第20話朝肉朝風呂
コウキ「んー!良く寝たー…!布団がいいと、こうも違うんだな…」
コウキ(この街で稼いで布団買うのも有りか…?)そんな事を考えながら隣を見る
コウキ「おいトラウ!ギルド行くぞ!やっぱ起きねえか…」ふとなんとなく別の呼び掛けを試して見る
コウキ「おい!美味い飯食って依頼行こうぜ!」
トラウ「え何?飯と依頼?」トラウがムクリと起き上がる
コウキ「ふざけんな!おまえホントは起きてるだろ!」
トラウ「…飯食って依頼行くのか?」
コウキ(絶対起きてるだろ…)
コウキ「…とりあえず風呂だな」
トラウ「おい飯だろ!」
コウキ「わかったわかった!飯な」泣く泣く要求を受け入れる
トラウ「よし!」急いで支度を始めるトラウ
コウキ(この歳になって初めて効果的な起こし方、知るとはな…)支度を終わらせて下へ降りる
コウキ「おはようございまーす」
受付の女性「おはようございます!」挨拶をして出て行く
コウキ「とりあえず大通り行ってみっか…」大通りに出ると朝という事もありパンや軽い野菜中心の朝食、コーヒーを飲む人等、様々
コウキ「あの店も良さそう…」
トラウ「おい」
コウキ「ん?」
トラウ「こっちから旨そうな肉の脂の匂いがする!」
コウキ「そんなもんしねーよ」
トラウ「こっちだこっち!」コウキを引っ張って走って行く
コウキ「わかったから引っ張んな!」トラウに無理矢理、連れられついていくと朝から肉を提供している店、その肉を焼く大人達がいる
コウキ(こんな時間からこんな物食ったら後でしんどいな…)
コウキ「じゃあトラウ、ここで食ってろよ俺向こうの店で食ってるから」
トラウ「おう!わかった!いいぜ!」
コウキ(よし…!いや…待てよ…)昨日、夜の事が頭を過る
トラウ「ウッホホーイ!キタキタ!」注文した山盛りの肉が来て興奮するトラウ
トラウ「…でコウキ、なんでおまえいんだよ…」何故か横に座っているコウキに聞く
コウキ「いや…俺も肉食いたくなってな…」騒動を避ける為仕方なく一緒に食事をするコウキ
コウキ(ああ、俺もあの初めて見たサンドイッチとかってのとカフェオレとかってので優雅に朝食とりたかったぜ…)涙を流しながら肉を食べるコウキ
トラウ「なんだそんな泣くほど旨めえか!やっぱ朝は肉だよな!朝肉だよ朝肉!」
コウキ「そうだな…」腹一杯肉を食べた二人
トラウ「いやー!食ったなー!いい街だ!朝から肉!朝肉だ!」
コウキ(明日からこいつ起こさねえで一人で来よ…)
コウキ「じゃあ風呂行くか」
トラウ「依頼行こーぜー」
コウキ「ダメだ、宿の受付の人にそろそろお風呂で汗でも流した方がいいんじゃないですかって言われたくねえだろ?」
トラウ「いいよ別に」
コウキ「良くねえ来い」院長に聞いてあった浴場へトラウを無理矢理、連れて行き風呂に入る
コウキ「ぐへ〜…いい湯だなー…」
トラウ「ジジイみたいな奴だな…」
コウキ「うるせ〜…」風呂へ浸かり汚れと共に疲れを洗い落とした二人が出てくる
コウキ「いやー、風呂はいい!俺も欲しい!」
トラウ「孤児院にもあんだろ…」
コウキ「ある!あるんだ!あるんだけどゆっくり入れねえんだよ!チビどもいるし!女連中が早く上がれだのなんだのとうるせーし!そのくせ自分らは長風呂だったり一人二人でゆっくりゆったり入りやがってほんとあいつらときたら!自分らだけ風呂満喫しやがって俺もゆっくり入りたいって言うと男なんだから風呂は短めで良いだとか、むしろ自分たちが長めに入りたいから、お前ら男は三日に一回で良いとか抜かしやがって!」
トラウ「あー!わかったわかった!風呂くらいいつでも来てやるからな?な?」藪蛇突つき止まらない風呂への欲望を強引に抑えるトラウ
コウキ「ホントか?」空気が一気に明るくなるコウキ
トラウ「お、おお…!」戸惑い返事する
コウキ「ありがとうな…初めて心の底からお前とこうやって一緒にいて良かったと思ったよ」
トラウ「そ、そうか?そりゃ良い…のか?」
コウキ「じゃあ依頼で汗流して!帰ってきて風呂入るか!」
トラウ「え?今日はもう入ったろ?」
コウキ「え…?は、入らねえのか…?」明日死ぬのではないかと言う様な絶望的な空気を醸し出すコウキ
トラウ「は、入ろう!もちろん入ろうな!」トラウが焦り返答し風呂の話題は二度と出さないでおこうと心に誓った
そのまま二人がギルドへ向かう
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