第31話まあばあちゃんの町の怖いお話

それはこうです。お春ちゃんの家の近くに泥棒が入ったのです。80歳を越えた夫婦二人暮らしのおうちに、泥棒が入ったというのです。


「こんな静かで良い町なのに、それで、おまわりさんたちが……」


まあばあちゃんは、深くうなずいて、大きなため息をつきました。


「それで、大丈夫だったの? お二人は、怪我とかなかったの」


「それは、大丈夫だったみたいや。二人ともよく寝てて、泥棒に気付かんかったそうや。朝起きてびっくりしたらしいわ。そら、箪笥とか押入れが開いてて、腰が抜けるほどびっくりしたらしいわ」


「怖かったでしょうね」


まあばあちゃんは、他人事ではないと怖くなりました。


「そら怖いわ。怖ぁて、こっちまでドキドキしてくるわ」


まあばあちゃんは、お春ちゃんと話していて改めてさっきのおまわりさんに感謝していました。

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