ひとでなし【織田源五郎長益・天正16年6月中旬】
織田源五郎長益は、世に名高い人でなしだ。
本能寺で兄が明智日向守に討ち取られた謀反の折、甥を見捨てて一目散に逃げた。
しかも逃げる時を稼ぐため、甥に切腹を勧めまでもした。
これが原因で、源五郎は都にて名を馳せた。
稀代の人でなし、織田の名を落とした愚か者。
そんなふうに京雀どもは、ぴぃちくぱぁちくと源五郎を嘲笑うのだ。
まあ、源五郎自身はこれっぽっちも恥じ入っていない。
世間様に眉をひそめられる行動を、源五郎は百も承知で取ってきたからだ。
源五郎にとって、名誉よりも命が一番大事。
命がなければ、何の話も始まらない。
好きな雅事を楽しむことも、美しきを感じることもできなくなる。
ゆえに、逃げるべきではない場所からさえも逃げられた。
まったくもって武家の面汚しのような品性をしているのが、織田源五郎という人間なのだ。
そも源五郎は、
と、言っても同母弟ではなく、異母弟にあたる。
生母は父の織田信秀の側室の末席。
父が津島大社詣での折に見染めた、漁師の娘だ。
ぶっちゃけると、正室の懐妊中に父が火遊びした結果が源五郎である。
当然母と源五郎に対する正室の心証は悪く、日陰に身を潜めて幼少期を過ごす羽目になった。
そういうわけで寄越されていた傅育費は、笑えるほどに微々たるもの。
織田の子息と思えないほど質素な生活を余儀なくされ、父が亡くなってからは食事にもことを欠く羽目になった。
意外と身内思いだった兄が、源五郎の存在を思い出してくれなければ、飢えて死んでいたかもしれない。
感謝をするべきなのだろうが、実はちょっとしたくなかったりする。
なぜなら兄は、自分の弟としての体裁が保てる程度の衣食住や教育を与えた後、源五郎をほったらかしたのだ。
戦や政に関して特筆すべき才能が、源五郎にはなかったから。
武芸はせいぜい及第点程度、軍略を組み立てる才も凡庸。
領地の統治や公事を捌くのは比較的できるが、二流の域を出られない。
綺羅星が揃う織田家において源五郎は、埋没すること甚しかった。
要は兄にとって、たいして使えない弟だったのだ。
だが、特に不満はなかった。
凡人だから大変な思いをせず済んでいる、と早いうちに気づけたからだ。
上等な出来ではない源五郎には、簡単な仕事しか回ってこない。
明智日向守や柴田修理亮のように、胃を痛めたり頭を抱えたりしなくてもいい。
適当に真面目に大人しくておけば、生活の面倒は兄が全部見てくれる。
こんなに美味しい人生はないと、割り切ったら苦痛はなかった。
そう思えたら、後は簡単。
日々美しいものを愛で、雅事に没頭して、時々兄たちの指示で働く。
ねぎらいもなく、賞賛もなく、誰にも必要とされず、誰からも顧みられない。
天下を掴みかけた信長の、使えぬ弟としての暮らし。
それはぬるくて、楽で、空虚な毎日だった。
だから、源五郎は弱かったのだ。
価値がない自分を見てくれた勘九郎信忠と、市姫に。
信長の嫡男だった勘九郎は、妙なほど源五郎に懐いてくれた。
他の甥どもが呼び捨てる源五郎を叔父上と呼び、雅事を教えてくれと強請る。
茶を点てながら、歌を詠みながら。ぽつり、ぽつりと、たわいもない話をするのが好きな子だった。
時に父や重臣にも言えぬことを相談するのはどうかと思ったが、叔父上しか頼れぬと言われたら嫌な気はしなかった。
本当に変わった、けれども可愛い甥だった。
同い年の姉・市姫は浅井に嫁ぐまでと、浅井から出戻ってから、しょっちゅう源五郎を付き合わせた。
遊んでやると称して源五郎を遠駆けに引っ張り出し、自分の衣や帯などを選べと強要する。
馬に舐められる弟をけらけら笑ったり、選らばせた衣の色柄にダメ出しをしたり。
たまに源五郎が反抗するとコテンパンにやり込め、拗ねてみせると口を尖らせて饅頭を投げて寄越す。
本当にとんでもない、けれども親しめる姉だった。
そんな、源五郎を見てくれた二人に頼られたから、源五郎は一線を超えて人でなしになった。
最初は勘九郎だった。
二条の城で明智の軍勢に囲まれた夜、彼は切腹の準備をしていた源五郎に頭を下げた。
城から逃げて、自分の息子を守ってくれと。
どのような形でもいい、成人するまででもいい。
息子の成長を、自分の代わりに見てくれないか。
今ならば自分が腹を切るなりすれば、源五郎一人くらい逃げる隙を作れるはず。
生きたがりの源五郎にも、悪い話ではないはずだから。
『どうか、落ち延びてくれ、源五叔父』
源五郎は、その一言で二条の城から逃げた。
自分を慕ってくれた甥の最期の頼みを、果たすために。
薄情者と嗤われようとも、生き恥を晒すと決めた。
そうして生き延びてはみたが、甥の望みを叶えるのは難しかった。
織田家において源五郎の地位は、そんなに高いわけでも、権力があるわけでもない。
重臣の柴田や羽柴、兄の息子の三介や三七を向こうに、三法師を守って権力争いなんてできるはずがなかった。
だからとりあえず、源五郎は羽柴と三介に付いた。
三介は馬鹿だ。小賢しい三七より扱いやすい。羽柴は明るく冷酷な野心家だが、気前が良くて情もある。
うまく立ち回れば、三法師の側に居やすいはずと考えたのだ。
この目論見は上手くいったが、同時に姉の市姫との別離を伴った。
家中の均衡を取るために、市姫は柴田修理亮と再婚してしまったからだ。
そしてそれが、源五郎の二つ目の重荷に繋がってしまった。
市姫が越前の北の庄へ赴く前夜、源五郎は市姫に呼び出された。
久方ぶりに顔を合わせた姉は、開口一番言ったのだ。
我に事あらば、お主に茶々の目付け役を任せると。
姉は三人の娘の長女が、酷い悩みの種なのだという。
気性が、どうにもおかしいのだそうだ。
一見すると普通のしとやかな愛らしい姫だが、時折母親の市姫には理解できないことをする。
伯父である信長の歓心を買い、奥へ頻繁に立ち入って側女めいた振る舞いをする、とか。
自分が気に入った侍女の許嫁や友人たちに、ちょっかいかけて諍いを起こさせる、とか。
市姫が叱っても、窘めても、茶々には響かない。
ただただ、みんなと仲良くしたらだめなの? と不思議そうにする。
我が娘ながら、あまりに得体が知れない。恐ろしすぎて手元から離せない。
だが、今後嫁ぎ先の柴田と源五郎が付いた羽柴がぶつかり、自分が死んでしまったとしたら。
『源五にしか頼めぬ、アレを野放しにしないでくれ』
聞くだけで不穏な役目を負うのは嫌だった。
けれど、自分をちゃんと弟として可愛がってくれた姉の頼みだ。
渋っては見せたけど、最後には頷いた。
もしもの時に備えてあれこれ用意をし、本当に市姫が越前で死んでしまってからは、約束を果たせるよう努めた。
上手く三介に茶々ごと三姉妹を引き取らせることに成功し、十分に警戒をしながら適度に彼女の相手をした。
だが実際に接触をしてみれば、存外に茶々は大人しかった。さすがに二度目の落城は堪えたらしい。
この状態なら大事ないと油断したのが、間違いだった。
ちょっと源五郎が目を離した隙に、ものの見事に三介が茶々に引っかかり、何を思ったか羽柴へ引き渡してしまったのだ。
そして、その結果が、これである。
「やんなっちゃうわ」
聚楽第の城奥の回廊。
件の茶々の局に至る道中で、源五郎はひとりごちる。
彼女が引き金になった、此度の事件を考えると頭が痛くてしかたない。
巷間において、誰ともなく毒水の禍と呼ばれている事件は、想像をはるかに超える結果をもたらした。
数えるのも嫌になる数の人間が巻き込まれ、華の京坂に血と悲鳴がぶちまけられたのだ。
もう、本当に、気を失いたくなるほどの惨劇である。
源五郎は三法師と織田の身代を守るので精一杯で、他のことはほぼ何もできなかった。
頭の良い北政所やその臣下たちが味方でなければ、どうなっていたことか。
当主の交代と尾張半国への減封程度で済んだのは、奇跡に近い僥倖だと思う。
もっと姉の頼みを、優先すればよかった。
なんて、先に立たない後悔ばかりしてもいられない。
本腰を入れて茶々の手綱を握らなければと、源五郎は心を新たにした。
ありがたいことに、多少は三法師に手が掛からなくなった。
勘九郎の息子だけはある聡い子だし、運良く三介に巻き込まれて厄介な家臣が消えた。
こちらはなんとかなるだろう。茶々さえ、余計な騒動を起こしてくれなければ。
回廊の途中で、足を止める。
ちょっとどころではなく、行きたくない。
茶々の相手は、源五郎にとってはちょっと苦痛だ。
会話が噛み合わなくなりがちで、市姫の苦労が偲ばれる。
今日はやっぱり、引き返してしまおうかしら。
鉛の如く重い足を引きずって、何度目かわからないため息を吐く。
「あら?」
忙しない足音が、聴こえてくる。
お行儀が悪い侍女でもいるのだろうか。
叱ってやろうと待ち構えていると、小さな影が回廊の角から飛び出した。
「まあ、お与祢ちゃんじゃないの」
「あ……織田様……」
源五郎の姿を認め、淡い若竹色の小袖を着た少女が立ち止まる。
北政所が鍾愛する御化粧係、与祢姫だ。
幼いながらに大人びた少女なのに、今日は何やら色を失っている。
平素は念入りに整えられているしなやかな黒髪は、軽く乱れて尋常ではないありさまだ。
「鬼でも見たような顔をしちゃって、どうしたのよ」
何かあったかと問いつつ歩み寄る。
少女は動かない。根が生えたように棒立ちだ。
三法師にそうするように、膝をついて目を合わせてやる。
「アナタがお行儀を忘れるなんて珍しいわね」
「ご、ごめんなさい……私、その……」
源五郎が何があったか察するには、十分すぎるほどだった。
「茶々と何かあったのね」
「っ」
当たりらしい。少女の細い肩が跳ねる。
「ごめんなさいね、怖がらせちゃったかしら」
理由は聞かず、謝っておく。
言わせるのは酷だが、かと言って放置するわけにもいかない。
とにかく頭を下げておけば、北政所に告げ口されることはないだろう。
与祢姫は甘い娘だ。腰を低くした相手を追撃するような性悪ではない。
「今後アナタがあの子に会う時は、
アタシも同席するわ」
「織田様が、ですか?」
「ええ、アタシね、今後は在京することになったの」
与祢姫が、息を潜めてうかがってくる。
よっぽど茶々に怖がらせられたらしい。
何をしたかわからないが、申し訳ないことだ。
乱れた黒絹のような髪を手櫛で直してやり、胸を叩いてみせる。
「茶々が馬鹿なことをしたら、
アタシがビシビシって叱ってあげる」
任せなさい、と笑いかけると、ようやく少女の表情がわずかに緩んだ。
ひとまず、これでいいだろう。
間を置かず追いかけてきた侍女たちに与祢姫を預けて、平静を装って局の外へ送り出す。
侍女たちに守られて去っていく小さな背中を見送り、源五郎は踵を戻した。
優雅さを捨てないぎりぎりの早足で、茶々の元へ急ぐ。
「茶々」
「まあ、源五叔父さま」
居室の戸口に立ち、声をかける。
色とりどりの反物が、花びらのように散らばる座敷の中央。
布を愛でていた茶々が振り向いて、ぱぁっと愛らしい細面を明るくさせた。
「いらっしゃいませ、
今日も会いに来てくださったのね。
茶々、嬉しいわ」
にこにこと微笑んで、ちょこんと指をつく。
愛らしさがにじむ茶々の所作に、源五郎は渋い表情いなってしまう。
与祢姫をあれだけ怯えさせたのに、なんとも思っていない様子だ。
やはりという諦めの気持ち半分、気持ち悪いという嫌悪の気持ち半分。
押しこらえながら座敷に上がって、茶々の側に腰を下ろす。
「アナタ、お与祢ちゃんに何したの」
「叔父さま?」
「何をしたの、言いなさい」
黒い茶々の瞳が、きょとりと見開かれる。
源五郎が言っていることを、一つも理解できていない目だ。
ため息を飲み下して、睨み続ける。
ややあって、ああ、と茶々が声を弾ませた。
「さきほどね、お友達になってってお願いしたわ」
「それだけ?」
「そうよ? 茶々、与祢と仲良くなりたくって」
薄桃に染めた頬に両手を添え、こくんと茶々ははにかむ。
「与祢ってとっても可愛い子なの。
茶々を綺麗にしてくれるし、
いろんな楽しいお話もしてくれるのよ。
もし仲良くなれたら、とっても素敵だわ」
「それは、そうでしょうけど」
「叔父様もそうお思いでしょう?
与祢が茶々のお友達になってくれたら、
とっても良いことよね?」
源五郎のあいまいな相槌に、茶々の笑みがますます輝いた。
表面を切り取れば微笑ましく、そうね、と頷いてやりたくさせる姿だ。
が、茶々の本性を知る源五郎は、単純にそれで終わらない気配を嗅ぎ取る。
ただ気に入って、友になりたい。
それだけに収まらない何かを、茶々は飼っているのではないか。
薄墨のような疑いが、源五郎の中に落ちてくる。
「……お与祢ちゃんは、なんて答えたの」
低い声で、訊ねる。
茶々の伽羅色の髪が、さらりと優美に揺れた。
「茶々が寧々さまと仲良くしていたら、
与祢も仲良くしてくれるんですって」
「そう……」
そっと胸を撫で下ろす。あの少女、上手く答えてくれたものだ。
茶々に踏み込み過ぎず、しかし茶々の意には沿っている。
これならば茶々も、おかしな解釈をしないだろう。
あとは源五郎が言いくるめてしまえば、茶々は与祢姫に手を出さないはずだ。
「なら、寧々様と仲良くするのよ」
「うんっ、仲良くするわ。
与祢がそうしてって言うんだものね」
「竜子様ともよ」
「竜子お姉さまと茶々は、ずっと仲良しよ?」
小首を傾げる茶々に、頭が痛くなる。
第二位の正室である京極御前から、かなり嫌われていることがわかっていないらしい。
言い聞かせるのも面倒になって、続けて釘を打つ。
「それからもう、
こんな騒動は起こさないでちょうだい」
「こんなこと……って、どんなこと?」
「わからないの?」
ギョッとする源五郎に、茶々は眉を下げた。
心の底から何もわかっていない表情に、目眩がしそうになる。
「三介や袖がいなくなったことの意味は、
わかっている?」
「ええと、お兄さまは殿下のご機嫌を損ねて、
袖は毒をお城に持ってきちゃったから、
お咎めを受けたのよね?」
「そう、アナタのために動いて、
それが行き過ぎて、重い罪を犯したの」
「茶々のために……?」
茶々の目元に、戸惑いが浮かぶ。
何を戸惑っているのだ、この娘は。
苦虫を噛み潰しながら、源五郎は言葉を重ねる。
「あの子たちに大事にされたのは、
アナタもわかっていたでしょう」
「うん、お兄さまも袖も、茶々に優しくしてくれたわ」
「では、あの子たちが間違いを犯したことも、
アナタは知り得たということよね」
茶々以外に、彼らを止められる人間はいなかった。
すぐに声を上げれば、彼らの罪がどうしようもないものになる前に止められたはずだ。
才色兼備の市姫の娘なのだ。気性はおかしくとも、茶々は馬鹿ではない。
三介たちの過ちに、少なくとも違和感は覚えたはずだ。
なぜ、それらを源五郎に訴えてくれなかったのか。
怒鳴り散らしたい気持ちを胸の奥で潰して、源五郎は茶々を見つめた。
「でも、みんな茶々のためにって言っていたのよ?」
桜色の唇が、淡く開く。
まなじりがちぎれそうなほど開かれた源五郎の目に、愛くるしいばかりの憂い顔が映る。
「みんなが茶々のためにって、
とっても心を砕いてくれていたの。
優しいみんなの邪魔なんて、茶々にはできなかったわ」
「茶々、アナタね、それは」
「殿下や寧々さまに内緒にするのは、心苦しかったわ。
でも内緒のことって三介お兄さまも袖も言っていたの。
内緒事は内緒にしないと、だめでしょう?
だからお兄さまのこと、殿下が困った子だっておっしゃっても、
違うのよって言えなくて……」
でも、と茶々は睫毛を伏せる。
淡い狭霧のように煙るそれが、見る間にしっとりと露を含む。
「いけないことだったのね。
茶々に勇気がなくって何もできなかったから、
みんなに罪を犯させたのね。
茶々がしっかりしていなかったせいで、
こんなに残念なことになってしまったんだわ。
三介お兄さま……袖……ごめんなさい……、
茶々がいくじなしだったせいで……ごめんなさい……」
言葉を繰る茶々を、呆然と源五郎は見つめるしかなかった。
理解ができない。わけがわからない。どう止めていいのか、わからない。
薄皮の一枚下を、虫が這う。そんな怖気が、源五郎を支配する。
溢れた白珠の涙が、茶々の痛々しい痕を残す頬を伝った。
「ああ……みんな、かわいそうなこと……」
市、これは、何。
すでに亡い姉に、返らぬ問いをかける。
信じがたい姪の本性に、源五郎はなすすべもなく立ち尽くすしかない。
自分は姉の言いつけを、果たしてどこまで守れるだろうか。
茶々がもたらす禍いを、どのくらい抑え込めるのだろうか。
もう三法師や織田家、自分自身もどこまで庇いきれるかさえわからない。
なけなしの自信が、足元から砂になって崩れていく。
才無き身を、これほど呪う日が来るなんて思いもしなかった。
はらはらと。
ほろほろと。
透明な涙を溢す茶々は、どこまでも愛くるしい。
だが、源五郎には。
おぞましい化生にしか、見えなかった。
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