☆3R》タツキの素性と強さ

 タツキは本当の名を明かすわけにもいかず、どう説明した方がベストなのか、頭を抱え悩んでいた。だが、その答えを見つけだす事は出来なかった。


 かたやテリオスは、タツキが悩んでいる事に対し、疑問をいだいていた。


(ふむ。なぜ悩む必要がある?本当の名前を明かせばすむ事。

 ん?そういえば、この男が身に付けている物は、上位クラスの装備!だがどう見ても貴族とは思えん。

 ましてや城の役職に就いているようにも見えぬ。そうなると、やはりこの者の素性が気になるな)


 テリオスはタツキの事が気になり、更に質問を投げかけた。


「なぜ悩む?理解できん。それと、身なりやさっきの反応からして、お前はただ者ではない。違うか?」


「そ、それは……」


「どうあっても言わぬようだな。それなら致し方ない!」


 テリオスは、タツキがあまりにも口を開こうとしなかったため痺れを切らし、杖を持ち身構えると睨みつけた。


「おい!ちょっと待て!?俺は戦うつもりはねぇ」


「ほう。だが俺にはある。お前の事が知りたいのでな!」


 テリオスは杖を地面にかざし、召喚の呪文を唱えようとした。


(クッ、まさかこんな所で戦うはめになるとはな。だができる事なら……)


 それをみたタツキは、瞬時にメニュー画面をひらき、アイテムボックスから、小型のナイフを2本とり出した。


 そしてタツキは、すかさずその小型のナイフを交互に、テリオスの杖めがけ投げつけた。


 テリオスは咄嗟に杖で小型のナイフを弾いた。だがタツキはすでに懐に入り、テリオスの喉元に剣を突きたてていた。


 テリオスは動けなくなり、その場に杖を落とした。


「悪いテリオス。お前じゃ俺を倒す事はできない!」


 そう言うとタツキは、剣を鞘におさめテリオスを解放した。


 テリオスは、はじめて恐怖を味わい、一瞬かたまってしまったが、タツキの一言で我にかえった。


「タツキと言ったな。その強さ尋常ではない。それに今ので確信した!お前この世界の者ではないな」


 そう言いテリオスは、タツキをしみじみと観察し始めた。


 そしてタツキはテリオスに見破られ、どうしたらいいか困惑していた。

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