第31話 田舎VS都会
田舎より都会が良いって言う話もあったりするわけで。
「おじさんはどっち派?」
若い頃は断然、都会だったけど。今は田舎の方が良いなって思ってる。
たしかに田舎の顔見知りだらけは嫌だった!都会は知らない人だらけだし、心機一転しやすいし、良いと思う。
「うん」
でもね~おじさんは仕事辞めて、とぼとぼと地元の田舎に戻った時にさ。田舎って何もないって思っていたけど、驚くほど美しかったんだ。何もないと勝手に思い込んでいた。改めて、故郷はこんなに美しかったって知らなかったよ。
それから、地域の運動会とか手伝わされて…。
「きっつ!」
田舎だからねー。何もしてない大人は駆り出されるのよ。お年寄りばかりだし。小さい頃から知ってるおばさんやおじさんに再会したときは、苦笑いが漏れたが…。
「ふーん…居心地の悪さとかなかったの?」
あるにはあるけどね。その時は心身ともに疲れ切ってたから、ぼーとしてたよ。
でも運動会の光景見て、手伝ってよかったなぁって思ったんだ。
子供達が元気に走り回ってて。保護者のお母さんたちはのんびり放置してるの…。
「え?放置してるの?」
うん。危なくないって思うじゃん?
でも、地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちが見てるからね。
私のお母さんも知らない3歳ぐらいの男の子を抱っこしていて。
え?どこの子?って聞いたら『さぁ~なんか抱っこしてと寄ってきたから、抱っこしたのよ』って言うから、おいおいっと思いながら都会では見れない光景だなーって思った。
私は、ちょっと心配になって、きょろきょろとあたりを見回したら、お母さんらしき人がのんびりとシートにくつろぎながら、赤ちゃんをあやしながらこちらを見ていて、会釈されて、驚いたよね。
「おじさんも、そういう環境で育ったんじゃないの?」
正直、もう覚えてないよ。ただ、そういう環境で育ったんだなーって改めて思ったよね。
(間食中)
皿にフライドポテトが山盛りになっている。
「おやつ?」
おやつだよ!おじさんは、フライドポテトが大好きだからね!
塩味がきいていて、美味しい!
「まぁ…小腹が空いたときに、もってこいよね」
ほくほくとロリちゃんと食べている。
あ、話の続きだけどね。
映画や漫画に出てくる、都会と田舎の描写でもやっとしたシーンを語ろうと思う。
「もやっとしたシーン?」
うん。まずは『都会は冷たいけど、田舎は暖かい』って描写。
「よくあるシーンじゃない?」
そうなんだよねー。だけど、リアルはそんなことないよ。田舎は外から来た人に対して、警戒心あるからね。結局、関わった人に寄るんだと思うよ。田舎の人が素朴な人だらけは幻想だからね。おじさんの小学校・中学校時代はいじめもあったしね。不登校もいた。おじさんも同級生と上手くなじめず、早く田舎から出たいとしか思わなかったもんねー。
「田舎の学校っていじめがなさそうなイメージあるのにね」
個人的にはいじめは、どこにいってもあると思うよ。
その次は、『田舎は閉鎖的で窮屈、都会は誰にも縛られず自由』。これは、あってると思うけど…描写の仕方がねぇ…うーんと思ってしまう。
「っというと?」
なんか村八分にあって、追い出されるとかね。
「違うの?」
うーん…違くはないかもしれないけど、それは都会でも田舎でも変わらないんじゃない??って思うよ。よく田舎の描写で玄関に落書きや出ていけって張り紙されてる描写とかあるけど、都会の人もやると思うけどなーって思う。
「おじさんは、田舎とか都会とかって関係ないんじゃないの?って思うの?」
うんうん。そこにいる人たちが嫌いだった…だから、自分が住みやすい環境に移動してきたで良いと思うんだ。つまりは、良い土地、良い人間関係は田舎とか都会関係ない!以上!皆、自分にあった土地で生きればいいじゃないって思うんだ。
「どっちも住んできたからこその言葉だねー」
ただ田舎の方が行事とかでないといけないから、都会に比べるとしがらみがあるのは確かだけどね。そういうの苦手な人は、やっぱ田舎は向いてないと思うよ。
「隠居生活って田舎のイメージあるけど、ひっそり暮らせなさそうね」
そうかもー。
【追記】
都会でもマイホームや子供を持つと地域行事の参加やしがらみが出てくるらしい。
「独身で賃貸アパート住だから、わからなかったところだね」
うん。ますます都会と田舎って変わらないじゃないって思ったよ
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