第2章 異世界に転生し、勇者となる

第8話 アジャ村

 オレの名は、トーヤ=デルサ。

 姓があるのは村では珍しい。

 親父と母親の子供なので、一緒の金髪碧眼だけど、オレは赤ちゃんの時は髪の毛は銀髪に近く、目の色はすみれ色だったらしい。


 フランツ王国の「へんきょう」にあるアジャ村というところに住んでいる。


 アジャ村は、「やまあい」の谷に作られた集落で、ほぼ「じきゅうじそく」であり、大きな町までは歩いて小一時間かかる。

 山や森の中は、魔獣が出たりするので、冒険者とか、時々王国の兵士が町からやってきて、「とうばつ」したりしている。


 村では、オレの親父と親父の知り合いのおじさんの二人が魔獣をやっつけたり、村を守ったりしている。


 オレは、母親から文字や魔術の基礎、この世界の他の国のことなどを習ったり、時には、不思議なおとぎ話や勇者の冒険談などの言い伝えやおもしろ話を聞かせてくれる。


 彼女は、元王国の「まどうし」で貴族だったらしい。

 どこをどう間違えたのか?

 親父のような酒や女に目のない、剣だけの男をなぜ好きになったのか、オレにはわからない。


 たぶん、だまされたのだろう。


 親父は、酒を飲むと良く、王国中の町に自分と仲の良い女性が必ず一人はいるとか言う。

 オレが大きくなったら、女性にモテる方法を「でんじゅ」してくれるそうだ。


 それにしては、親父が、この村では、母親以外の女性と仲良くしているのを見たことがないのだが。


 しかし、剣の「うでまえ」は王国の兵士たちも「いちもくおく」ほどらしい。

 たまに来る隣町となりまちに「ちゅうとん」している知り合いの兵士が、親父のことを「けんてい」とか言ってたけど、何のことかわからないし、教えてくれない。


 「じきゅうじそく」が普通なので、オレの家にも畑があり、オレも毎日、野菜作りを手伝っている。

 野菜作りは、女性の仕事であり、お料理するのも女性だ。

 この村の女性は働き者である。


 オレには、幼馴染のサーヤが居る。

 彼女は、珍しい黒髪黒目の女の子だ。

 村の教会に赤ちゃんの頃に捨てられていて、親父の知り合いのおじさんが引き取って育てたんだって。

 おじさんは、「どくしん」で、モテるのだが結婚しないのがオレの「しんじょう」だと言ってるけど、しんじょうって、おいしいのだろうか?

 なにか、とっても良いモノらしい。


 おじさんは、親父と良く飲み明かしたりするので、オレの家によく泊まりに来る。

 だから、サーヤも一緒に来て、オレの家によくお泊りをする。


 オレの母親はサーヤが大好きで、オレをそっちのけで相手にすることもある。

 なんか、女同士のヒミツの話とか、最近は多い。


 彼女とは、一緒に母親の指導を受けたり、親父の剣術を習ったりする。

 親父は、彼女の才能をベタボメする。

 まあ、もともと、娘のようにかわいがってるけどね。

 時々、サーヤがお酌をしたりすると、喜びすぎて、オレの母親も「ひいていた」っけ?


 オレは、男の子だが、彼女に剣で負ける。

 彼女は、基本優しいのだが、剣術の稽古では人が変わる。

 オレの剣をアッサリ躱し、笑顔ですぐに打ち込まれる。

 さらに勝った時の笑顔がオレの心を折る。


 面白くないので、もっぱら、魔術を磨いている。

 母親が言うには、魔力量が並外れて多く、良く「しゅうれん」すれば、「だいまどうし」になれるかもしれないらしい。


 まあ、親の言うことは、話半分以下だけどね。


 オレは、幼い頃、サーヤと、あともう一人、村長の息子ダルジとも遊んでいた。

 ダルジは、年上で威張っており、いつもオレをイジメて、泣かされた。

 そして、いつもサーヤがダルジを叱りつけ、ダルジを撃退していた。


 ダ「おい、トーヤ!ちょっとこっちに来い!」

 オレ「なんだよー、ヤダよー」

 ダ「うるさい!わざわざ、オレ様が命令してるんだ!いいから来いよ!」


 ダ「さあ、服を脱げ!」

 オレ「イヤだよー」

 ダ「早く脱げ、脱がないとサーヤを脱がせるぞ!」

 オレ「えっ、それはダメだよ」

 ダ「じゃあ、脱げよ!」

 オレ「・・サーヤのためなら・・ちょっとだけだぞ」

 ダ「じゃあ、ズボンとパンツだけでいい」

 オレ「それなら・・・」


 オレは、「かはんしん」をお日様のもとにさらした。

 風がオレのジュニアをちぢこませた。


 ダ「お前のおち○ち○、ちぃっちぇーなー!あははははは!」

 オレ「えっ?大きい方がいいの?」

 ダ「あたり前だろ」

 オレ「なんで?」

 ダ「親父が言ってたし、ママも言ってた。だから、じょーしきだぞ!」


 そこへサーヤが来た。

 サ「アンタたち、何してるのかな?」

 ダ「トーヤが自分のお○ん○ん、見せびらかすんだよ」

 サ「はあ?トーヤ、やめなさいよ!」


 オレ「サーヤ・・お○ん○ん、大きい方が好き?」

 サ「な、なにを言ってるのよ!バッカじゃないの!早くパンツ履きなさい!」

(トーヤの、ちっちゃくて可愛い・・他の子に見せたくないわ、私だけの・・あら、やだわ、恥ずかしい)


 こういう平和な「にちじょう」を、幼いオレは過ごしていた。




 








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