7.夜明け前の約束
シンバを見つけたレオンが呼吸を乱し、呆然と立っているシンバの腕を掴む。
「ハァ、ハァ、ハァ、シンバ、お前、こんな所にいたのか、探したよ」
本当に探したんだろう。
息が物凄く上がっている。
〝誰かに信じてもらいたいなら、まず、誰かを信じる事だ、誰も信じれないなら、誰も信じてはくれないだろう〟
本の主人公はそう言っていた。
――俺はどうしてレオンを信じなかったんだろう。
――信じて欲しいばかりで、誰も信じれなかった・・・・・・。
「・・・・・・レオン、父さんは死んだんだね」
「・・・・・・シンバ?」
「この屋敷で俺達を見守ってるんだ。見えなくても、父さんはここにいるんだ。レオンを助けたのも、ハンナの事件が載った新聞も、父さんだよ――」
そう言ったシンバに、レオンは、
「そうか」
納得しているように、または当然だと言うように、頷いた。そして、シンバの頭に、ソッと手を乗せ、でも撫でる訳でもなく、レオンは、照れくさそうに、頑張ったなと口の中で呟いた後、
「独りで、ここで考えて、短時間でお父さんの死を受け入れたのか?」
そう聞いた。黙ってレオンを見上げるシンバに、
「ごめんな、シンバ、僕が頼りないお兄ちゃんで」
すまなそうに謝る。
「違うよ、思い出したんだ」
「思い出した?」
「父さんの口癖」
「お父さんに口癖なんてあったっけ?」
「あったよ、俺にしょっちゅう言ってた」
「なんて?」
「後悔しないで反省しろって」
「お父さんが?」
シンバはコクコク頷き、
「うん、いつも母さんに怒られて、俺が母さんに文句言って、でもいつも後で後悔するんだ。母さんにあんな事言わなきゃ良かったって。そしたら、父さんが、明日の朝になったら、夢で終わり、忘れてるさ、それでも辛いなら、後悔はしてもしょうがないから、するなら反省すればいいって」
そう話した。レオンも頷き、
「後悔しないで反省しろ・・・・・・か・・・・・・」
そう呟き、その言葉を噛み締め、自分の中へ大事に仕舞うように、再び頷く。
「俺、行かなきゃ。父さんは俺達を守ってくれてる。ナイトメアがずっと俺達の傍にいれないのは、父さんが邪魔をしてるからだ。じゃなかったら、アイツ、俺の傍で俺に指示を出してるに違いない!」
「僕は何をすればいい?」
「母さんとシーツとコブの傍にいて守ってあげて。コブは大丈夫だから」
「大丈夫って、まさかコブは――!?」
「コブは父さんが守ってくれてるんだ。多分、ハンナが無垢な魂として、アイツに食われる予定だけど、それがダメになった場合、コブを食うのかもしれない。だからそうならない為に、父さんはコブの魂を守ってるんだ」
「・・・・・・お前は誰を守るの?」
「ハンナ」
そう言って、シンバはチラッとレオンを見て、
「それから、みんな」
そう答え、走り出した。
「お、おい、待てよ、シンバ!」
「屋敷に戻って、母さんとシーツとコブを頼むよー!」
そう吠えると、シンバは中庭へ向かった。
――ハンナの姿は俺しか見えない。
――封印が解けても、ハンナを喰らわなければ、アイツは人間界に君臨なんてできない!
――ハンナを戻そう。
――ニューヨークへ!
「ラモル!」
噴水のカエルの銅像に叫ぶシンバ。
「ラモル、聞こえる? あのね、父さんに会ったよ、俺は家族を守りたい。それでハンナを夢から解放してあげたい。どうしたらいい?」
銅像のままのカエルに、シンバは空を見上げる。
月が隠れている。
ふと見ると、辺りは妖精だらけで、キラキラの美しいヒカリを撒き散らしながら、シンバの周りを飛んでいる。
「いたっ!」
突然、凄いスピードで、妖精が飛んできて、シンバの頬を掠った。
羽がカッターの刃のように尖っていて、シンバの頬は切り傷がつき、少し血が流れる。
妖精達はクスクス悪戯っぽく笑いながら、シンバを見て、物凄いスピードで向かって来る。
両手で顔面を防御するが、シンバの服は切り裂かれ、勿論、腕も足も切り傷だらけになる。
確実にその痛みは軽いだけあって、直ぐに脳に感じてしまう為、それが体のあちこちに負わされると、あちこちがメチャクチャ痛い。
「やめろよ、やめろ! なんだよ! クソッ!」
妖精達は、早く屋敷に戻って、封印を解けと言っているようだ。
封印を解いても、無垢な魂がなければいい。
だからこそ、ハンナを目覚めさせなければならない。
カエルのラモルを殴ろうとした雪掻き用スコップを見つけ、シンバは防御しながら、スコップが置いてある場所に移動し、地面に座って、スコップを手に持つ。
その間も、妖精達は容赦なく、シンバを襲っていたが、シンバがスコップを持った途端、その場から少し離れ、シンバの様子を伺っている。
シンバはスコップを構え、妖精達を睨む。
服は切り裂かれ、身体中、切り傷だらけで、痛さのせいで呼吸が乱れている。
本当はメチャクチャ痛いが、シンバは、
「こんなの全然痛くねぇ!!!!」
そう叫んだ。
妖精達はシンバの態度にムカついたのだろう、再び、スピードを出して向かって来る。
一匹をスコップで叩き落としたが、もう一匹はシンバの脇腹を裂いた。
更にもう一匹は太股を。
もう一匹は腕を。
そして、もう一匹は超高速でシンバの喉を狙う。
さすがに超高速はシンバの目で見える速さじゃない。
そのまま裂かれたら死ぬ所を、ラモルの長い舌が超高速で移動中の妖精を捕らえた。
「バカめ。選ばれし子供を殺したら、お前等、ヤツに怒られるだけじゃ済まないぞ」
ラモルはそう言うと、バキバキと音を鳴らしながら、妖精を食べた。そして、
「尤も、ヤツの方がマシか? ワシに喰われるよりは」
と、クワックワックワッと変な声で笑う。
妖精達は、ラモルに逃げ出した。
「ラモル。お願い、教えて? どうやったらハンナを目覚めさせられる? 夢からどうやったら目覚めるかな?」
「教えて欲しければ、妖精を鱈腹食べさせてくれるか、人間の美しい姿にしてくれるか、それとも、お前を喰らってもいいか――」
「人間の美しい姿にしてあげるよ!」
迷いなく、そう答えたシンバに、ラモルはゲコッと鳴いて、ギョロッとした目にシンバを映す。
シンバの表情は嘘を吐いているようには見えない。だが、
「この嘘吐きめ! 嘘を吐きすぎて、嘘が平然となったか!」
ラモルはそう言って、シンバに怒る。
「嘘じゃない! 俺は嘘なんて、たまに吐くけど、余り吐いた事ないし、これからは絶対に吐かないよ!」
「どうやって人間の姿にしてくれると言うのだ、お前は只の選ばれし子供、即ち、人間だろう、人間に魔法は使えない。でも人間は嘘を吐く、お前は嘘吐きの人間だ」
「嘘じゃない、信じて! 信じてもらうしかないけど、信じて! もし嘘だったら、俺を食っていい!」
「逃げる気だろう!」
「逃げないよ!」
「ワシはこの噴水から半径1メートルしか動けないんだぞ!」
「だから逃げないって! 全て終わったら、ちゃんとここに戻ってくるよ、それで、ラモルを人間にしてあげる」
真剣にそう訴えるシンバに、ラモルはゲコッと鳴き、
「――信じよう」
少し考えた様子だったが、そう答えた。そして、
「夢に囚われている者は悪夢を見ている。本当の悪夢からは目覚められぬ。だが、ひとつだけ、悪夢を消し去る方法がある」
そう言った。
シンバはゴクリと唾を飲み込み、ラモルの話を聞いている。
「バク。ソイツを呼べばいい」
「バク? バクって悪夢を食べるって言われる獣? 父さんの小説に出てきた」
「バクは、尤も可哀想な生き物だ」
「可哀想? なんで?」
「体は熊、鼻は象、目は犀、尾は牛、脚は虎。昔、神が動物を創造した際に、あまった半端物を用いて創ったのが獏。だから、どこの世界でも受け入れてもらえず、獏は現と夢の間で生きる。悪魔も天使も人も、夢見る者の現と夢の間にな。バクを呼べば、悪夢を食べてくれる。なんせ、自分が生息する場所に悪い夢は気分が良くないからな。悪いものを食べてしまい、のんびり暮らす低脳な生き物だ」
「バクを呼んだら、ハンナの悪夢を食べてくれるの?」
「いいや、呼んだ場所の悪い夢を喰らう」
「呼んだ場所で? だったら夢の中で呼ぶしかないって事?」
「現実に見えても、夢の中にいる事もある」
「よくわからないけど・・・・・・どうやって呼ぶの?」
「調べろ、人間界にもバクについての神話や伝説などがあるだろうが! ここは人間界。世界によって、呼び方も、様々だ。ワシは人間界で、この噴水から半径1メートル以内の中でしか身動きとれんのに、人間界の何を知っておると言うんじゃ、このボケ!」
「だって調べてる暇なんてないよ!」
そう叫ぶシンバの背後から、
「シンバー!」
と、ハンナがナイトメアの本を持って走って来る。
振り向くと、ハンナは妖精に足元をすくわれ、すっ転び、本はゴロンゴロンと転がった。
「ハンナ!」
シンバが駆け寄ろうとした瞬間、ハンナはふわりと浮き、ナイトメアの腕の中にお姫様抱っこで収まった。
「何故ここにヤツが!? ヤツは封印のせいで屋敷内でしか動けない筈!」
ラモルがそう言うと、ナイトメアはニヤリと笑い、
「封印のせいではない、ワタシを恐怖に思う者がここにいるからだ、それがワタシにチカラを与える。これで封印が解ければ、屋敷周辺だけでなく、この人間界全てをワタシの支配下にする事も可能だ。ワタシを恐怖に思う人間はたくさんいるのだから。だが、まずは忌々しいカエルを殺すとするか!」
と、シンバとラモルに、近付いて来る。
後退りするシンバと、身動きとれず、脂汗らしきものを溢れさすラモル。
「元々、お前はワタシの魔力を高める為の薬にする材料として生け捕ったカエルだった。それがまさか、魔法使いにカエルの姿に変えられた呪われし者だったとはな。ワタシの屋敷にいたお前は、運悪くワタシと一緒に人間界に堕とされ、サタンに、元の世界に戻し、更に元の姿にも戻すよう叫んだが、そのカエル如きの叫びはサタンの怒りに触れ、カエルの姿のまま、更に、噴水の銅像にされたんだったな。月の光で自由に動けるようだが、ちょっと自由に動きすぎやしないか?」
そう喋りながら、ナイトメアは一歩一歩、ラモルに近付く。
「なぁ、ラモル? お前、カエルの前はなんだったんだ? 本当のお前は何者だ? まさか王子様だとか抜かすなよ? はっはっはっは、さぁ、答えろ? 殺す前に聞いといてやろう、なんせ、ワタシは優しいから」
淡々と尋ねる声が怖い――。
ナイトメアの腕の中、ハンナは恐怖し、震えている。
シンバは、どうしたらいいのか、焦りながら、でもラモルが殺されたら、全て終わりのような気がして、
「まだ鍵は手に入れてない! 噴水の底には鍵があるんだ、その鍵が手に入らなければ、封印は解けない。ラモルが死んだら、封印は解けないままだぞ!」
そう叫んだ。
ナイトメアはピタリと止まり、視線をシンバに向けた。
表情は怒りに近く、それでも平然を装っているようだ。
「まだ、鍵を手に入れてない? 今迄、何をしていたんだ」
シンバはゴクリと唾を呑み込み、怖くて、只、ナイトメアを見ているしかできず、何も答えられない。
「ラモルに難題を突きつけられたか?」
シンバは首を振り、只、ナイトメアを見ている。
「鍵はやらないと、ラモルに言われたのか?」
シンバは首を振り、只、ナイトメアを見ている。
只、首を振り続ける、そんなシンバに、優しくニッコリ微笑んだナイトメアは、ハンナを下ろすと、シンバに近付き、シンバと同じ目線に腰を下ろし、優しく微笑んだ顔で、シンバの首をソッと掴むと、
「ラモルが鍵を取って来ないのなら、お前が取って来るんだ!!!!」
と、行き成り、シンバの首を持った手にグッとチカラを入れ、そのままシンバを持ち上げ、シンバを放り投げるように、噴水の中へ投げ込んだ!
ザッパーンと水しぶきを上げ、緑色の底が見えない噴水の中へ落ちて行くシンバ。
キャーと甲高い悲鳴を上げるハンナ。
「なんて事を! かなり深いのだ! あの子供は選ばれし子供なのだろう! あの子供が溺れ死んだら、お前の封印は解けないままだぞ!」
ラモルがそう叫ぶが、ナイトメアはフンッと鼻で笑い、
「ラガットの子供は4人もいる。そして、ワタシを見る者はソイツだけではなくなった。もう1人、レオンという子供がワタシの存在に気付いた。コソコソと影で動く小賢しい子供より、ワタシを見て、ワタシに歯向かいながらも、ワタシに脅えてくれる子供の方がいい。それに、レオンという子供は、ソイツと違い、正々堂々としているようだ、ワタシは好きだ、正々堂々と騙される者が――」
と、鼻での笑いは、喉の奥の笑いとなり、だが、笑いは止められず溢れてしまい、高らかに、少し明るくなって行く空を見上げ、ナイトメアは笑う。
「アイツなら、家族を盾にすれば、素直に言う事を聞き、何の疑いもしないだろう、なんせ、正々堂々を好む者は、騙すという知能が薄い。だから騙されるという考えも持たない。つまりだ、シナリオはこうだ、ラモル、お前が悪者になり、ラガットの妻を殺そうとしている。それをワタシが助ける。だが、ワタシは封印されていて、その封印を解いてくれないと、ラガットの妻は助けられない。誰かその封印を解いてくれる者がいればいいのだがなぁ・・・・・・そこへラガットの息子レオンが、こう言う訳だ、〝その封印はどうやったら解けるの? 僕が解いてあげるよ〟ってね――」
「そのシナリオ通り噴水で死体でも浮かべば、ワシを悪くできるってもんだな」
ラモルがそう言い終わると同時に、
「シナリオ通りに行くかな」
そう言って、咳き込むのはシンバ。
ハンナはシンバが無事に噴水から這い上がって来た事にホッとして涙が出そうになる。
「ナイトメア! 鍵は俺の手の中だ!」
噴水から出たシンバはそう言って、ニヤリと笑う。
「バカな!」
そう言ったのはラモル。
「なんでバカな?」
そう聞いたシンバに、ラモルは慌てる。
「い、いや、何故、生きてられるのかと思ったのじゃ。噴水はかなり深い。それに服が邪魔で泳げないどころか――」
「服に空気が入って、深くまで潜れないんじゃないかって? 俺はね、本ばかり読んでるインドア派だけど、父さんと山や川へ行って遊ぶアウトドア派でもあるんだぜ。息子4人の内、体力だって一番自信あるし、喧嘩だって、勝てなくても負けないね。なめてもらっちゃ困るよ、ラガットの息子のこの俺を! ちなみに、一番、父さんに接して来たのは俺。俺以外、封印は解けないよ、父さんの残した封印を理解できるのは俺だけだと思うけど? レオンに封印が解けると思うなら、どうぞ、レオンを指名してやってよ。もう一度言うけど、レオンに封印が解けると思うなら、ね――」
シンバの表情は勝ち誇って見える。
本当は冷や汗タラタラものかもしれない、だが、噴水の水でびしょ濡れのシンバからは、表情しか伺えない。
「鍵を手に入れたのか? それは本当か?」
ナイトメアは疑うように、シンバの顔を覗き込み、そう聞いた。
シンバはコクコク頷き、
「こんな事に嘘は吐かない。信じるか、信じないかは自由だけど」
当然のように、そして、自信たっぷりに、そう答えた。
嘘を吐いてるとは思えない。
ナイトメアは考える。
このガキに何か勝算があるのだろうか。
勝算?
大体、勝算とは何を意味するのだ?
このガキが助かる方法はひとつ、封印を解く事だけ。
そうでなければ、このガキは、永遠に悪夢を見る事になる。
「いいだろう、鍵は手に入れたのだな? もうすぐ夜明けだ。ワタシは月が空高く現れる頃、現れる。その手に入れた鍵を使って入れる部屋に来い。念の為だ、娘は連れて行く」
「え!?」
「心配するな、お前がワタシの言う事を聞いて、部屋を探しておけば、娘には何もしやしない。寧ろ、丁重に扱ってやる、約束しよう」
「ちょ、ちょっと待って!」
まさかの言い分に、シンバは焦るが、あっという間に、ハンナを抱え、ナイトメアは姿を消した。
夜明け間近、ラモルも銅像になってしまう。
「ラモル、どうしよう、ハンナが!」
「ヤツを煽るような言い方をするからじゃ!」
「だって矛先がレオンに向かっても困るよ、勝ち気にいかないと、お前なんかより、レオンの方が使えるって思われそうだったし」
「それより鍵を手に入れたと言うのは・・・・・・」
「嘘だよ。鍵なんてなかった。水が濁り過ぎてて見えないだけかもしれないけど」
「だったら、何故そんな嘘を吐いた! 今夜、ヤツが現れた時、許されると思うのか!」
「許されないだろうけど――」
「いいか、ヤツを甘く見るな。チカラを失くしているとは言え、悪魔は悪魔。人間が敵う相手ではない。大体、悪魔と約束をするなど、口約束とは言え、破滅ものじゃ! しかも悪魔に嘘を吐いたなど、そんな大馬鹿者、初めてじゃ!」
「・・・・・・ねぇ、ラモルも嘘を吐いてるんじゃないの?」
「なんだと!?」
「鍵は本当に噴水の底にあるの?」
「なに!?」
「本当はないんじゃない? でもアイツはラモルが持ってると思っている。ラモルもアイツに嘘を吐いてる」
「・・・・・・」
黙るラモルに、シンバは、鍵の在り処を聞き出そうとしたが、眩しい光が、木々の間から差し込み、月の光は消えうせてしまった。
ラモルはカエルの銅像へ変わり、何も聞けないまま――。
シンと静まった場所で、シンバは溜息。
ふと、ナイトメアの本が落ちている事に気付く。
「ハンナが持って来たんだな・・・・・・ハンナ、助けるからね、必ず!」
言いながら、本をペラペラ捲り、真ん中のページから最後のページにかけて、鍵が埋め込まれているのに気付く。
「鍵だ!」
誰かが、鍵を噴水の底から取り出して、この本に、鍵と同じ型を刳り貫いて、そこに鍵を仕舞った。
鍵を手に入れた者は、ラモルと深く接触しているラガットに決まっている。
きっとラモルと交渉し、鍵を手に入れたのだろう、噴水の底にあるとナイトメアに思わせたまま――。
ナイトメアを欺いて、ラガットは、恐怖と戦おうとしている。
「父さん・・・・・・」
シンバは鍵を握り締める――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます