第30話お春ちゃんと立ち話

「どないしたんや! まあちゃん」


振り返るとまあばあちゃんのお友達のお春ちゃんでした。


「なあに? お春ちゃん」


「パトカーが止まってたから、何や会ったんかと思ってみてたら、まあちゃんがパトカーの人と話してるもんやもん! びっくりするやんか! 何かあったんか?」


お春ちゃんが心配そうに聞きました。


「ううん、なにも。見て、朝、これがポストに入っていたの。さっきのパトカーのおまわりさんが入れてくれたんだって。だから、有り難いなと思ってお礼を言ってたんよ」


「ああ、その紙やったら、うちの家にも入ってたわ」


お春ちゃんが、まあばあちゃんの持っている白い紙を見て言いました。


「私が眠っているときも、こうして町を守って下さっているんだと思うと、一言でもお礼を言わなくちゃと思って」


まあばあちゃんは、そっと白い紙を折りたたむと、シルバーカーの中に入っている小さなバッグに入れました。


「それ、何でだか分かるか? まあちゃん」


お春ちゃんが、急に小声になって言いました。


「どうかしたの?」


いつもと違うお春ちゃんの様子にまあばあちゃんも不安になりました。お春ちゃんは、どんなお話をするのでしょうか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る