☆4R》タツキと知りたがりの王子
テリオスはタツキが異世界の者だと気づき問いかけた。
かたやタツキは、テリオスに悟られ、どうしたらいいのかと思考をめぐらせていた。
(……どうごまかしたらいい?いやそれは無理だろう。じゃあどうする?素直に話すか。でもどう説明する?)
テリオスは、タツキがなぜそんなに悩んでいるのか、不思議に思った。
「なぜ悩む?だがまぁいい。おそらく、あの秘境の祭壇のことを知っている者が、お前を召喚したのだろう。違うか?」
「……ああ、その通りだ。だが、秘境の祭壇を知ってるってことは、やっぱりお前は……」
「なるほど。俺が何者か、気づいていたってことか」
テリオスはそう言いタツキをマジマジとみた。
「でも、何でこんな所にいる。お前は、ゲルドフの子孫なんだよな?」
そうテリオスは、ゲルドフ・ブラックの子孫であり、ブラックレギオン国の王子だ。
「……これ以上、深く追及するつもりはなかったが。異世界の者のお前が、その名前をなぜ知っている?」
「……」
テリオスにそう言われタツキは、自分の口の軽さに呆れてしまい、なにも言えなくなった。
「うむ。まぁいいだろう。だがそうなると、祖先であるゲルドフを知っているということは、お前は以前この世界にきた者の1人だな!」
「そうなる。だがすまない。今はそのことについて詳しく話せねぇ。ただ言えることは……そうだなぁ。この話をする前に確認したいことがある」
「確認?」
テリオスが聞きかえすとタツキは、秘境の祭壇がある方角をみた後、シェルズ城の方を向いた。
「秘境の祭壇を知ってたってことは、もちろんシェルズ城も知っているよな?」
「それは結界の城のことか?」
そう言いテリオスは
「なるほど、結界の城か。俺を召喚したアイツも、同じようなことを言っていたな」
「お前を召喚した者とは?」
そうテリオスに聞かれタツキは少し考えた。
「今は名前を明かせねぇ。だが今いえることは、あの城の者に、そいつの許婚と義理の妹が拉致されたかもしれない」
「それでお前が召喚されたってわけか」
「ああ、そうなる」
そう言うとタツキは、テリオスを真剣な面持ちでみた。
「なるほど。それで、あの城に向かう為この辺をうろついてたってことか?」
「いやそれは違う。俺は、北側の辺境の地にある、オパールを目指している」
「……オパールか。なぜそこに行く必要がある?」
テリオスはオパールと聞き、なぜか顔色をかえタツキに質問した。
「俺は、オパールにいき確認したいことがある。てか、やっぱりあそこには、なにか秘密があるようだな!」
「クッ、それは……」
そうタツキに言われテリオスは言葉に詰まった。
(テリオスのこの反応をみる限り。オパールのことについて、間違いなくなにか知っている。そうなると……)
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