第30話 消えたあゆむちゃん3
【注意】不快な表現を含みます。超ゲスいのが嫌いな方は読み飛ばしてください。
────────────────────────────────────
「
「丹波さん…?」
「僕だよ、炭酸電池だよ。ゲーム仲間じゃないか」
「炭酸さんなんだ」
「今一人?いつもの女の人は?」
「うん、ちょっと喧嘩しちゃって家出してるの」
「そうなんだね。でもここにいると体が冷えちゃうよ?そうだ、僕の部屋に来ないかい?」
「いいけど」
「じゃあ決まりだ、さぁ、おいでよ。温かいココアを入れてあげるよ」
「みるくたっぷりのコーヒーの方がいいな…」
えっと、その後、コーヒーを飲んで…。
覚えてない。
居眠りしちゃったのかな?
「
「炭酸さん、どうして私のおてて縛られてるの?」
手は後ろで縛られているせいで何で縛られているかは分からなかった。
「それはね、可愛いからだよ」
「うーん?ほどいて?」
「だめだよ?」
「でも、おてて縛られてご飯も食べれないよ?」
「僕が食べさせてあげる。ずっと」
「ずっと?」
「そうだよ。ずっと僕と一緒に暮らすんだ。そして大きくなったら結婚して子どもをつくろうね」
「え、やだ」
「あれれ、
彼はあからさまに不機嫌さを表情に出した。子どもでは届かなさそうな高い場所に置いてあったナイフを取り出して無言でクッションを引き裂く。
中身の綿が飛び散る。それをみて薄気味悪い笑みを浮かべる。
「これ、まるで天使の羽根を引き裂いたような感じだね。悪い子になっちゃったらこうなるんだよ?」
「縛られてたら私、何もできないよ、トイレも…」
「大丈夫、全部お世話してあげる。それに撮影会で活躍してもらうからね。
そこに写っていたのは、気絶していた自分が下着を履かずに股を開いている姿。
薄々気づいていた事だけど、今、自分が下着を履いていない事が確信に変わった事に頬が真っ赤に染まってゆく。
「どうしてそんな事するの…」
「泣かないのは偉いね。泣いたら痛い目に遭うから泣かないでね。それにこの下着は僕の宝物になったんだ」
彼はポケットから下着を取り出して匂いを堪能し始めた。深く息を吸い込むその姿、その行動は子どもの目にも異様で気持ち悪く映っていた。
「僕はね、初めて見た時から、
ピンポーン
「邪魔者が来たみたいだ。
それって彩月ちゃんを傷つけるって事?
やだ。
やだやだやだやだ。
私が我慢していたら、彩月ちゃんは傷つかないよね。
我慢…、しなきゃ。
「あゆむちゃーん、居たら返事してー」
彩月ちゃんだ。
でも返事したら…。
怖い。
怖いよ…。
「ご迷惑をおかけしました」
バタンっ
ドアの締まる音がした。それは絶望の日々が始まる事を意味している事を肌で感じていた。
あゆむちゃんは一人、押し入れの中で止まらない涙を止める努力をする。
彼は押入れをゆっくり開けながら、ナイフを見せつけながら呟いた。
「やっぱり服も脱いだ方が逃げれなくていいよね…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます