第23話 ゲームの続編が駄作になるわけ

「おじさん…小説書くの、さぼったでしょ?」

 そう言って、ロリちゃんは呆れた目でこちらをじっと見ている。


 うぐっ…。サボりました。

「別にいいけどさぁ…」

 そう言ってロリちゃんは、頬杖をついてため息を吐いた。


 今日からまた、書き始めるよ!スピードアップでね!巻いて巻いて!

 私は空元気でロリちゃんに言ってみた。

「ま、おじさんが人間的な生活送ってるなら、あたしは別にいいんだけどさ」


 うぅ…良心にチクチクくるぅ。

「チクチクくるように言ってるからね」

 ロリちゃん…そのぉ…これをお納めください。

 私は白い箱からケーキを出した。

 ロリちゃんの目の前に一個600円もする高級なチョコレートケーキを置いた。

 おじさんが、お洒落なケーキ屋さんで買ったのだ。一口食べればとろける甘さだ。見た目もチョコレートで複雑に装飾されておりエレガントである。


 やや不機嫌な顔をして、ロリちゃんは一口食べた。

「う…コンビニのケーキより、ずっと美味しい…」

 そう言って、ゆっくりと大事に食べ始めた。


(閑話)


 ごほん!それでは、おじさんが長年温めてきた話について話すときが来たようだね!

「ネタを集めてきたの?」

 いや、普通にサボってたんだけど。サボりながらも、書くことないかな~って探してたよ!

「それが、今回の題名?」

 そうそう。『ゲームの続編が駄作になるわけ!』

「ゲーム好きに今度は喧嘩売るの?」

 のんのん。そんなことはないよ。

 っと言ってもおじさんのゲーム歴って10年前ぐらいで止まってるんだけどね。

「それって、古くない?」

 古いんだけど、当時疑問に思っていたことで、大人になってわかったことがあってね。それを語りたくなったんだ。

「はいはい。じゃあ、おじさんの久しぶりのあーだこーだを聞くよ」

 ありがとう!ロリちゃん!


『ゲームの続編が駄作になるわけ』

 だいたいゲームってさ1作目でファンを掴んで2作目で最高傑作を作って、3作目ぐらいから…あれ??っていうクオリティになるんだよね。

「ふーん…そうなんだ」

 子供の頃は、それが不思議でしかたがなかった。同じタイトル。同じ会社で出してるのになんで??って思っていた。中にはプロデューサーもシナリオライターも変わってないのに…なんで!?!?ってなるのもあった。

「なんでだったの?」

 ゲームってさ。1人で作るもんじゃなくて、チームで作るもんなんだよねっていうことに大人になって気づいたんだ。

 ゲームを作ってる人達からすれば、何を当たり前のことを…っていう話なんだけど。

 プレイヤーからすると表にでてるプロデューサーが全部ひとりで作ってるって思いこんじゃうんだよねー。

「…実際違うの?」

 とんでもない話だよね。音楽も、ゲームのプログラミングもキャラデザも一人で出来るわけじゃない。

 プロデューサーは、ただ指揮をとってるだけなんだよね。

 だから、プロデューサーが変わってないのに、ゲームのクオリティが下がったら、無茶ぶりに答えられる優秀なスタッフが辞めたんだなって思うことにしたんだ。

「えぇ…それってどうなの…」

 いや、ほんとゲームファンだと、やっぱ失望しちゃうのよ。なんであんな最高傑作作れたのに??って思っちゃうわけ。でも、最高傑作作れたのは、その人だけじゃなくて、その時のチームで作り上げたものなんだなーって。

 そんで、ゲームってさ多分2~4年ぐらいかけて1作つくってるじゃん?2作目まではスタッフメンバー変わらない可能性はあるかもだけど、3作目からは、10年経ったりするわけだから、スタッフも辞めたり、異動したりで。そりゃ…ゲームの雰囲気を変わらざるえないよねって思う。

 初代からのゲームファンはその雰囲気の変化にショックを受けて離れたりするわけだよ。子供の時は、理由がわからなかったからさ。すごくショックだった。だから攻撃的にもなったわけだよ。楽しみにしてたのに!駄作じゃん!なんでだよ!?って思っちゃうの。ひどい話だけどね。

「いま、舞台裏をなんとなくわかるから、そんなに失望しないってこと?」

 まぁ…軽く失望はするけど…仕方がないよねって気持ちにはなる。きっと、社内の引継ぎが上手くいってないんだなって思うことにした。それに攻撃的になるよりはいいかなって思うよ。やっぱり、ファンはファンだからね。

「う~ん…大人になったってこと?」

 そうともいうかも?


 ということで、次回は『創作者はお気に入りキャラをメアリー・スーしがち問題』について語るよ!

 

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