第2話 修行
金髪の少女の後を付いていくこと、一五分、四、五メートルはある高い木製の
少女は、真っ直ぐ中央の大通りを直進し、
屋敷の玄関に入ると、金髪のおかっぱの少年が階段から降りてくる。
金髪の少女は、まるで私を
「アクア、
「勝手にどうぞ。行きましょう、グレイ」
私の右手を引きながら二階へと歩いていく金髪の少女アクア。
数人の使用人達の私を見る視線はどこかよそよそしい。そして、それは、常に村民達にもあったもの。
それから、数日間、情報を収集した結果、私の置かれている状況がようやく
この身体の持ち主の名前は、グレイ・ミラード。アーカイブ帝国の
さらに、領地の約八割が、『
ともあれ、私は、ミラード準男爵家の三男であり、愛人の子。一応母は貴族の出らしいので、
この身体の持ち主グレイはどうやら、生まれつき魔力を有せず生まれてきたらしい。魔道帝国アーカイブとも称されるほど、帝国は
要するに、私は母親の実家からこのミラード準男爵家に押し付けられたらしく、他の兄や姉からは、
そんなこんなで、私は一三歳になったとき、この領地から出ていくことが、ほぼ決定している。むろん、私も生まれつきの性質を理由に
ちなみに、円環領域は自己の解析も可能であることが判明している。
――――――――――――――――
〇グレイ・ミラード
ステータス
・HP:G-(0/100%)
・MP:G-(0/100%)
・筋力:G-(0/100%)
・耐久力:G-(0/100%)
・魔力:G-(0/100%)
・魔力耐久力:G-(0/100%)
・俊敏力:G-(0/100%)
・運:G-(0/100%)
・ドロップ:G-(0/100%)
・知力:ΛΦΨ
・成長率:ΛΦΨ
〇ギフト:
・魔法の設計図
・円環領域
・万能アイテムボックス
・万能転移
〇種族:――――――
〇称号:ブレインモンスター
――――――――――――――――
また、種族名が文字化けしており、
次は、魔法の設計図を検証していきたい。
脇に、【 】という空欄がある。もしかして、これって検索エンジンだろうか。
試しに、【 】の中に、火と打つと、
――――――――――――――――
★魔法
〇火炎系
◇下位
・【
・【
・【
◇中位
・【
………………
………………
………………
――――――――――――――――
下位や中位とか言われてもね。おそらく、魔法とやらの強度の指標なのだろうが……。
円環領域で調べられないだろうか。
――――――――――――――――
★魔法ランク:魔法の強度の絶対指標。
――――――――――――――――
既に分類されているのは、魔法という
次が魔法ランクに
――――――――――――――――
★各魔法ランク限界創造可能総数:各魔法ランクの魔導書の限界創造冊数
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
――――――――――――――――
要するに、各魔法ランクにつき
では、実際に魔法とやらを創ってみようと思う。
【
金属の箱の
――――――――――――――――
★【
〇設計素材:G-ランクの魔石二〇個、火石1個
――――――――――――――――
要するに材料をこの中に入れろということだろう。
魔石と火石の
「魔石は
セバスチャンは、私の質問はよほど奇異だったのか、当初、無言で目を
「これって、どこにあるのだろうか? 手に入れるのは、
「いえ、もしよろしければ差し上げます。どうぞ」
「感謝する……ありがとう」
いつもの
あとは、魔石とやらだ。これは魔物を倒さないと得られない。ならば、行動あるのみ。
現在、森の中に来ている。森とはもちろん、『
この森は、ミラード準男爵家領の最重要都市ミラージュの南部一体に広がっている。もうわかるだろう。私が目覚めたあの崖の下がそれだ。
実際に人が住むミラード領は、
このうち、領内の最大都市ミラージュは、領の南東にあり、領内で最も交通の便が良い村となっている。
したがって、『
この点、私は別に崖を越えなくても、万能転移があるから不自由なくこの森に来れる。修行し放題という
最も近いスライムに接近し、屋敷から
木の
突如、液体になり、地面に浸み込み、黒色の石が落下する。
不要に触れて、爆発したりしたらぞっとしない。だから、まず円環領域により
――――――――――――――――
〇スライムの魔石: スライムの
〇属性:無
〇ランク:G-
――――――――――――――――
魔石――魂の欠片。もはやファンタジー一色だな……まあいいさ、郷に入れば郷に従えだ。この調子で、魔石を二〇個集めて、さっさと、【
今の私でもスライムならば容易に
それから、晩までスライム狩りに勤しんだ結果、三〇個の魔石を取得することができた。
物置のような
中に、スライムの魔石二〇個と火石を入れると銀色の箱は変形し、一冊の本となる。本の表紙には『【
本を手に取ると、本が発光し、熱いものが私の身体に流れ込んでくる。
――――――――――――――――
〇術名:【
〇説明:炎の球体を飛ばす。
〇呪文:赤き炎よ、我が手に集いて力となさん。
〇ランク:下位
〇マスターまでの熟練度:0/100%
――――――――――――――――
と記載されていた。おそらく、使用に比例し、
次の日の早朝、はやる気持ちを抑え、『
右手の
「赤き炎よ、我が手に集いて力となさん」
私の
ジュッ!
スライムの全身は一瞬で
これで飛び道具を得た。後は、ひたすら修行あるのみだ。
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