第2話 真の姿見えてますか?

 自分のこと、客観視できてますか?

 自分はいざとなれば、やればできると思って、何も行動してないんじゃないですか?自分自身の評価と世間の評価ズレちゃあいませんか?

「いきなり、なによ…その胡散臭い自己啓発本みたいな導入は?」

 まぁ…ある意味、そういう類の話になるし。…あと、ロリちゃんのツッコミ。微妙だね。ロリっ子が自己啓発本読むかな~。

「知らないよ。はぁ~あんま、聞く気しないけど」

 そう言って、ロリちゃんは、コタツの上に置いてあるミカンの皮をむいている。

「…あ、このミカン、甘酸っぱい~~」

 ハムスターみたいに、頬が膨らんでいる。かわいい。さすが私の妄想。

 

 今日もコタツは、ぬくぬくと温かい。コタツの中で足をのび~~と伸ばした。

「ちょっと、足!邪魔!」


 ごほん…10代諸君に聞く。君達は自分がどのタイプかわかっている?

 わかりやすく、おじさんが馴染みやすい感じで、下にまとめてみたよ。


①勇者型

 コミュ力おばけ。基本能力はそこそこあれば良し(これで頭もよかったら最強)。リーダーをするのが得意。クラスカースト最上位。

②僧侶型

 サポートタイプ。コミュ力そこそこ。勇者みたいに人を引っ張るのは得意ではない。リーダーはできるが、精神的に疲れる。クラスカースト中堅

③魔法使い型

 知識型。人と関わるのが苦手。リーダーとか論外。頭悪い人を馬鹿にする。このタイプは頭でっかちが多い。クラスカースト下位が多い

④戦士型

 体力バカ。とにかく体力がある。体を動かすのが好き。リーダーはできるが体力ない人は切り捨てる。クラスカースト最上位~中堅


ちなみにこのタイプを実際の社会に振りわけて考えてみると


①勇者型⇒営業マン

②僧侶型⇒事務員

③魔法使い⇒技術員

④戦士⇒現場作業員


って感じかな。


「なにこれ」

 自分が社会の荒波にもまれて感じたことだよ。ちなみにどの会社もコミュ力おばけで、サポートも出来て、知識もあって、体力バカの人材を欲しがってるよ。童貞が床上手の処女求めるのと同じだね。

「おじさんサイテーな例え方ね。っていうかー…一つも、おじさんあてはまらなくない?」

 だから、こうやって、コタツに入ってニートしてるんだけどね。


「それで?」

 ふむ。社会は、なんでもできて性格が良くて、会社の言いなりになる人材を欲しがるが現実はそんなURウルトラレアキャラいないわけよ。雇用される私達にとっては会社ガチャだけど、会社側からした人材ガチャになるわけ。つぎ込める資材は限られている。低レアキャラなんて会社は、育てたくないのよ。わかる?

「むっ…ソシャゲは、高レアキャラほど伸びしろあって、強いもんね」

 更に世間は、コミュ力こそ大正義と言ってくる。

 まー正直いまの社会は最低限のコミュ力ないときついよね。

「ここにあてはまらない人達いるんじゃないの?」

 もちろんいるよ。芸能人とかあてはまらないね。彼らは道化師とか遊び人タイプじゃないかな?あ…ちなみに、学校生活向いてる人は、会社勤め向いてる人が多いよ。逆に言えば、学校生活向いていなかった人は、会社勤め向いてないと思う。

 そういう人は会社勤め諦めて、別のことをしたほうがいいよ。世の中、仕事はたくさんあるからね。がんば。

「うー?結局なにが言いたいの」

 とにかく、自分のタイプを見極めた方が良いよって話。

 自分がどのタイプか、わかってる?って話。

 ちなみに私は、コミュ力おばけになりたくて勇者を目指して、適正なくてニートになったわけよ。

「勇者に憧れたおじさんは、結局どれだったの?」

 うーん、30代で童貞だから魔法使いかな。

「へぇー…」

  視線が冷たい…!えっとー真面目に答えるとサポートタイプの僧侶型じゃないかなといまは思う。


(閑話)


 よく学校の先生がさ、苦手なことも努力すれば克服できるとか…。

 学校の先生じゃなくても、そういうドラマや漫画あるじゃん。

「まーね」

 苦手なことはね…克服しなくていいんだよ。

「え゛っ」

 むしろ、苦手なことがわかれば、自分自身の得意分野を探すきっかけになると思うよ。

「そうなの?」

 うん。そうだよ。何が嫌なのか、何が向いてないのか、わかっていると人生の計画立てやすいと思うよ。

 まぁだから、おじさんから言えることは時間と体力とお金があるうちに、かっこつけずに新しいことは手当たり次第にやりなさい。

 やればできるんだと思い込んでるよりは、やって全然できなかったし、向いてないってわかってる人間の方が人生、生きるの、楽だと思う。

 あと、考えを変えるのも大事。

 それに学校の体育が嫌いだった人でも、スポーツジム通いは好きだったりするもんだよ。これは運動するのは好きだったけど、他人と競うのが嫌いだったとかね。

 勉強は嫌いだったけど、給料につながる資格勉強は好きな人もいるわけよ。

 人と直接話すのは苦手でも、ネット越しだと上手くいく人もいる。

 あと年をとると、自分の性格も向いてることも変わってくるし、すごい道具も、わかりやすい参考書も出てくるから若い時、苦手だったことを、もう一度やってみたら、案外簡単にできちゃったりすることもある。

 それでも、できなかったら、マジで向いてないので、別の道にガンガン進もう。世の中、自分にあってるものたくさんあるよ。

「アドバイス、ぼんやりしてるなー」

 ニートだからね。

 だから、私も10代、20代は勇者タイプ無理だったけど、もしかしたら30代、40代でなれるかもしれないわけよ。ま、リーダーやりたいとか思わないからチャレンジする気はないけどね。別の道を模索中。

「まともじゃん」

 ロリちゃんは口をとがらせて、つまらなさそうだ。

 おじさんはね、とりあえず、まともでありたいと思ってるよ。

「ふーん」

 


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