早起きが三文の徳ではない証明

 この世に数ある諺の一つに、「早起きは三文の徳」という諺がある。これは、読んで字の如く、「早起きをすれば何か良いことがある」という意味だが、果たして本当だろうか。

 まずは、「早起きは三文の徳」の語源について調べてみたところ、どうやら昔は朝起きて鹿の死体が自分の家の前にあった場合、それを処理するのにかかる費用こそが三文だったらしいのだ。なので当時の人々は朝早くに起きて、自宅の前に鹿の死体があったときは、まだ眠っているお隣さんの家の前へと持っていき、処理する費用をかけずに済むということをしていたのだ。(諸説あり)すなわち、「早起きは三文の徳」は正確に表現するならば「早起きをすると三文の損をしない」なのである。

 ここで「徳(特)を得ること」と、「損をしない」ということは似て非なるものであるのだ。したがって早起きをしたところで徳になることは決してないのだ。むしろ鹿の死体の処理などなく、夜中でも世界中の人と繋がり、夜を満喫できる現代においては、早起きをするために早く寝ることこそ害だと言っても過言ではないのだ。現代社会を生きる全ての文明人は夜遅くまで存分に現代の科学文明を堪能し続けることを推奨したい。

 尚、有名な話ではあるが「三文」というのは現代の数十円にしか相当しないためやはり早起きするのはコストパフォーマンスが悪いと言わざるを得ない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る