第33話 わかりあえないのは当たり前!
そもそも、わかりあえないのが普通で、わかりあえるのが奇跡なんだよね。
人類はわかりあえる(キラキラ)という話はたくさんあるけど。現実は、死ぬまで分かり合えない人間はいる。というか、わかりあいたくない人間もいるわけで。そういう時は、細胞レベルで無理なんだ。
「じゃあ、どうすればいいの?あ、今日は生クリーム大福…もっ…中身はいちごか」
美味しいよね。生クリーム大福。
話がそれた。えーとね。おじさんが知ってる対処法は視界から消す。
「どうやって?」
単純に物理的に距離を取る。
例えば、上司だったら転職して職場を変える。
自分のほうが強かったら、上司を追い出す(非情に思うかもしれないけど、大人の世界これ、普通にあるからね)
親だったら、縁を切って家を出る。
友達だったら、会わない。さける。
SNSだったら、ブロックする。
そんな感じ。
「離れられなかったら?」
鬱になって、死ぬしかないね。
「まじ?」
だから、全力で逃げて。
有名なドラマのタイトルになったでしょ。
逃げるが恥じだが、役に立つ。
一流企業だって、勝ち目がない業界には見切りをつけて撤退してるよ。
いつから、逃げることはダメだと錯覚していた?
「それは、なんか逃げるのって情けないってイメージあるし」
わかる。かっこ悪いよね。
でもさ、どうやってもダメなときはダメなんだよね。
だから、逃げよ?逃げたあとのことは、逃げたあとに考えればいい。
案外、なんとかなるもんだよ。
逃げたおじさんが言うから、間違いない。
(閑話)
題名とズレたから、戻そうっか。
人間ってわかりあえないんだなーって痛感した出来事を語ります。
「どーぞ。ふぅ…」
ロリちゃんは、湯飲みに入ったお茶をまったりと飲んでいる。
SNSの話なんだけどね。
「うんうん。ごっほ…」
ロリちゃんは、お茶が変なところに入ったみたいだ。
大丈夫?老化してくると、ときどき飲み物でむせるよね。
「ちょっと、ひっかけただけで、そういう言い方やめてよね…」
おじさん、実は趣味で絵を描いているんだ。
「えぇ…どんな絵?」
えっちな絵。それ以外の健全な絵も描いてるけど。基本女の子しか描かない。
「うっわ…」
ロリちゃんは未成年だから、これ以上のことは語れないけど。
「聞きたくないよ」
おじさんの画力は、神絵師と底辺絵師の間ぐらいだ。
すごく下手ってわけでもないけど、すごく上手いってわけでもない。
「文章力もそんな感じだよね」
いいの!
ごほん。
それで、ジャンルの過疎具合によってはそこそこ人気者になれるよ。
「そ、そうなんだ。で?それが、今回の話と関係あるの?」
あるよ!
SNSの繋がりって現実より簡単だよね。
フォローされたら、フォローを返せば、とりあえず相手の存在を認知してるってことになるからね。つまりは、相手のことを何も知らなくても、1秒で知り合いにはなれる。
「もっもっ…ずず…」
ロリちゃんは、適当にうなずきながら、大福を食べ、お茶を飲んでいる。
20代の頃の話だけど、おじさんは、そこそこ絵をかけるから、まぁ…それなりにフォローされた…そのとき、SNSの使い方をよくわかっていなかったから、とりあえずフォローされたら、フォローを返していた。
そのうち、ファンみたいな感じで褒めてくれるフォロワーが出てきた。
「え…そんな人いるの?」
そこそこ絵が描けたら、珍しくはないよ。
「ふーん…」
おじさんも、称賛されて嬉しいから、まぁ、そーいう人には絡みにいくんだよねぇ。そして、親しくなったらわかるんだよ。
「なにが?」
気が合わないってこと!
「えぇ…!?そうなの…?」
悲しいことに自分の絵が好きなことと、自分と気が合うって別問題なんだよねぇ。
ちょっと、話は違うかもしれないけど、商業の漫画家さんがSNSで過激な発言して炎上したの何回か見てきたけど。作品が聖人君子なこと描いてあるのに、本人は結構俗世にまみれてたりしてるんだなぁって思ったもんね。
作品と作者って別々なんだよね。作品ってある意味理想を描けてしまうわけで。でも現実ってそうはいかないでしょ?
「うーん…わからない」
ロリちゃんも創作してみればわかると思うよ。
前に、作者は経験したことしか物語にかけないって話題がネットに上がっていたけど、そんなことはないって反論がほとんどだった。
体験したことしか書けないなら、作者は鬼退治してるし、ギャンブラーだし、不老不死で、世界を救ってるって言ってる人がいて、確かにねって苦笑いが漏れたよ。
「空想は、体験してなくても描けるってこと?」
そうそう。だから面白いんだよね。もちろん、いろんな経験をすることは、創作のネタになるからいいことだと思うよ。
話は戻るけど、SNSって人との距離感を間違うんだよね。
ネットだと性別も年齢も、どういう考え方の人なのかわからない。
相手にするとき、つい自分と同じ性別、年齢、同じ考えの持ち主かなっと思って接してしまうんだけど…蓋を開けてみたら、ずっと年上だったり、その逆で未成年だったりするんだよねー…。
「それって何が問題なの?」
まぁ…年齢はこの際、おいておこう。おじさん、エッチな絵を描くけどSNSに垂れ流ししないで、お絵かきサイトのR18タグで投稿してるので、見れないようにはしてあるので。
一番、大事なのは同じ考えの持ち主ってところだよね。SNSを使って創作する目的が同じ人とだったら、付き合いやすいけど、そうじゃなかったら、気が合わなくてストレスを感じちゃうんだよね。
「SNSを使う目的ってさ…趣味が同じ人を見つけるとかじゃないの?」
そうそう。趣味が同じ人を見つけるって目的だけど、単純に友達を作りたいのか?創作をしたいのか?でスタンスが違うんだよね。
創作でつながったのに、いきなり人生相談されても困るっという感じ?わかるかなー?
「そんなに親しくないのに、親友レベルの相談されるってこと?」
そうそう。相手のことを大切に思うなら、真面目に聞くけどね。そこまでじゃないなら、相談されても困るっていうのが正直な感想だ。SNSだと途端に距離感が狂うバグなんだろうね。やっぱ姿が見えないっていうのが大きいんだろうなぁ。
「ふーん…」
ロリちゃんも知らんおじさんからゼロ距離で『かわいいね♡』って話しかけられたら嫌でしょ?
「嫌ッ!!!!」
SNSだとそれが、結構横行してるんだよね。
だから、おじさんも、距離感は気を付けようと思うよ。
ゲームや漫画…それから学校の道徳も人間はわかりあえると説くが…そんなことはないって教えてくれたのはSNSと社会だったなぁ…。
「うーん、そう思ってたほうが生きやすいのかなぁー」
わかりあえないってことは、悲しいことじゃないって思うよ。
道が違っただけ。そう思えばいいんじゃないかな?
「…また、道が同じになることもある?」
生きてたら、そういうこともあるかもね。道が重なった偶然に感謝するぐらいがちょうどいい。
「ひさびさに、哲学っぽい話ね」
でしょ?
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