第14話王都到着
次の日の朝
コウキ「んー!よく寝た!」起きて伸びるコウキ
コウキ「おい!起きろ」隣でグーグー寝ているトラウを揺すって起こす
コウキ「ハァ…」コウキ(どうせ起きねえし後でいいや)トラウを寝かしたまま出発の準備をしていく、二匹の騎竜は起きて荷車の周りをウロウロしたり匂いを嗅いだりしている
コウキ「おはよう、あいつもお前らくらいちゃんと起きれたらなー…」騎竜に声をかけ愚痴をこぼす。
コウキ「おーい、じいさーん、そろそろ行くぞー」荷台をバンバンと叩き反応を見る、コウキのその様子を騎竜が見ている
コウキ「あれ…?」荷車の裏側へ回る
コウキ(あのじいさんまた驚かす気じゃねぇだろうな…)警戒しながら仕切りの布を開け荷台へ入る
コウキ「おーい、じいさーん…なんだ寝てんじゃねえか」老人が寝息をたてて寝ている
コウキ「おい、じいさん起きろよ」
老人「うーん…あと二時間…」
コウキ「昨日の朝は起きてたろ!」
老人「グー…」
コウキ「なんてジジイだ…!」荷台をおり、トラウを荷台に積む
コウキ「まったく…!」文句を言いながら運転しながら三時間ほど竜車を走らせる途中から石畳みの道が続く
コウキ「お!見えてきた!」竜車で走ると途中から石畳みの道ではなく、石畳みの広場の様な物が近づいてくる
コウキ「ガビテもあってかすごい賑わいだな…!」遠くに高い外壁が続いているのが見える、外門からコウキの所までかなりの距離があるが建物はなく石畳みの広場が外壁の外周に沿ってずっと続いている。広がっている石畳みの上には屋台や行商などが店を出して門まで行く人来る人や近隣の村や町からくる人で賑わっている
コウキ「すげー…昔、来た時こんな石畳みあったっけか?」昔は石畳みの広場ではなく石畳みの普通の道で広場の部分は林だった様な気がして首を傾げる
コウキ「まあでもやっぱウチの町とは比較になんねえな…」いつもは村や町ばかりで約十年ぶりに来た大きな街に圧倒される
コウキ(なんだ…?みんなこっち見てるような…別に服、変じゃないよな…?騎竜もそんな変なの連れてねえし…なんなんだ…?)行き交う竜車や商売の屋台、客がこちらを見て、すぐに目を逸らし微かに笑っている、その視線が気になり自分の格好や騎竜を頻りに確認する
コウキ(え…?マジでなんなんだ…?…はっ!)何かに気付き竜車の向きを変え来た道を戻る
人気の少なくなったところまで戻り竜車を止める
降りて荷台を後ろからバッと開けると相変わらず二人は気持ち良さそうに寝ている
コウキ「おい!じいさん起きろ!」荷台に上半身だけ突っ込み、老人を起こす
老人「なんじゃこんな朝っぱらから…」眠たい目を擦りながらムクリと起き上がる
コウキ「もうすぐ昼だよ!」
トラウ「ふあーあ…!なんだよ朝からうるせーなー…」
コウキ「だから昼だって!」二人の声でトラウも起きる
老人「…ありゃ、まだ王都に入っとらんではないか、入ってから起こしてくれればよいのに…」着いたのかと思い降りてくる老人
トラウ「そうだぞ」トラウも後に続いて降りてくる
コウキ「こんな色の竜車で入れる訳ねーだろ!」コウキが荷車を指差す
老人「王都に入るのに色の規定なんぞないぞ」
コウキ「そういう事じゃねぇよ!虹色の竜車なんておかしいだろ?」
老人「かっちょいいじゃろ」
トラウ「いや、めっちゃいいだろ」
コウキ「アホか!俺は歩いて行く…!」
老人「うーむ仕方ないのー、ではここまでで、儂は帰るとするかの」
トラウ「じいさん行かねーのか?」
老人「何度も行ったしこの時期は門ですごい待たされるからの用もないのに行きとうないわい」
コウキ「そんなに待つのか?」
老人「戦祭で妙な事をする輩が入らんよう目を光らせとるんじゃよ」
コウキ「なるほどね…」
老人「では儂は行くとする、おぬしらまたオグス村にはよるのか?」
コウキ「ああ、そのつもりだよ」
トラウ「よっしゃ、またおっさんの飯、食えるな!へへっ」
老人「そうかそうかではまたゆっくり訪ねてくるとええ」そう言いながら運転席側に回り運転席に乗り込む
コウキ「ああ、またオリーブに帰る時よろしく頼むよ!」
トラウ「じいさん元気でな!」
老人「戦祭…力いっぱいやって帰って来い!待っとるぞい」
トラウ「任しとけ!」
コウキ「ああ、じいさんに土産でも買って帰るよ」
老人「そうかそうか楽しみに待っとるかのー」虹色の竜車が東へ向かい走り出す
コウキ「じゃあ俺らも行くとすっか…!」
トラウ「だなー!」
二人で王都ラウンタティへ歩き出す
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