あーだこーだニート

睡眠欲求

第1話 10代こそ読むべし!

 吾輩はニートである。


 小説は最初の一文が勝負…。

 次の文章を読むかどうかは、残酷なことに、ここでほぼ決まってしまう。

 

 そして、これを読んでいるキミは、引き込まれるように読んでいることだろう。

 なんせ超有名な小説のはじまりをパクっ…もとい、もじったやつだからね!!


 こんにちは!はじめまして!吾輩…こと【私】を簡潔に説明するならば、30代独身童貞無職だ。これ以上の説明はあるまい。私はぬるま湯のような人生を歩んでいる者だ。

 まー、なんというかつまり人生、もうすでに諦めムードなわけだ。

 私のことは、ニートおじさん(30代)とでも呼んでくれ。よろしくネ。


 そして、コタツでぬくぬくとしている私の目の前には、美少女がいる。完璧にかわいい。色白の肌に、長い金髪の女の子。

 もちろん!現実リアルに美少女の知り合いなんていない!

 空想だ。私のイマジナリーフレンドならぬ、イマジナリー美少女だ。

 そして、イマジナリーな彼女は、侮蔑のまなざしで私を見ている。

「じゃあ、ロリちゃん。自己紹介よろー」

 私は美少女のロリっ子にお願いする。リアルでは、こんな馴れ馴れしく話しかけられない。この女の子の名前はロリ。

 おじさん、カタカナ4文字以上は覚えられないからね!

「あたし…ロリって名前なの?とゆーか、ここはどこ?コタツしかないけど」

 イマジナリーの女の子は喋る。声はおじさんの好きなアニメ声優の声だ。


 ここは私のイマジナリー空間だ。タタミ三畳の和室。ふすまの向こうは虚無しかない。

「さっきは声に出して話してたのに…なんでいきなり心の中で説明するの…というか、おじさんの心の声が聞こえるの地味に嫌なんだけど…」

 「」かっこをつけるのめんどくさくなって。

「えぇ…」


 ロリちゃんは、マシュマロのような肌に、ふわふわの長い金髪。こぼれんばかりの青い瞳にピンクの唇。まさしく、二次元にいるロリ金髪美少女である。お洒落な雑誌に載ってそうなおしゃれな服を着ている。初潮はまだである。


「初潮って…さいっあくの設定ね」

 イマジナリーぐらい好きにさせてくれ。リアルの人間は怖い。

「というか、ずっと心の声で話す気?なまけものすぎない?」

 うふふふ。

「きもちわる」

 がーん…

「ガーンって、なんか古いし、痛いよ」


 さてさて、人物紹介もすんだことだし、この小説のテーマを説明しようじゃないか!私がこの空間を作ったのには理由がある。

「涙目になりながら、勝手に説明はじめた」

 まずはこの小説のタグを見てくれ。

「えっと…角川文庫キャラクター小説大賞ってタグがあるね」

 大賞は賞金もらえる…賞金ほしい!!ニートだから!金くれ!金ぇ!

「うーわー…志が汚いわ」

 だから、私は令和を代表するキャラクターになる!

「あんたがなるの!?せめて、あたしでしょ!」

 いや、ロリ金髪美少女は供給過多で無理でしょ。

 激戦区で無理っぽーい。おじさん枠ならワンチャンあるヨ。

「ふつーにムカつくわね!黒ぶち眼鏡で小太りの」わーわーわー!

 都合の悪いこと言わないでください。

 これは小説。外見の説明がない限り、読んでる人は、おじさんのことを勝手にイケメンで想像してくれるはず。

「読者ねぇ…だいたい…あたし、ロリ設定なんでしょ?あんまりロリキャラっぽくないんだけど」

 中身は30代ニート童貞がイメージして喋らせてるからね…仕方がないね。

「うわー…っというか…令和を代表するキャラなら、性格もかっこよくすればいいのに」

 うんうん。良い質問だね。小説を書くにあたって、最近のオタクの流行りを調べたら、転生、ニート、逆転劇、ハーレム、チートという要素があって。

「おじさん…いまのところ、ニート以外、全部ないと思うんだけど」

 皆、この要素を過剰摂取したからそろそろ食傷気味かなって思って。あえて、なくしたんだ(にやり)。

「まぁ…読ませる文章力があればねーそれで、いけるんじゃない」

 ぐはっ…!的確なことを言ってくる…!

「日常系って難しいのわかってる?繊細な観察眼がないときついよ」

 すごい、し、辛辣ぅ…。


(閑話)


「というか題名の10代だからこそ読むべきってあるけど…今のところそんな要素なんもないじゃん」

 そう書けば、10代の子達が釣れるかなって思って…

「おじさん…とりあえず、あたしの初潮設定で10代女子は振り落としたと思うわ。普通に気持ち悪いから」

 じゃあ、いまここまで読んでるのは10代男子…?

(いるのかなー)

「…とりあえず何か10代に伝えたいこと言わなきゃ。題名詐欺で通報されるか、コメント批難されるよ」

 世知辛い世の中だね…。

「はいはい」

 私が10代の若者たちに伝えたいことは…ズバリ!

『現実と虚構の区別はしっかりしとけよ…しけよ…けよ…よ』(エコー)

「え…区別してるでしょ…」

 私は区別してなかった。

「やば」

 そうやばかった。

 10代の青春のページは黒歴史で真っ黒である。

 これを読んでる前途有望な10代諸君…童貞ニートになりたくないだろう?

「なにその導入」

 これを読めば、とりあえず童貞ニートは回避できるかもしれないと思い文章をしたためた。

「ほんとうー?」

 読んで、童貞ニートになっても一切責任を負いません。

「無責任だね。おじさん」

 だって、童貞ニートですから。


 じゃあ、2話目から私の黒歴史について語っていくね。

「え?もう一話終わるの?まだ2000字だよ」

 疲れたからね。私は無理はしない性質でね。やれやれ。

「なにもかっこよくないよ…えっと…グダグダだけど、よかったら次も読んでくれると嬉しいな♡」

 ロリちゃ!!!いい子!!!

「あんたは、さっさと仕事見つけなさいよ。クソニート」

 …すん。

 

 




 


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