口を作り、入って行く

ドワーフの店主「なんだ…こりゃ…?」目の前にできた空間の穴の様な物に戸惑う

コウキ「おっさんこっちこっち」戸惑うドワーフに亜空間の中から手招きする


※後書き…2/3に一話目冒頭部に混星時の地球という内容を追加させて頂きました、ストーリーの変更等ありませんが、読んで頂いている方、誠に勝手で申し訳ありません

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