第2話 恐怖

「それじゃあHRを始めようか!」

ピエロの仮面をつけたサラリーマンのような人は嬉々として言った

「こういう挨拶してみたかったんだぁ!」

何を言ってるんだと誰もが思った、だけど何かがおかしい、怖い、彼の口調は明るく喜んでいるのが伝わる、普通だったら自分も嬉しくなるのに

おかしい人がいたら何をしに来たか聞くのに

それが出来ない、怖いそれを感じさせる

「起立、気をつけ、礼…誰も動くな」

それと同時にバンッと大きな音が鳴り響いた

ドラマでしか聞いたことのないような音

銃声

動けない、奴に頭を丸出しの状態で隠れる事も手で守る事もできない

「戻っていいよ!いや、着席って言うのか!」

なんとなくわかった、いや分かってしまったこいつの怖い理由が

『読めない』

声は嬉々としていても何かがおかしい

いわゆる目が笑っていないというような

そんな不思議な恐怖が僕たちを襲った

「せっかくだし休憩時間をすっ飛ばして1時間目に入っちゃおうか!パチン」

奴が指を鳴らした

キーンコーンカーンコーン

〜〜〜〜〜〜〜〜〜1時間目〜〜〜〜〜

「んじゃあ一つ聞こう」

「君達には信頼してる人はいるかい?」

奴はそう僕たちに問いた。

まあ当たり前だが誰も口を開くはずなくピエロは話を続ける

「反応なし…か、まあいいや、今回はこれを議題にゲームをしようと考えててね、名付けてぇ」


《信頼バトルロワイヤル》


「ね!面白そうでしょ!早速ぅルール説明に行こうか!!まず勝利条件としては一人きりになることバトルロワイヤルって言ってるんだからわかると思うけどね、そして『信頼』って書いてるくらいだから普通のバトロワとは違うよ!そこが面白いんだ!詳しい説明に行こうか!」

何がしたいのかが全く分からない、だけど反抗できない奴は銃を持ってるから…いや、違う奴自体に何故か歯向かえない何かがあるいわゆるオーラという奴か…とにかく怖え…

「んじゃあ手っ取り早く話して行こうか!まず毎日放課後に一回個人的に投票を行うよそこで投票された票数だけ弾丸を手に入れることが出来る!

そしてその弾丸は自分に投票した人、そうだなぁ

AさんがBさんに投票したとしようそうしたらBさんには弾丸が1発届く、それをCさんに撃っても効果はなくAさんにしか効果はないって意味だよ!

ルールはたったこれだけ!ちなみに暴力行為は

ダメだよ!銃でしか殺しちゃダメダメ!」

は?殺す?何を言ってるんだよこいつ…ん?

黒田がなんか合図出してる?俺か?いや違うな俺の前に居る西宮か…何してるんだ…は!そうか

黒田は全国大会出場していて西宮は県大会準優勝

まさか捕まえるつもりかよ!

「それじゃあ、さっき言ってたように銃を配るよ

あ!ちなみに弾は入ってないから僕に撃っても無駄だよぉ〜!」

奴が銃を置いた!

その瞬間黒田がピエロやろうのシャツの襟を掴み

ベルトをしっかり握りしめ奴は宙を舞った。

その瞬間西宮は奴の首に足を絡ませ足をを抑えて

全力で首を絞めた

「ふぐっ」

その瞬間誰もがやったっと思った

「time,move,power to me」

黒田と西宮が弾き飛ばされ胸ポケットから奴は銃を出した

「実に壊しがいのあるおもちゃ共だ」

そう言って「パチンパチン」と二回指を鳴らした

そうしたら大きく地震のように揺れ

窓は割れたと思いきやシャッターが出てきた

揺れが止まると同時に奴はこう言った

「game start」

ピエロがそう呟くとまたチャイムが鳴る

「じゃあ休憩時間だ、好きにしていいよ」

そう言った後にスタスタとピエロは去っていった

一瞬静かになった教室は一気に騒がしくなった

とりあえずここから出て逃げる事を決めた僕らは

黒田と僕とで偵察に行く事に決めた

「なあ、清水田今回のこれどう思う?」

「というと?」

「誰かが本当に殺すかどうかだよ」

「分からない、けどおそらくタイムアップがおそらくあると思う。ずっと周りが信頼し続けたら終わらないからね」

「確かにそうかもな、俺はタイムアップがあるんだったら絶対にタイムアップになると思う」

「どうして?」

「あいつが俺らに聞いてきたろ、信頼してる奴はいるかって俺は皆信じきて生きてきた今もそうだ

そうしてきたから俺は全国行けたしな!」

カッコイイなぁこんな奴が本当にいるのかって思うくらい優しく強くカッコいい

「それもそうだな」

俺らはくすりと笑った

「さてと、玄関に着いたわけだが…開きそうにないな無理やりこじ開けて気付かれるのもまずいから今は帰るか!」

「そうだな」

教室に帰るとそこには

地獄があった

「お前がこんな事言ったせいでこんな事になってんだろ!」

「馬鹿がよぉ、お前がやった事来世で謝罪しやがれぇ笑笑」

二人が喧嘩してるのを止めてる人もいれば

ガン無視で考える人に私達は友達だよねとグループで話し合う人

まるで

地獄だった

こうなってしまってはもう止まらない

誰かが言った

「疑いは移る」

まるで何かの感染症のように

誰かが疑うと誰もが疑う

もう移り切ってしまったもうダメだ

「お前ら!いい加減にしろ!そんな事するより先にやる事があるだろう!」

一気に静まった

「生き残るのではなく、脱出すると考えるんだ!おそらくこのゲームにはタイムアップがある…そこまでになんとか耐える必要があるだろう!」

凄い、全員を黙らせて空気をリセットした後に流れを自分のものにした

「で…どうすんの?こいつが『また』人の事殺しかねるかもよ笑笑」

「だからお前ぇ!!」

こいつらは帰宅部の五十嵐と陸上部の飯山か

「落ち着け飯山、お前の過去など今回の事には一切関係ない…そこで提案がある。全員出席番号の一つ前の人に投票しないか?」

っ?!そうか…一つ前に全員がする事で誰も裏切れないようにするのか…

「毎日弾を見せ合い投票しているかを確認する。それでいいだろう」

「ねえ、私は反対」

吹奏楽部の小川か…反対すると思ってたけどやっぱりか…

「だって、私の信用出来ない人にも投票しなきゃ行けないんでしょ?」

キーンコーンカーンコーン

タイミングが悪い…このタイミングの鐘は黒田が言い返せずに終わってしまう…

「ほらほら〜みんなぁ席について!あれぇ皆暗い顔してどうしたの笑笑まあこうなるとは思ってたけど…それじゃあ2時間目始めようか!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜2時間目〜〜〜〜〜〜


「さあて皆さんにいいニュースと悪いニュースが一つづつありまーす!どっちから聞きたい!ねぇねぇ!ちぇっ誰も喋らないじゃないか!まあいいやそれじゃあ良いニュースからさっき黒田くんが言ってたように実はあるよタイムアップが…そして日付も今教えてあげるよ。7月28日そう夏休みの始まりまでだよ…今から39日要するにクラス全員に投票されるまで…そして気になってるであろう悪いニュース実は…ここにこのクラスに

『裏切り者』がいるよ…」

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