第15話 新称号獲得
さて、今回の研究は
【小鬼殺し】を選択すると地面に直径二メートルにも及ぶ金属製の箱が出現する。その中に、素材を入れて、魔力を込める。
今私は一冊の本を手にしている。
――――――――――――――――
〇術名:【小鬼殺し】
〇説明:使用することにより、小鬼殺しの称号を獲得する。ただし、一度使用すると魔導書は消滅し、二度と同様の魔導書を創造することはできなくなる。
〇呪文:――
〇ランク:称号付与魔導書
〇マスターまでの熟練度:――
――――――――――――――――
うーむ、ランクが、称号付与の魔導書となっている。使えば称号を得られるんだろうが、これって、魔導書と呼んでいいものなのだろうか。
まっ、あるんだ、
本に手を触れると、真っ黒な
「ぐう」
視界が
数分後、やっと身体の
――――――――――――――――
〇称号名:【小鬼殺し】
〇説明:
〇
〇特殊効果:【鬼殺界】の能力を使用可能。ただし、一日一度のみ使用可能であり、使用日は
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私の持つブレインモンスターなる称号と異なり、この称号は解析が可能らしい。予想通り、
特殊効果の【鬼殺界】とやらがよくわからんが、使用すると
ともあれ、これでこの洞窟の最奥にいるバケモノと互角以上の戦いができるはず。
これからが、
だが、その前に――。
「出てこいよ。これ以上の
部屋の入口付近へと視線を固定し、そう言い放つ。
「おいおい、マジかよ。初めてバレたな」
入口の前には、赤髪に無精ひげを生やした
この男については、心当たりはある。
最近のゴブリンの襲撃。そして、この状況でのセバスチャンのトート村への
「それは知っている。セバスチャンの関係者であろう? 大方、冒険者か、それに類似した職種」
男は、軽装であり、いわゆるライトアーマーといった
「
「あんたのしょうもない感想などに興味はない。あんたの目的を教えてもらおう」
「言わずとも、見当くらいついてんだろ?」
「セバスチャンに頼まれて、
「なぜ、そう思う?」
面白そうに、赤髪の男は、そう
「言わずもがなだ。第一、この洞窟の
以前、馬車でジレスから聞いた情報では、
この洞窟の
「ああ、おそらく、ここの
この男のステータスの平均値は、D+。筋力と俊敏性に関してはCもある。まごうことなき強者だ。この洞窟のゴミ
「要するに、私に共闘しろと?」
「そうだ。お前の強さと異常性は、承知した。お前は魔法が得意、俺は剣、どうだ? 適切な役割分担だとは思わねぇか?」
今の今まで
「わかった。短い間だろうが、よろしく頼むよ、
「ああ、こちらこそだ。いかれた、殺人鬼殿」
お互い額に青筋を
洞窟の奥へ、奥へと進むと大きな通路へと変わり、周囲の景色も一変する。
「これは、食料庫か」
赤髪の男――シーザー・カルロスが、
「だろうな」
周囲の
「あれをみろ」
温かみの一切が消失したシーザーの声に
「は?」
間の抜けた言葉が口から
「そうか……ははっ、そうだよな」
だが、駄目なんだ。この行為だけは、私は絶対に許容できない。だって、これは
「お、おい、グレイ、落ち着け!」
「私は、落ち着いているよ、シーザー」
――規則正しく並べられている子供達の頭部をぼんやりと眺めながら、私はそう断言した。
「遅くなって、すまない」
私は近づき、
多分、私は、このとき、この戦いの意味を変えたんだと思う。
「行こう。シーザー」
「ああ」
私達は、通路の奥をさらに進んでいく。
「なあ、グレイ」
「なんだ?」
「俺、謝るぜ」
「
「お前は、殺人鬼なんかじゃねぇよ」
「当たり前だ」
「そうだな」
「だったら言うな。ほら、どうやらそろそろ終着点だ」
私達の前には、武骨で大きな石の扉が
「ギイイイィィ!」
部屋にいたゴブリン十数匹に囲まれるが、【
「
配下の
――――――――――――――――
〇
ステータス
・HP:D(――/100%)
・MP:D-(――/100%)
・筋力:C(――/100%)
・耐久力:D+(――/100%)
・魔力:D-(――/100%)
・魔力耐久力:C-(――/100%)
・俊敏力:D-(――/100%)
・運:E+(――/100%)
・知力:E-(――/100%)
〇種族:ゴブリンプリンス
〇称号:ゴブリン族の王子
――――――――――――――――
この周辺では、圧倒的だ。こんな奴に攻め入られればミラード領など数日で
今の私よりも格上である上に、魔力耐久力がC-もあり、私にとって
ここでシーザーの協力を得たのは、最良だったかもしれん。
「断る」
【
食事を妨げられ、初めて不快そうに私に視線を向ける緑色の肌の小鬼――
「お前、個人に
「
そんな
「滅びな、人食い小鬼がっ!」
シーザーが腰の長剣を抜き放ち、奴に
こうして、私達の戦闘は開始された。
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