第55話 ソフィア=ファーガソン②
そこで見たのは、隅の広いベッドで裸の若い男と、ムネをはだけた教会のシスターらしい女性、オレと同年齢くらいの若い裸の女性2人とが、激しく抱き合い、キスをし、足や手を絡ませ、ムネを揉みしだき、腰を振っている姿だった。
オレ達の存在に気づくことなく、彼等は行為に耽っていた。
ソフィーは、「イヤ」と小さく叫ぶと、目に涙を一杯溜めて、外へ出て行く。
オレの手を引き、「見ちゃダメ」と言って、走り出した。
アヤカもエリーも、訳がわからず走って付いて来た。
ソ「トーヤ、勇者だよね!」
ト「ふへっ?」
変な声が出たじゃねーか!
何をこの
ト「も、もちろん、えっと、多分、勇者だよね?」
ソ「だったら、責任、取ってくれるよね?」
ト「はい?」
オレは、またしても、責任をとらなければならなかった。
そして、オレは、またもや、溜め息をつくのだった。
オレ達は、話しあった。
ト「仕方がない。それでいいんだな、ソフィー?」
ソ「うん・・・・・」
エリー「・・わたし・・・ちょっと嫌だけど・・・仕方がないか・・私の時もアレだったし・・・・」
アヤカ「・・・わたし・・・えっと・・・トーヤくん?」
ト「なんでございましょうか?」
ア「あんた、勇者でしょ?」
ト「たぶん、そうらしいです?」
ア「わたし・・まだなんだけど?」
ト「さて、何のことでございましょうか?」
ア「大人キスに決まってるじゃないの!」
ト「さて、何の事でございましょうか?」
ア「責任とってよね?」
ト「えっ?なんでそうなるんだよ!」
ア「えっ?そこ、嬉しくてヨダレが出るとこじゃないの?」
エ「ヨダレが出るんだ?」
ソ「不潔よ!トーヤって不潔!」
ト「おいおいおい!そんなんで、出来るのか、ソフィー?」
ソ「・・・・・・・・」
ア「私と練習しようか、ソフィー?」
ソ「それはお断りよ!初めてが女性なんて、不潔すぎるもの」
ア「あんたのその不潔の基準がわからないわね」
ソ「だって・・・やっぱり、そういうことは、男の人とするものでしょ?私の夢だもん」
ア「トーヤくん、責任重大だね。だったら、トーヤくん、私で練習する?」
ト「なんだよ、さっきから。大丈夫だって。ああいうモノは、雰囲気が大切だろ?」
ソ「そ、そうよ、雰囲気よ!そういう雰囲気を作るのよね、トーヤは?」
ト「えっ?勇者にそんなスキル、あったっけ?」
ソ「ないの?」
エ「まあまあ、経験のあるお姉さんとして言わせてもらえば、何とかしてくれるよ、トーヤが!だから、ソフィー、怖がらなくてもいいよ」
ソ「・・そ、そうね・・」
ト「オレ、なんとかするのか・・・」
エ「そう、あのとき、トーヤのノリノリの演技にびっくりしたよ」
ソ「・・そうなの、トーヤ?」
こんな話が延々に続くのか?
結局は、オレがすべてにおいて、責任を背負わされるってことじゃないか?
よくできてるわ、勇者パーティーに関する、誰か知らんが作った条文は!(この条文は正確な取り決めとして、トーヤは知らないが、人間族の国家間で話し合われたもので、今更、勇者や聖女がどうこう出来るモノではないのだった)
ト「オレにすべて任せろ!!すべてうまくいく!ソフィー、今晩は安心して寝ろ!」
こう言うしかないだろ、勇者なんだから・・・・・しゅん。
こうして、オレ達は、田舎の唯一の宿泊所に一晩泊まった。
翌日、施術院にて。
~~~~ソフィー視点
ローレンツ「会いたかったよ、ソフィー!!」
そう言うと、ロールは私を抱きしめてきた。
私は、昨日の事が脳裏をよぎり、反射的に、手を突き出して、彼のハグを拒否した。
ロ「どうしたんだい、ソフィー?」
ソ「貴方こそ、どうしたのよ!」
ロ「どうしたって?」
ソ「私、知ってるんだからね!」
ロ「一体何を? 」
ト「まぁまぁ、オレは勇者トーヤだ!君がソフィーの婚約者のロール君だね?」
ロ「あんたが勇者か!知ってるぞ、あまりにも弱いから聖女たちがほとんど魔族たちをやっつけてるんだってな!」
ソ「何を失礼なこと言ってるのよ!トーヤは強いんだからね!」
ト「まぁまぁ、ロール君、君は婚約者の他にも仲良くしている女の子達がいるんだってね?そこのとこ、詳しく説明してくれないかな? 」
ソ「そ、そうよ!ロール、正直に言って!」
ロ「ソフィー、君はそのクソ勇者に騙されてるんだよ。いや、洗脳されているのか?だいたい、君の婚約者の僕がシンシアやメリーやリズやランと毎晩オトナの突き合いをしているわけがないじゃないか?」
ソ・ト「!!」
ソ「ロールのバカ!婚約は解消よ!」
ロ「えっ?そんな事、聖女と言えど許されるわけないじゃないか!」
ト「ロール君、君は知らないかもしれないけど、勇者権限というものがあってね。婚約者の女性であろうと勇者が妻にすると言ったら、勇者のものになっちゃうんだよ、オレも知らなかったんだけどね」
ロ「そ、そんな・・・ソフィーは、勇者の妻になるのかい?」
ソ「そうよ!ロール、もう貴方と私では住む世界が違うのよ!勇者とは、キスもしてるんだし」
そう言って、私は、トーヤの方を向くと目を瞑った。
トーヤは、私を抱き寄せると、軽く私の唇に彼の唇が触れた、ようだった。
でも、それじゃダメなのよ!
私は思い切って舌を彼の唇の中に差し込んだ。
彼は、多分、びっくりしてるわ。
ソ「チュプ、ちゃぷ、ちゅちゅちゅ、ぢゅるん、ぷはぁー」
私、やっちゃった。
ついに、やっちゃった。
私は、オトナの階段を一歩登ったよ!
わたし・・・トーヤだったら、大丈夫みたい・・・ううん・・もっとしていたい・・・・えっ?・・・。
わたし・・・トーヤのこと、好き?
ロ「ふはははははは、あはははははは、なんだよ、それ?それがどうしたってんだ?キスくらいで、ナンダって言うんだよ!お前ら、それが妻の証しだって?まるで子供だぜ!まったく、ナンダと思ったら、つまらん!おーい、シンシア、出てきていいぞ!」
ソ「!!」
シ「おかえり、ソフィー、わたし、ローレンツと毎晩大人のお突き合いをしてるの。でもね、これはソフィーが悪いのよ、ふふふふふ。だって、こんな素敵なローレンツをほったらかしにして、そんなクズ勇者とイチャついてるんだからね。あん、ローレンツ~」
ロ「あははははは、うううんんん、ぶちゅるるるるん、うんべろろろろろん、じゅばっ!はああああ、これが大人キスの見本だ。そして、これから・・・」
シ「あん、ああ~~ん、ローレンツ~~、恥ずかしいわ~~」
ダメだわ、やっぱり、ロールとはキスできない!
だって、臭いんだもん、口が!
このくらい離れてても臭うんだもん。
シンシアからも、彼の口臭が漂ってくるわ。
もう、ここから出て行ってもいいかな?
そう思っていると・・。
メリー、リズ、ラン「だめ~~~~、わたしたちも~~~~~」
もう、それからは、なにがなにやら・・・・・。
ただ、臭かった。
彼女たちの口からも、ロールの臭いにおいが・・・。
ここ、汚染されてる・・・不潔だわ!
私たちは、ここから出て行った。
ト「アイツ等、なんてヤツ等なんだ?羞恥心の欠片もないのか?」
ソ「そ、そうね・・あのトーヤ?彼、臭くなかった?」
ト「ああ、でも、それ言っちゃうと、話しが進まない気がして、我慢してた」
ソ「ごめんね、彼って口が臭いのよ、だからわたし・・・・、トーヤごめんね、いろいろと迷惑掛けちゃって」
ト「いや、いつもの事だろ?」
ソ「ふふん、そう思ってたんだ?」
ト「いやいや、冗談だよ、あはははは」
ア・エ「終わったの?」
ソ「うん、もうこれで、婚約解消よ!」
ア「それで、大人キスできたの?」
ソ「えっと・・・うん(小声)」
エ「どう?トーヤはやる時には、やったでしょ?」
ソ「・・・うん(小声)」
私から、舌を入れたなんて言えないじゃん!
トーヤを思わず見た。
ト「まあ、これで芝居は終わりだ。オレの務めはとりあえず、しゅーりょーーってことで!」
ソ「何を言ってるの、トーヤは?」
ト「へっ?」
ソ「これから一生、責任を取ってもらうからね!!」
私は、そう言うと、彼のほっぺにチューをした。
彼は、びっくりしてたみたい。えへへへへ。
これからも、よろしくね!
ア「なによ、もう、ソフィー!キスができるって思って、何度もしないの!私も!ちゅっ!!」
エ「なによ、みんな、わたしが一番だったんだからね!ちゅっ!!」
ソ・ア・エ「一生、責任を取ってよね!!」
ト「えっと・・・はい(小声)」
(オレ、勇者の責任を一生背負わないといけないのか?はあ~~~byトーヤ)
私たちの絆は、最高に深まったと思った。
絶対に、魔王を倒して、幸せになるんだ!
わたしは、そう、女神様に誓うのだった。
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