☆5R》秘密をあかす〔前編〕

 テリオスの反応をみて、オパールの事について何か知っていると、タツキは確信した。


「テリオス。その様子だと、オパールに誰も近づけたくない理由があるようだな」


「うむ。……200年前に召喚された者なら、あの場所を知っていて当然だろう。だが……」


 テリオスは腕をくみ考えはじめた。


「おい!そんなに悩むほど重要な何かが、あそこにはあるのか?」


「ああ、ある。それゆえに、人選を誤るわけにはいかぬのだ」


 テリオスはそう言い、オパールがある方角に目を向けた。


「人選をって。それはどういう事だ?」


「……タツキ。お前が本来の名前を隠すには、何か理由があるのだろう。そして、オパールに行かなければならない理由もな」


 テリオスにそう言われタツキは頷いた。


「まぁ、そういう事だ」


 それを聞きテリオスは、何かを納得したように頷き、タツキをみた。


「そうか。……その言葉に嘘はないようだな。それにお前は強い。それならば大丈夫だろう。あの城に入っても」


「テリオス。いったいオパールに何がある!いや、100年前に何がおきた?」


「……そうだな。話さねばなるまい。今のあの城には……」


 そう言いテリオスはタツキに、100年前オパールで起きた事と、今あそこには何があるのかを説明した。


 それを聞きタツキは、けわしい表情になり、思考をめぐらせはじめた。


(おいおい!それが本当ならあそこは……。グロウディスから聞いた100年前の話とはちがいすぎる。それに、いったいこれは、どうなってるんだ?)

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