第2話 再会
「勇史(ゆうし)くーん。危なくねー?車道、出てる、出てる」
「うるせーな!」
「お前も人に言える立場じゃねーじゃんよ!」
「仕方ねーだろう!?お前が重くてバランス取れねぇんだよ!」
「まあ、何て人聞きの悪いっ!」
「キモッ!」
再会する私達。
「あれ?あれって…」
私はさりげなーく近付いてみる。
≪やっぱり…≫
私は通り過ぎようとしたけど、後ろの人から気付かれた。
「あっ!この前の!」と、後ろの人。
「どうも」
「あれ?今日は一人なんだ」と、後ろの人。
「敏、誰と会話してんのかと思ったら…お前がいたのかよ。とうとう友達にも見捨てられたか?」
と、前の人。
「違いますっ!あなたって本当、感じ悪い!」
「ふんっ!」
「ねえねえ、ところで君の学校の話、この前の本当なの?」
と、後ろの人。
「うん」
「なんか意外だなぁ~」
「まあ、私も知らなかったから。通い始めてイメージがガラリと変わったし。だけど、この前話したように私達は違うから」
「ねえねえ、二人の名前教えてよ」
「敏、名前聞いてどうするんだ?」
「仲良くなる位良いじゃん!」
「辞めとけって」
「だそうなんで」
「ええっ!せっかくのお近づきの印に思ったんだけど…」
「友達の名前は、ともかく、そいつの名前は聞いても何の損得ねぇよ」
「本っ当!一言、多いっ!つーことで、さようならっ!」
ガンッ!と、自転車を蹴ると、私はスピードをあげ帰る。
「わわわ、テメーっ!危ねーだろー!」
私はシカトして帰って行く。
「本当、感じ悪いっ!」
次の日、再び、遭遇した。
今日は交代のようだ。
「あっ!お前っ!昨日は、チャリ蹴りのお見舞いをどうもっ!」
後ろの人。
「無事で何よりだね~」
「マジムカつく」
「ふんっ!」
「ねえ、マジで名前教えて」と、前の人。
「しつこいよ!」
「成美、名前位、教えてやったら?」
「成美って名前なんだ」と、後ろの人。
「そうだよ!」
「君は、君は?」と、前の人。
「亜衣」
「可愛い名前。俺は、敏基(としき)で後ろの奴が勇史(ゆうし)宜しく!」
私達は軽く自己紹介をした。
彼等の名前は、深沢 勇史(みさわ ゆうし)君と、
尾北 敏基(おきた としき)君。
二人共、私達と同じ16歳だ。
高校は、○○甲府高校で、男子校だ。
どうやら、ウチの高校狙いの男子は多いそうだけど………
ある日の事 ――
「ちょ、ちょっと退いてっ!」
「テメーが、退けよっ!」
ガシャガシャン……
自転車、お互い避けたものの、ぶつかってしまった。
「痛ぁぁぁっ!」
「痛ぇぇぇっ!何してんだよ!」
「そっちこそ!」
私達は言い合う中、自転車を外しに掛かる。
「退けよっ!俺がするからっ!何もすんなっ!」
「………………」
「ねえ」
「何?」
「デートだったの?」
「いや、彼女いねーし。お前は?」
「亜衣ん家に行った帰り」
「へぇー、俺、敏基ん家の帰りで寄り道しようと思って向かってた所」
そして、自転車が外れる。
「ありがとう。ごめん」
「別に。じゃあな」
「うん」
私達は別れた、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます