第20話 人間は愚か
よくさぁ。ゲームや漫画でさ、人間は愚かだから滅ぼすっていう敵に対して、主人公がさー、人間は愚かじゃないって言うじゃん?でも…実際。愚かだよね。
「なんで、初っ端から闇堕ちしてるの?…もうなんというか、敵側だねー…外形と能力的にモブ雑魚だよ。」
この言われっぷり。でも、敵側と考えると、楽しくなってくるね。
「楽しくなってくるの?」
もうね。他人のこと考えるのがめんどくさい。
好き放題しちゃいたい。悪いおじさん…好きですか?
「ゴミだと思います」
ひぇ…。
「でも、逆に滅ぼされた世界見てみたいかも」
理想郷だったら、面白いよね。やっぱり人類滅んで正解だったわ~~という思想がより強化されるね。
「そういう話、探せばありそうだけどね…」
でもさぁ…いつか人類も滅ぶわけじゃん?
「んあ…なんでそんな壮大な話してんの?」
密室にいて、あーだこーだと話すと、どんどん壮大になっていくんだよ。
あー人類が滅んだ後の世界を見てみたいなー。神様が一度だけ願いを叶えてくれるなら、人類が滅んだ後の世界を見たいと言ってみたい。
「物語としては見てみたいけど、おじさん、声がマジな感じして怖っ。ダークサイドに堕ちすぎでしょ」
(閑話)
有名な歴史人物って多分、当時知らない人がいないってレベルの超有名な人達ばっかだと思うんだけどさ。
戦国時代の武士に織田信長のことを聞いたら、織田信長知らないの!?さてはお前日本人じゃないなぁ…ってレベルのさ。そういうレベルの人達しか歴史に残らないわけじゃん?
「うん、まぁ…そうだね」
だから、SNSでキラキラしてる同級生とか、ムカつく元上司とかさぁ。1000年後には私と同じで塵一つ残らないんだなーって思うと、ちょっとだけスッとするよ。
「わー…歪んでんな」
ふひ…ありがとう。周りばっか気にしてたけど、何も残らないなら気にしても、しかたないなってね。最近気づいたんだ。だから、幸せに死にたいね~。これも運なんだけどね。
「え?運なの?努力次第じゃないの?」
明日も元気に生きてる保証なんて、実はどこにもないんだよ。ロリちゃん。
「…よくわかんない」
おじさんもよくわからない。
「えぇ…」
いきなり、明日、あなたは交通事故で死にます。って言われても、きっと実感がわかないまま明日になって、事故で死ぬんだと思うよ。おじさんは。
「えぇ…ぼんやり生きすぎじゃない?」
人生、そんなもんだよ。
「なんか、今日は暗いし病んでるね…」
…実はアルバイトが決まったんだ。
「え?おめでとう。じゃあ、ニートじゃないじゃん」
フリーターおじさんになっちゃった…。
人間は…人間は愚か…ぶつぶつ。
「あ~働きたくないのね…」
でも、お金はほしいよう。
「じゃあ、仕方がないね。働け」
すん。
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