朝のテレビの占いへの提案

 朝のニュース番組のコーナーのひとつで星座占いをしているということはなんら珍しいことではないと思う。しかし、どうせあの占いはおそらくだが番組のスタッフの中でも相当下っ端のスタッフがその日の朝に適当に決めているのだろう。そうに違いない。そんな適当につくられたであろう占いを不意に朝のテレビで見てしまったせいで、その占いを見た多くの人は意志の大小はあれどその日のうち多少は占いの存在を気にしてしまうだろう。それはあまりに理不尽なので、そんなくだらない悩みに終止符を打つべく、提案したいことがある。

 それは占いを発表する際、1位と12位のみを発表するということである。このようにすれば占いについての悩みは大方解決できるのである。まず、1位だった人は素直に喜んで、その日一日を大いに幸運であることを楽しんで欲しい。逆に12位だった人はその日一日は辛い気持ちになるだろうが、ラッキーアイテムやラッキーカラーなどの救済処置が多くの番組で設けられているので是非ともそれを活用してどうにかやり過ごして欲しい。

 ここで、1位でも12位でもなかった人だが、その人たちは皆、「自分は2位だったのだな」と納得し、一日をそれなりに幸運な気持ちで過ごして欲しい。どうだろうか。こうすれば多くの人は1位、もしくは2位のまま毎日過ごすことができるようになるのだ。

 ここで、「ならば12位を発表する必要はないのではないか」という疑問が生じるかもしれない。しかし12位は必要不可欠なのである。というのも、どんなに心がきれいでいい人であっても多少は下の存在というのが心の拠り所になる。12位の座を設けることで、自分よりも不幸な人がいるのだと安心することができるのだ。中々に合理的だと思う。

 尚、タイトルの割にあまり疑問を解決していないということには感づいても触れないでいただきたい。そんなことに筆者はとうの昔に気づいているのである。

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