第34話 SNSについて
最近の子っていつからネットをしてるんだろう。
「小学生からでしょ…早い子は幼稚園から触ってるみたいだよ」
マジで?おじさんの時は、高校生からだったよ。
しかも、今みたいにスマホもない時代だから、お父さんの部屋に置いてあるパソコンだったし、1日1時間もできなかったなー。
そこでは、個人サイトの絵や小説を見ていたなー…あと掲示板覗いたり……えっちなサイト見に行ったり…検索履歴の削除の仕方を知らなかったから、残ってただろうな…何も言わなかった父ちゃん…懐かしい。
「そういう話、おじさんっぽい」
おじさんだからね。
…一人暮らしでようやく自由にネットが見れるようになって、それからスマホが出てきて、どこでもネットが見れるようになり…動画投稿サイトが流行って、毎日見てたなぁー。
「それでー?今日はどんな話をするの?」
お?今日はやる気だね。
「そうじゃないけど、ここはおじさんの与太話するところでしょ?あとおやつは?」
ロリちゃんは頬杖をついている。
ううん……おやつが目的のように感じる。今日のおやつはポテチ(塩)だよ。
「一度、食べ出すと全部食べ切っちゃうんだよね」
それは、若い証拠だよ。おじさん、もう半分残してしまうよ。
今日はネットマナーについて話そうかと思う。今はネットリテラシーなんてかっこいい言い方もあるみたいだね。
「えーネットって、マナーあるの?」
おおっと…昔は『半年ROMれ』って言葉があってだね。
まぁ、ネットマナーがわからないうちは、何もしないで半年見ときなさいっていう言葉。半年見てたら、空気がわかるからっていう。そういう意味。
「ふーん…」
ぱりぱりとポテチを食べてるロリちゃん。
その音を聞く、おじさんも食べたくなった。
「だめ!」
一枚もらおうと袋に手を伸ばしたら、叩かれてしまった。
だめ?
「これはもうあたしのなの!」
食べ物の恨みは怖い。おじさん…あきらめます。
それじゃ、おじさんが、怖いなーって思った体験を話すね。
(回想)
あれは、まだおじさんが会社で働いていたころ。
少し上の先輩からこういう話を聞いたんだ。
『今年の新入社員の本名ネットで検索したら、ヒットした。写真も本人が映ってて間違いない』
「え…」
ロリちゃんのポテチをつまむ手が止まった。
おじさん、正直、こわっって思った。
調べる先輩も怖いなーと思ったけど、個人情報垂れ流しにしてる新入社員も怖いなって思った。
もうそういう考え古いって思われるかもしれないけど、やっぱ第三者に自分の情報を知られる怖さって…わかっていた方がいいと思うんだよねー
なにより、向こうは知っていて、自分は見られているということすら認識していない…っていうのは不利だよね。
というか、いま子育てしてる親御さんは大変だよなぁっと思う。
ネットマナーも教育せなばならない時代かもしれない…。
というか画面の向こう側に人間がうじゃうじゃいるって認識低いよね。
私もそうだ。
だから、こんな話を書いてネットに公開できる。
正直、数字でしか人を認識できない。
「うーん…そうかもしれない。自分の情報を悪用する人っているのかなーって思う」
世の中、いろんな人がいるからね。悪用する人もいるって認識で生きてたほうがいいと思うよ。
つくづく私が思うのは、中学生のときにネットがなくてよかったーという気持ちだけ。今は、大人になっていろんな人と出会って、性格合わない人、話がかみ合わない人って、世の中結構いるんだなーって思うようになったから、言える言葉であって。10代の幻想にどっぶり浸かってるチェリーボーイだと、話せばわかる!っていう気持ちで個人情報垂れ流してたと思う。
「若さゆえの過ちってやつ?」
う~ん…昔は記録として残らなかったからね。今や、ネットに上げたら、下手したら一生残る…怖いって認識もったほうがいいよね…。
いじめの質も変わってきた。
おじさんのクラスにもいじめはあったけど、ネットもないスマホもない時代だったから直接会わないといじめられなかった。叩かれたり暴言を言われたり。物やお金を盗られたりとかね。そういう感じのいじめだった。
いまは、SNSがあるから会ってなくても、暴言でいじめられる。
…これが一番、衝撃があって驚いたけど…今は簡単にスマホで写真、動画も撮れるから…未成年同士で裸の写真を撮って、いじめの材料に使う案件もあるみたいだね…。
「うそ…」
いくら、恐喝されても自分から脱いだらいけないよ。怖いと思うけどね…。
昔は昔で、大変なこともあったけど、今は今で大変なことがあるって思った。
ネットにアップされてしまった、裸の写真は…下手したらずっとネットに漂うことになるからね。警察だって、全部、削除できない。
だから、できる対策としては、絶対そんな写真を撮らせない、撮る行為をしないって教育していくことだと思う。
「そっかー…うん。わかった」
あんまり、こういうこと書きたくないけど。知らないで安易に撮られて…苦しむぐらいなら、世の中って危ないって教えていった方がいいと思う。おじさんの役割としてね。
「…おじさんってちゃんとした大人?」
ちゃんとしてないけどね。ちゃんとした大人でありたいって思ってるよ。
「ふーん…パリパリ…」
しょっぱいポテチをロリちゃんは、神妙な顔で食べていた。
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