第7話依頼概要
受付のおばさん「依頼は基本的に自分や仲間の中で一番高い位階の人に合わせて受けられるわ、例えば位階一位が一人と位階二位が一人で活動している人とかだと受けられるのはH〜AまであるうちのGまで…」
資料を見ながら一緒に確認する
コウキ「なるほど…」
受付のおばさん「ただ例外として同ランクが三人以上いる場合は一つ上のランクの依頼を受けることができるの、例えば…位階一位で受けられるのはHだけど位階一位が三人いるとGの依頼まで受けられるの。依頼は基本的に地方やギルド毎に貼り出してるから現地で確認してね」
コウキ「わかった」
依頼のランク…H〜SSで構成されており、登録者が受けられる依頼のランクは自身の位階による。一位であればH、二位であればG、三位であればFという形になっており、依頼のランクは依頼者がギルド等を通じて議会へ申請すると議会が決定する。S・SSの依頼は一般に公開される事なく議会やギルド側から直接指名される形で依頼を受ける事となる
登録者の位階…一位から十位まであり十位が最高位、議会が依頼の達成状況や失敗頻度、依頼遂行による被害などを加味して判断する
生物の強位…生物の危険度。1からあり生物毎に議会の調査員の情報を元に議会が決定する現在確認されている最高が114、120や130それ以上も存在するが情報が不足しているため憶測の強位。一般的な目安で一位の登録者であれば強位1から強位10が適正であるとされている
受付のおばさん「…これで説明は以上だけど質問ある?」
コウキ「いや、大丈夫よくわかった」
トラウ「…」途中からついていけなくなったトラウが固まっている
受付のおばさん「今からでも一応依頼、受けられるわよ」
トラウ「本当か?!」
コウキ「いや、もう宿に帰るぞ」
トラウ「えー?!」
コウキ「ただどんな依頼があるか見せてくれる?」
受付のおばさん「ええ、構わないわよ…えーっと登録したばかりの一位だから…この辺りね」受付のおばさんが二枚ほど書類を見せてくる薬草採取と調査依頼
コウキ「ダンシャクカソウの採取と…これ…モクメオオイタチの調査…」
ダンシャクカソウ…普段はヒメカソウと呼ばれメシベしかないが、繁殖期の春になるとヒメカソウの中にオシベを生やす物があり、それを通称ダンシャクカソウという、ダンシャクカソウを乾燥して煎じて飲むと殺菌作用があり体を温めてくれる。味はほんのり甘く、香りが良いのでお茶としても人気。逆にヒメカソウは苦いく抗菌作用が弱いため需要がない
受付のおばさん「そういえば二人ともオリーブの町から来たのよね?」
トラウ「おう、まあな」
受付のおばさん「このダンシャクカソウを摘んでる人なんか見かけなかった?」
コウキ「うーん…いや、いなかったけど?」
受付のおばさん「あらホント…今日の昼過ぎに出た村の人間が一向に戻って来なくて心配してるのよー…」
トラウ「俺らが見てくるよ!」
コウキ「そうだな、心配だしな」
受付のおばさん「まあー!うれしいわ!その人は男性で私と同じくらいの歳でスナッテンって言うの」
トラウ「あのおっさんかよ!」
コウキ「あースナッテンさんなら俺らと一緒に村帰って来たよ」
受付のおばさん「あら!ホント!なんで報告なりしてこないのかしら…」
コウキ「あの人、依頼のこと忘れて自分の仕掛けた罠に嵌ってたよ」淡々と告げるコウキ
受付のおばさん「あの人、相変わらずなのね…」おばさんが呆れている
受付のおばさん「まあ、無事ならいんだけどね。あんなだけど悪い人じゃないのよ村の周りの柵、見た?」
コウキ「ああ、見たよ変わった柵だね」
受付のおばさん「あれはスナッテンが普通の柵じゃ簡単に壊れるって言って毎日毎日コツコツと村の為にと自分でね」
トラウ「へーいいとこあんだな」
受付のおばさん「そうなのよー」
コウキ「あ、そだ、さっきのイタチの依頼なだけど…」
受付のおばさん「うん?」
コウキ「これじゃねえか?」そう言って亜空間から四匹のオオイタチが入った袋を取り出しオオイタチを見せる
受付のおばさん「あら!多分そうだわ!オオイタチを最近、近くで見かける様になって増える前にと思ってなんだけど…あなたたちが…?」まさか二人に狩れると思っていないおばさんが質問する
コウキ「いや、こいつ一人だよ」
トラウ「へへん!」鼻息荒く威張るトラウ
受付のおばさん「まあ!一人?!」驚くおばさん
トラウ「俺達つえーんだ!」
受付のおばさん「四匹討伐なんて…ランクでいえば、おそらくFかしら…」
トラウ「え?!まじ!じゃあもうランクあがんの?!」
受付のおばさん「どうかしらね…一応、議会に報告するけど議会側がどう判断するかね…」
トラウ「なーんだ…」がっかりするトラウ
受付のおばさん「それはそうとモクメオオイタチ、素材の買取とかもできるけどどうする?」
コウキ「頼むよ!」
受付のおばさん「じゃあその後ろの倉庫みたいなとこに放り込んどいてくれる?今日のうちに解体して査定しとくからお金は明日、渡すわね」
トラウ「おお!」トラウが倉庫の様な作業場にオオイタチを入れておく
コウキ「…解体もおばさんがやるのか…?」
受付のおばさん「ええ、そうよ、こう見えて解体の資格もあるのよ」
コウキ「すげーな」
トラウ「すげーのか?」
コウキ「受付としての仕事もそうだけど解体や素材を扱う仕事もギルドの公認には難しい試験が必要だからな両方はすげーよ」
トラウ「へー」
コウキ「じゃあ俺らは宿に帰るよ」
受付のおばさん「ええ、また明日ね!」
コウキ「あ!そおだ」
トラウ「まだあんのかよ…」長時間、同じ場所に拘束されているトラウが嫌な顔をする
コウキ「ラウンタティに行く竜車はどこから乗ればいい?」
受付のおばさん「それなら竜車は全部西門近くの厩舎の辺りから出るから西門に行けば大丈夫よ」
コウキ「なるほど、ありがとう」二人は用が終わり宿一階の酒場へ
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