第41話 犬VS猫

 犬派か?猫派か?という質問がある。おじさんは断然犬派だ。

「今日のテーマは、すごくどうでもいい感じね」

 たまには、こういうゆるーいテーマもありかと思って。

「ネタ切れなんでしょ?」

 ち、ちがいます~~~。

「ところで、今日のおやつは?」

 今日のおやつはアイスのモナカだよ。

「わーい!おいしいよね」

 うん。甘さが重くなくて、食べやすいよね。

「もっもっ」

 ロリちゃんの口に吸いこまれていくモナカを眺めながら、今日のテーマについて話していこう。


 割と世の中、こういうどうでもいい対立があるのだ。例えば、某お菓子メーカーのタケノコとキノコの戦争とかね。

「あれって、もう勝負ついてなかった?」

 投票で勝負がついていても、納得できないのが人間だからね。

「めんどくさいね~」

 というか、対立を楽しんでるよね。

「対立を楽しむ?大人は、仲良くしなさいって子供には教えるのに?」

 うん。大人ってそういうもんだよ。


 ちなみに、話は戻るけどロリちゃんは、犬と猫どっちが好き?

「私はどっちも好きだけど、あえて言うなら、猫ね」

 ガーン…なぜ…犬のほうがいいじゃん…。

「理由なんてないわよ。これって好みの問題でしょう?猫は目が好きよ。小さな顔も」

 犬の目だって、負けてないよ!

「うっわ…ムキになってるよ…このおじさん」

 とにかく、うちの犬を見てくれ!!

「それ、うちのペットかわいいでしょ!したいだけじゃん!!」

 ペット飼ってる人間は、だいたいこれをしたくてしょうがないのだ。

「ま、見てもいいけど…前に出てきた22キロの臆病なワンちゃんでしょ?」

 うん。そうそう。

 スマホに保存してある写真を見せた。

 画面には、垂れた耳に、これまた垂れた目、口の端の皮がべろーんと垂れた、間抜けな犬が写っていた。お世辞にもかわいい顔をしていない。

「なんか…ラブラドールとビーグルと柴犬が混ざったような犬ね」

 雑種だからね。異様に胴が長いよ。かわいいでしょ?

「お、おう…(心にもないことに同意しちゃったわ…こうやって大人になっていくのね)」

 ふふふ。うちの犬はかわいいな~~。正直、動画サイトにあげたら一気にタレント犬になるんじゃないかって思ってるんだ。

「まぁ…愛嬌があるならね~」

 愛嬌もあるし、食いしん坊だし、よだれもすごいし。

「それ良いところなの?」

 

 そういえば、最近、コロナで外出できなからペットを飼う人が増えたんだって。

「へー、そうなんだ」

 おじさんから、一言!安易な気持ちでペットを飼うな!!

「え!?いきなり真面目になったよ」

 とにかく、躾が難しいんだよね~。恥ずかしながらおじさんも躾はお父さんに任せてしまってるので…偉そうなことは言えないんだけどね。

 なめられやすい人は犬を飼うのは向いてないと思うよ。きっちり叱るときは叱る。褒めるときは褒めるっと、ぴちっとできる人じゃないと、犬はマジでなめる。そうなると、噛んでくるからね。

「えー…猫は?」

 猫は飼ったことないから知らない。でも、地域猫とかが許されてるから、犬ほどは危なくないんじゃないかな?野良犬は見つかり次第、即保健所行だし、1~2週間の飼育の後、殺処分だよ…。

「え…そんな…」

 ペットってお金もかかるし、旅行とかも制限が出てくる。一度飼うと10数年~20年は面倒をみないといけない。

「うん」

 だから、飼うときはちゃんと可愛がってあげてね。愛してあげれば、ペットは必ず親愛を示す。裏表なくね。無垢の信頼は、すさんだ人間社会を生きてると染みるよ。

「うん…なんか、真面目な話になったね」

 ついついペットのことになると真面目になってしまう。捨てられたペットを見たことがあるけど、たまらなく悲しいよ。どの子もこのあと、どうなるかもわかってない顔をしてる。

「……それは、重いね」

 うん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る