第22話タコが四匹
トラウ「うーん、ここらに居そうな気がすんだよなー…」北の沢が流れている場所でオカダコを探すトラウ
コウキ(この地面の這った後、新しい…一度、周囲を調べて見るか…)西へ痕跡や跡を調べながら走ってきたコウキ
フランドル「この時期、水辺の近くを彷徨くはず痕跡からして…」フランドル(この辺りにいるはず…)
トラウ「どーこかなー」走ったり飛び跳ねながら周囲を闇雲に探す
トラウ「この辺、いそうなんだけどなー…んー…?」何もない所に近づき凝視する
突如、揺らめいた何かがトラウの頭を叩こうとする
トラウ「あ、あぶねー!なんてことすんだコイツ!…けど見―つけた」ニヤッとするトラウ
フランドル(捕食したような跡がある時間も経ってない、そこらじゅうに食べカスやら落ちている…いるな…)砂利を拾い、辺りに勢いよく投げつける、数回投げた所で大木中腹に張り付いていたオカダコに小石が当たり、バッと飛びついてくる
フランドル「おっと!危ない」飛びついてきたオカダコの下を潜り避け、振り返り背中に携えている百三十cmほどの十字型の刃物をオカダコへ向かって投げつける
十字の刃物が高速回転でオカダコの胴を浅く切り裂き一回転して帰ってくる、オカダコが咄嗟に身を逸らした為、致命傷には至らない
フランドル「もうちょっと、だったんだが…」
フランドルの能力…対象に魔力を流し回転力を加える能力
オカダコが高水圧の水を横薙ぎに払う
フランドル「やるな…!」しゃがみ回避する、更にオカダコが高水圧を吹きかけてくる、回避し近づくと触手を叩きつけ攻撃してくる
フランドル「当たらないな…!」触手を回避し十字型の刃物を高速回転させオカダコの胴へ向かって投げつける、オカダコが触手で防ごうとするが触手を切り裂き胴に直撃する
フランドル「はぁ…格下相手にこれではまだまだだな…」内臓を取り出してオカダコを紐で縛り担ぎ上げ運ぶ
フランドルがオカダコを担いで集合場所へ向かうとまだ誰も居ないので座って一人で待つ
コウキ「おお!フランドルあんたやるなー!」しばらくするとコウキが歩いて来る
フランドル「まあ、これでも六位だからね」
コウキ「そおなのか!通りで強いわけだな」
フランドル「ところでそっちにタコはいなかったのか?」
コウキ「フッフッフ…実はここに…!」亜空間からオカダコを引き摺り出す
フランドル「おお!なんと!」突如出てきたオカダコに驚くフランドル、トラウを待つ二人
コウキ「トラウ遅えな…もう来ても可笑しくないんだけど…」
フランドル「まさか…窮地に陥っているのでは…!」
コウキ「ないない、あいつの事だから大方道に迷ってるか道草食ってるのどっちかだろ」
フランドル「そう言うならそうなんだろう」
トラウ「おーい!」オカダコを担いで走ってくる
コウキ「やっと来たか…あれ?」
トラウ「おい、見ろこれ!」トラウが担いでいたオカダコをドサッと落とすと二体いる
トラウ「大漁タイリョー!」
フランドル(こんな短時間に二体…内臓等の処理をしていないとはいえ早い…!目立った怪我もないようだな…)
コウキ「まんまじゃねえか!内臓取らないと腐っちまうだろ!」
トラウ「お前なー俺がそんな事できると思うか!」自信満々で胸張って応えるトラウ
コウキ「俺が悪かった」
トラウ「後は任せた」
コウキ「はいはい」二体とも下処理をしてフランドルが狩ったオカダコと一緒に亜空間へ入れる
フランドル「その歳でこれ程とは…」
コウキ「え?」
フランドル「…いや、なんでもない」
コウキ「よし、じゃあ帰るか」
フランドル「そうだな…」
トラウ「おっしゃー!ギルドの飯食ってみたかったんだよなー!」三人は帰路につき、待たせていた竜車に乗り込みラウンタティへ向かい暮れてきた頃に北の外門前までたどり着く
コウキ「この門はずっと空いてるのか?」なんとなく気になったコウキが聞いてみる
フランドル「いや、北、南、東に関しては日が落ちて関所の審査を受けている者がいなければ閉まる、西門に関しては他の街などからの人の行き交いに物の搬入、日が落ちても使う為、常に見張りが居て開いている」
コウキ「へーなるほどな」竜車が審査の列に並ばず門へ進む
コウキ「調べてもらわなくていいのか?」
フランドル「一定期間内であれば出る時に申請していれば、発行された手形を見せるだけですぐに入れるんだ」
コウキ「覚えとこう…」
トラウ「待たなくていいのかー!」竜車の運転手と別れギルドへ向かう
コウキ(げっ!この前のおっさんいんじゃん…!)ベイスを見かけて煙たい顔をするコウキとどこ吹く風のトラウ
フランドル「大丈夫だよ」
ギルドへ入って行くと騒いでいた連中が静かになる
三人が目の前に来た辺りでベイスがバッと立ち上がる
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