第14話 救出と探求心
予想以上に、
あっという間に、トート村から『
ついに、
洞窟の前には二匹の
報告されると
カルラには傷どころか、衣服の乱れすらない。どうやら、
「では、
だが、そうだな。
「案内の
恐怖で硬直化している
【
地面に転がる
洞窟内はかなり広く、迷路のようになっていたが、円環領域があれば迷うわけはない。エンカウント次第、小鬼共を殺害する。
一直線で突き進んだ結果、苦も無く私はカルラが連れ込まれた区画へと入ることができた。
そこは
その死んだ魚のような目を見れば、ここで何が行われていたかなど
私にとって彼女達の重要度は大して高くない。カルラの保護を優先させてもらう。
そして、カルラはある個室へと運ばれる。
「放せっ!!」
意識を取り戻したカルラに、丁度、数匹のゴブリンが群がったところだった。
あの
カルラの無事にどこか胸を撫でおろしつつも、ゴブリンの首を全て、【
首がゴロリと地面へ落下し、持ち主をなくした胴体から
「カルラ、大丈夫?」
カルラは、
「グレイ様っ!」
ジワッと涙をにじませると、抱き着いてくる。
正直、私よりも
だから、背中をそっと叩いて落ち着かせる。
しばらく、私を抱き締めていたカルラは、私から離れると真っ赤になって
「グレイ様、見た?」
ゴブリン共に抵抗した際に破けたと思われる右胸を
正直のところ、視界が
「いや。それより、これに着替えなさい」
話題を変えるべく、アイテムボックスから私の着替えを取り出し、差し出す。
「う、うん」
カルラは上着を受け取ると後ろを向き、ボロボロの上着を脱ぎ始めたので、私も、彼女に背を向けて両腕を組む。
「グレイ様、もういいよ」
「ああ」
振り返ると、いまだに、顔を
「どうした?」
「助けてくれて、ありがと」
「礼は不要だ」
むしろ、大人が子供の身を案じない社会などいっそ滅んだほうがいい。そう考えているから。
それよりも、この事件はまだ終わっちゃいない。トート村からさほど離れていない距離に、この洞窟はある。
今の今まで襲われなかったのが不思議なくらいなのだ。放置しておけば、遅かれ早かれ、トート村は再度襲われる。この巣自体を消滅させておく必要があるのだ。
「ねぇ、グレイ様」
「何だ?」
「あたい、グレイ様なら嫌じゃないよ」
そんな意味不明な言葉を最後に、カルラは再度、背を向けてしまった。
やはり、子供のしかも異性の思考は私には少々、レベルが高すぎる。
ともあれ、時間も押しているし、そろそろ、行動に移そう。
この洞窟の
一方、この娘もサテラ同様、私と一緒に戦うと聞かなそうだ。しかも、直ぐに
「カルラ、少し目を閉じて欲しい」
「え?」
「だから、目を閉じて欲しい」
少しの間、目を見開いていたが、急速に
「う、うん、わかった」
もはや、
これで問題のほとんどが片付いた。後は増え過ぎた悪質な獣の駆除だけだ。そして、その獣の親玉は少々、骨が折れる。
この度手に入れた
検索していくと、奴らを
――――――――――――――――
★【小鬼殺し】
〇設計素材:Fランク以上の
――――――――――――――――
何ともえぐい素材だな。だが、この洞窟には
このような魔法とは到底思えぬ
要するにだ。今の私には時間がたっぷりあるというわけ。ならば、この魔法の作成に入らせてもらう。
私は部屋を出ると、監獄内にいる全ての女達の
一応、女性の一人に、カルラは無事保護したから心配いらない旨の手紙も持たせた。これで、帰宅時間を気にせず、
私は入り口の
元より、人に仇なす性質の悪い獣を憐れむほど、私は愛護の精神に富んではいない。故に殺すことに
中にはゴブリンメイジなる魔法を使う個体がいたが、長い
そんなこんなで、大した時間もかからず、十分な数の
あとは、Fランク以上の
そして、そのFランク以上の二匹はこの奥の部屋にいる。
「グギィ!」
部屋の前の
素材はもう必要十分だが、一応、解体してアイテムボックス内へ放り込んでおく。
これで未知の魔法への道が開ける。
布のカーテンのようなものを通り抜け、部屋に入ると、二匹の鬼が石の椅子に踏ん反り返っていた。
二匹の鬼の
あれは、どうみても人間ではあるまい。
「人間のオスの
細マッチョの鬼が、うんざりしたように、隣の
「ゴブズ、私達の愛に勝手に口出ししないでくれるかしらぁ。でも、確かに可愛い顔ねぇん。あのバカ共にしてしては中々センスあるんじゃなーい」
腹の出た鬼は私を
「うーん、決めた! この子、私がもらったわぁ」
両手を組んで、私に熱い視線を送ってくる腹の出た鬼。
「勝手に話を進めているところ悪いんだが、尋ねたいことと頼みたいことがあるのだがいいかい?」
「
私の疑問に
「いいから答えろよ。なぜ、お前達はそこまで
さきほどの
「くふふ、この子、私達があのお馬鹿さん達と同じといっているわよぉ」
「不快な奴だ。我らは、
要するに魔物共にも
「理解した。ならば、お願いの方だ」
「へー、何かしらぁーん。優しくしては、だ・め・よ。私は
「いんや、そんな難しいことではないさ。実に簡単なことだ」
私は
「き、気を付けろ、ゴブラ! こいつどこか変だ!!」
「ええ、わかってるわ」
細マッチョの鬼――ゴブズは長槍を、腹の出た鬼――ゴブラは大斧を手に取ると、私に構えて
「お前達の歯と魔石と心臓をおくれ」
両手の
私の要求に、二匹とも
「グオオオオオオォッ!!」
「ガアアアアアァァッ!!」
私は【
「わ、私の足がっ!! 手がっ!」
「く、くるなっ!」
「断るよ」
私は右手を上げて――。
「くるなぁぁ、バケモノぉっ!!」
解体作業に入ったのだった。
――以降、放送禁止
……
…………
………………
結局、ゴブラを解体した後、ゴブズも無事解体した。ゴブズは、必死で
素材も手に入り、私個人としては、ホクホク気味なわけだが、問題がないわけではない。
「お願い、許してぇ……」
両手を組み祈り、震えながら、
「僕ならどんなことでもいたしますから、命だけは! どうか! どうか!」
「
「あのな。私は君らを助けに――」
「「「お
まったく人の話を聞いちゃいないな。
私は無差別殺人主義者ではない。知性がある人とその
ただ、快楽に
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