第27話 病院に行こう!

「いや、明るく言われても…あれ?おじさん、ちょっと痩せた?」

 ふふ…わかる?痩せたからね。

「もしかして、何か悪い病気なの?」

 ちょっと心配そうに聞いてくる。ロリちゃん…。やさしい。染みる…。


 心配そうにされると嬉しいよね…。実は胃腸炎になってね。嘔吐と下痢で死ぬかと思ったよ。

「いちょうえん?って何」

 細菌やウイルスに感染して起きる病気だね。基本的な症状は嘔吐と下痢だよ。死ぬほどの腹痛と吐き気に襲われるよ。トイレから出られないよ。

「えぇ…大変だね…」

 なので、今回のタイトルは『病院へ行こう!』だよ。我慢せずに、病院に行こうね!ちなみに、自力で行けない時は、救急車を呼ぼうね。救急車が来ても、受け入れてくれる病院がないと40分は救急車の中にいるなんてこともあるからね。余力を残して、呼ぶのはありよりのありだよ。

「え?救急車ってすぐに病院に連れてってくれるんじゃないの?」

 病状にもよるらしいよ。ここらへんは漫画やドラマ、SNSで得たふわっとした知識だけど。例えば、子供。夜間の緊急受け入れしてくれる小児科が近くにないとね、すぐに病院に連れて行ってくれないみたい。更に、このコロナのご時世。発熱と咳があるというだけで、受け入れ態勢が整っていない病院は拒否する場合もあるらしいよ。

「そ、そうなんだ」

 おじさんも、夜中の4時にあまりの腹痛と吐き気に耐え切れずに、病院に行ったんだ。行ってみたら、驚いたよ。夜中なのに、受付の人、看護師さんや、お医者さん…さらに、清掃してる人…病院で働いてる人には頭が上がらないよね。診断してもらって、点滴を打ってもらったら、痛みは和らいだよ。あ、ちなみに待ち時間もあるからね。多少余力は残しといた方がやっぱいいよ。

「ふんふん…我慢して我慢して、もう無理~ってなって病院行ってもすぐに診察・処置してもらえないかもってことかぁ」

 明らかに、死にそうだったら違うと思うけどね。


 あと、コロナでの受け入れについても、SNSで元コロナ感染者の投稿があって、ちょっと話題になってたよ。

「どういう内容だったの?」

 うーん。要約すると、自宅待機していて肺炎まで症状は進行していたけど、本人は自覚症状がなく、保健所の電話越しの問診に、正直に答えていたけど、さすがに体力が尽きそうになったから、大げさに病状を訴えて、ようやく入院できた。結果、自分が思っていたより体はボロボロで危なかったっていう話。

「こわぁ…」

 難しい話だよね~。この人は、酸素濃度計があれば、もっと早くに入院できたかもと書いてあったけど。

「さんそのうどけいって何よ…」

 まぁ…普通の家にはないよね~。体内の酸素濃度を測ってくれるものらしいよ。肺炎になると、酸素濃度が低くなるから、一つの判断材料になるわけ。

「う~ん…とにかく、ちょっとヤバい!って思ったら、病院に行こうって話ね」

 うんうん。更に、コロナがあるご時世だからね。自分の身は自分で守るのも大事だと思うよ。

「うーん…なんか、正直者が馬鹿を見るって感じね」

 世の中、そうだから仕方がない。我慢は美徳かな?今の時代、我慢しても損するんだなーって思うよ。

 おじさんは、社会にもまれてきたからね!ウソをつけとは言わないけど、自分を守るための言い方を工夫するのは大事だと思うよ。

「なんだか、難しい話ねー」

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