第9話 それぞれの道を歩んで

しばらく私は勇史に送迎してもらうのだった。


数週間後、私の足は、すっかり完治し、自転車通学が再び復活。


そんなある日の学校帰り、勇史が彼女を乗せて帰っている姿を、3人で見つめる。




「私、二人が付き合うと思ってた」

と、亜衣。


「えっ?」


「俺も。案外二人お似合いだったからさ」と、敏基。


「二人のツーショット、私、好きだったなぁ~。良い感じだったし」と、亜衣


「えっ?」


「あそこまで似合うのってないと思う」と、敏基


「そんなに?それは大袈裟だよ」



私達は騒ぎながら帰る。





確かに私は


勇史の背中は好き


もう何度乗っただろう?



何かあったら


タイミングよく


私の前に


まるでヒーローのように現れ


私は何度救われただろうか?




初めて乗った日は


涙して



アイツに弱い所を


見せた自分がいた






「しかし彼女、可愛いよなぁ~」と敏基。

「敏基っ!」と、亜衣。



二人が軽く言い合う中、仲良いのが羨ましい位、だった。




そんな私も彼氏がいる


私達は


もう


それぞれ別々の夢


歩いているんだよね?






そんなある日の事だった。



~ 勇史 side ~



「……勇史……先輩…あの…」

「何?」

「…私…先輩に…話さなければいけない事…あるんです」

「話?何?」


「この前…元彼からより戻そうって言われて、私…彼氏がいるって断ったんですけど…彼…しつこくて…」


「それで?」

「…関係持っちゃって…」

「より戻ったって事?」

「完璧じゃないです……」





完璧じゃない?


言ってる意味に理解が出来なかった。


彼女は俺とどうしたいんだろうか?




「完璧じゃないけど別れたい?って事?」


「いいえ。私は先輩が好きだし元彼とはより戻す気はありません」


「…そう…。でも、俺、無理!」

「えっ?」

「今後も、そういう事ないって言えないよな?」

「今後って…それはありません!」


「…別に良いよ。ゆっくり付き合っていたし、いい加減で付き合っていく気はないし」


「先輩…そう…ですよね…」



「なあ、1つ聞いて良い?俺の事、利用したとかじゃないよな?」

「それはありませんっ!」

「そう。分かった」



俺達は別れた。




一方。



「私、恵祐君が好きなの!」

「えっ?」

「私と付き合って!」

「無理だよ!俺、彼女いる……」



学校帰り、バイトが休みだからと言う事で一緒に帰ろうと恵祐と待ち合わせしていた場所に向かった矢先、



二人がキスをしている瞬間に遭遇した。


恵祐は、押し離し、私に気付く。



「成美……待ってっ!誤解…」



私は走り去った。



「成美っ!」



私は無我夢中で自転車を漕いで帰る。




その途中。




キキーーっ!



ガシャン


車とぶつかる寸前、バランスを崩し私は地面に転倒した。



「君っ!大丈夫だった!?」

「はい…すみません…ごめんなさい…大丈夫です」



私の心配をするものの、安心してか車を走らせて行った。




「…っく…恵祐の…バカ……」


「成美っ!」



ビクッ


≪嘘…まさか…恵祐?≫



「成美っ!」




私の前に現れたのは ―――


































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