第13話花でいっぱいになったおばあちゃん

「ほら! これなんかどうや」


おじさんはキレイなパンジーの中でもとりわけ良いのを2つ選んで、おばあちゃんの膝の上に置いてくれました。


「これ頂いてもいいんですか?」


「ほらここに、お花無料プレゼント。お一人様2個って書いてあるやろ?」


おじさんは手書きの看板をコンコンと叩いて言いました。とってもオシャレな看板です。


「わぁ、この看板、手作りですか?」


トモちゃんが聞きました。


「そや! なかなかやろ? この字、わしが書いたんやけど、肝心の花がうまく描かれへんでなぁ。さあ嬢ちゃんも選んだ選んだ」


人の良いおじさんに急かされて、トモちゃんもまあばあちゃんと同じパンジーを選びました。まあばあちゃんの膝の上は可愛いパンジーでいっぱいになりました。

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