第27話まあばあちゃんと高校生の男の子
今日はまあばあちゃんのお医者さんに行く日です。だからジロはお留守番。まあばあちゃんは診察を終えた後、ゆっくりとシルバーカーを押して歩いていました。そして垣根越しの白い花に見とれていました。モクレンでしょうか。
突然何かがぶつかってきました。足の不自由なまあばあちゃんは、よろけて転んでしまいました。
女の子を後ろの荷台に乗せて、ジグザグに走ってくる二人乗り自転車がぶつかったのです。女の子は謝りもせず、そのまま行ってしまいました。
足が不自由なまあばあちゃんは、なかなか立ち上がる事が出来ません。まあばあちゃんは痛いのと恥ずかしいので、泣きそうになりました。焦れば焦るほど、余計に体が動きません。
「おばあちゃん、大丈夫ですか?」
優しい手が伸びてきて、まあばあちゃんを助け起こしてくれました。制服を着た高校生くらいの男の子でした。
「ありがとうございます。ありがとうございます。」
まあばあちゃんは手を合わせて何度も何度もお礼を言いました。
「じゃあ」
男の子は自転車に乗ると颯爽と行ってしまいました。爽やかな男の子の後姿をまあばあちゃんは嬉しくて、ずっと見つめていました。
まあばあちゃん良かったね、いい人に助けてもらえて。
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