第2話 如月天音

「昨日はごめんね〜」といって現れたのは昨日のメガネ変質者だ。

昨日とは場所を変えたのになぜか私を見つけてきた。私はこいつに何かしただろうか。なぜ私に構ってくるのか分からない。

「分かりましたからもう私に関わらないでください。」

と、やつを睨んだ。

「おぉ〜やっぱり君の睨んだ時の顔、可愛い〜。僕の思ってる通りだよ〜」

と訳の分からないことを言い出した。

「?。訳の分からないことを言わないでください。というかここから去ってください。」

「え?なんで?ここはみ〜んなの場所でしょ?」言い返せない。ここに立ち入る権利はこいつにもあるんだ。

「それは私も失礼しました。ここに居てもいいです。ですが、私にはもう関わらないで下さい。」

言ったのに…

 そんな私の言葉が聞こえてないかのように私の隣に座ってきた。

「ちょ、ちょっ…」

「しー。静かに。」

と指を唇に当てられた。 これ以上こいつに何を言っても無駄だなと思った私は黙った。

「はい、いい子。静かにしてくれてありがとう。」

「別にあなたの為に静かにした訳ではないので勘違いしないでください。」

「それにあなたは誰ですか?名前も学年も名乗らずに。」

「そーゆー時は君から名乗るもんだよ〜?」

確かにそうだが私は得体の知れないものに自分から名乗りたくはない。

「そうですけど先に私に突っかかって来たのはそっちです。」

「分かった、分かったよ〜。」

と言いやつは自己紹介を始める

「僕は如月天音きさらぎあまねだよ〜学年は1年生でクラスはB組。」

「えっ…1年生だったの…背が高いから上級生かと思ってた…」

「あ、私は1年C組の暁希千早あかつきちはや…です…」

「C組の子か〜。よろしくね、千早ちゃん。」

 いきなり名前ちゃん付け…やっぱりこいつ馴れ馴れしすぎる。なんて思っていたら

「ん〜…今日も髪の毛いい匂い♪」

と言いながら私の髪の毛を触り、匂いを嗅いできた。

「ちょっと!やめてください!」

と言いキッとやつを睨みつけた。

 でもこれは逆効果みたいで…

「ん〜♡その顔、やっぱりそそられるな〜‪♪」と…

「でも今は我慢我慢と…」

と小さく呟いていた。

「本当にあなたはなんなんですか…」

と呆れ半分で

私はお昼を食べようとしていた。

いつものように、手で顔を覆いながらパンを食べ進めていく。もぐもぐ…

美味しい…

「な〜んでまだ顔覆いながら食べてるの〜?僕、千早ちゃんの顔知ってるのに〜。」

美味しいパンを食べているのにこいつは…と思いつつ返事をする

「別にいつもの癖です。それにそんなこと如月君には関係ないでしょう。」

と相変わらず顔を覆いながら私はパンを食べている。

だけど飲み込んだ瞬間に腕を掴まれた。と同時に顔を覗き込まれた。

「!? ちょっと、何するんですか。やめてください。」

と振り払おうとするだが、やつは高校1年生の男子。力の差は歴然である。振り払えない。少しして

「やっぱり千早ちゃん可愛いね」

と言い私にキスをしてきた。

顔が赤くなるのが分かる。

「な、何するんですか!?」

そんな私の言葉が聞こえないかのようにまたキスをする。

次は舌を入れて。

「ふぇっ!?ふぁっ…」

と驚いていると天音は私を安心させるかのように私の耳を触ってきた

 だんだん気持ちよくなってくる…

声も出そうだ。

「あはっ また顔トロントロンになってる〜 ほんと千早ちゃんかーわいい〜」

それでもこいつは憎たらしい。こんなやつに気持ちよくさせられるなんて屈辱すぎる…

「あ…う…」

少し声が出てしまった。

「ちゃんと感じてくれるんだね。僕めっちゃ嬉しい。」

もう死にたくなってきた。


  キーンコーンカーンコーン


 予鈴がなった。

それを聞いた天音は満足して責めるのをやめた。

「ふふっ、千早ちゃん可愛かったよ。また明日ね♪あ、もしかしたら後でかも♪」

と言いおでこに軽くキスをして去っていった。

 なんだったんだあの幸せのようで地獄だった時間は…と思い

千早はパンを片付けて教室に戻っていく。

さっき事を思い出し、

頬を赤く染めながら。

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