第4問 音楽②・前編

章灯「さぁ、それでは最終問題の4問目! 再び音楽の問題です」

宇部「はいはいはーい(ズイッ」

章灯「うわっ、どうしました宇部さん!?」

宇部「この問題は私が仕切ります、山海君、君も今回解答者側だから」

章灯「はい?!」

宇部「というわけでテーマは音楽! 皆さんには、一流のプロギタリストの演奏と、その人のコピーギタリストの演奏を聴き当てていただきます!」

章灯「えっ?! 次は弦楽四重奏のはずじゃ……」

宇部「ふっふっふ……作者を舐めるなよ若造」

章灯「いや、年齢なら俺の方が上のはず(1980年生まれの設定)……」

宇部「だまらっしゃい!」



白「おい、何か揉めだしたぞ。大丈夫なのか」

太「止めに行った方が良いんだろうか」

飛「まぁまぁタロちゃん。ここは黙ってた方が良いよ」

太「でも……」

青「そうさね。あの作者のことだ。どんなとばっちりを食うかわかったもんじゃァないからねェ」



宇部「さぁ、そんなわけで代表者を発表します。『桃嫌いの桃太郎チーム』から飛助さん、青衣さん。『公家顔君と木綿ちゃんチーム』からは柘植ちゃん、富田林ちゃん。『スミスミシン・大食い魔女合同チーム』からはオリヴィエちゃん、サルメロちゃん。『そこそこカフェ』チームからマスターさん、ヨリ子さん。『あけぼの文具堂チーム』から伏見さん、片岡さん、お願いしまーす。あ、あと山海君もいってらっしゃーい」

章灯「うう……嫌な予感しかしない……」



太「飛助、青衣、今回も見たことのない楽器だが、頑張ってくれ」

白「なんつぅかさ、ことごとくおれらに不利じゃねぇ?」

飛「それはね、おいらもずっと思ってた」

青「なぁんかわっちらだけ着ている服も違うしねぇ」


ト「足引っ張んじゃないわよ、柘植!」

柘「お前こそ」

蓼「トンちゃん、柘植君、頑張ってね~」

小「おい柘植、千秋の言うことあんまり信用しねぇ方が良いぞ」

ト「んまァっ! 何ですって!」

柘「心配すんな小暮。端からそのつもりだから」

蓼「な、仲良く! 二人共仲良くだよぉっ!?」


矢「オリヴィエちゃん、サル君、頑張ってね」

然「大丈夫? そっちの世界ってエレキギターとかあるの?」

オ「もちろんないわ!」

サ「見たことも聴いたこともないな」

矢「ちょっと作者?! 桃太郎さんのチームだけじゃなくてこっちもなかなか厳しいんですけど?!」

然「異世界ファンタジー枠の人達にエレキギターはわからないですよ!」


ヨ「マスター、エレキの方はどうなんですか?」

マ「どうって?」

ヨ「多少かじってたりとかしないんですか?」

マ「はっはっは、かじってるわけないじゃないか」

ヨ「てことは今回、ちょっとヤバいかもですね」

マ「かもねぇ」

湯「大丈夫大丈夫! もう一流じゃないんだしさ」

木「そうそう、どうせなら落ちるところまで落ちちゃう? あっはっは」


伏「頑張ろうか、片岡君」

片「お供させていただきます」

伏「はっはっは、そんなに緊張するなよ藍」

片「!! ここで名前呼びは反則ですよ潤さん……」

大「おい、カメラの前でいちゃつくんじゃねぇ!」

光「良いなぁ藍ちゃん達。あーあ、僕もあっちのスタジオで瀬川さんとイチャイチャしたいよぉ」



宇部「さぁというわけで、世界観的に不利なチームがおりますが、そんなのはまるっと無視して参ります! ここでスペシャルゲスト! 宇部作品のギタリストといえばこの人!『果樹園の指と釣具店の声』より、ロックユニットORANGE ROD のAKIこと、飯田あきら君です! いぇーい、パフパフー!」

晶「……」

白「おい、何もしゃべらねぇぞ、大丈夫かそいつ」

太「白狼丸、よさないか。その人ももしかしたら茜みたいな事情があるかもしれないだろ」

白「お、そうだな。見た目女だけど中身が男とかそういう……いや、この場合は逆か。どう見ても男だけど、ほんとは女とかそういうことか?」

宇部「ピピ――! そこ、私語厳禁! ペナルティ1!」

白「ぺな……何て?」

宇部「あーもー! この世界めんどくせぇ! カタカナ英語使わせろや!」


みぎわ「少々ご立腹モードの作者に変わりまして、ここからは私、人気女子アナランキング殿堂入りの汀明花さやかが務めさせていただきます。今回皆さんに聴き分けていただきますのは、トップギタリストAKIさんの演奏と、模倣コピーにかけては右に出るものなしでお馴染み、MoG(『果樹園〜』の番外編に出てきます)のリンコー君の演奏です」



〜格付けスタート! A・Bの演奏を聴き終えて〜


 それでは一斉に札(AかBか)を上げてください!


 ※『 』はスタジオの声です。各代表者には聞こえていません。またA・B各部屋はモニターでお互いの部屋の様子を見ることが出来ますが、音声は繋がっていないものとします。


・桃嫌いの桃太郎チーム


飛「うう、何か耳が痛い……」

青「耳が良すぎるってェのも困りもんだねェ。大丈夫かい、お猿」

飛「あんな音の良し悪しなんてわかるわけないじゃん~」

青「とはいえ、やるしかないんだよゥ。ほら、また犬っころにどやされちまうよゥ?」

飛「ううう……。とりあえずせーので上げようか、姐御」

青「はいよ。せぇの」

飛「B」

青「B。……何だ、揃ったじゃァないか」

飛「揃ったけどさぁ、今回おいらも自信ないよ。あんなの聴いたことないもん」

青「そんなら、あの二人だってそうだろ。だから外れてたってだァれもわっちらを責めたりしないさ」

飛「だと良いけどさぁ」



~Bの部屋~


飛「まぁ当たり前だけど誰もいないね」

青「そりゃそうだろ。さて、と。ほら、おいでお猿」

飛「えぇ? 何?」

青「さっき膝枕してほしいって言ってたろ。青衣姐さんがしてやるっつってんだよ。ありがたく思いな」

飛「わぁい! それじゃあお言葉に甘えてお邪魔しまーす! まぁ、思った通りの硬さではあるけど……」

青「我慢おしよ」


白『あいつら何やってんだ……』

太『本当に二人は仲が良いなぁ』

白『えー、お前あれ見てそれだけの感想なのかよ』

太『えっ? それ以外に何があるんだ?』



・公家顔君と木綿ちゃんチーム


ト「トップギタリストがまさかAKI様だとは思わなかったわねぇ。あたし大ファンなのよ」

柘「……俺も」

ト「えぇー! 意外! アンタも好きなの、柘植?! アンタのことだからてっきり雅楽とかそういうのしか聴かないとばかり」

柘「雅楽聴く高校生の方が稀だろ! ていうか何で雅楽なんだ!」

ト「え? 公家顔だから」

柘「だと思ったよ!」

ト「さ、馬鹿な事言ってる場合じゃないわね。それじゃ札上げるわよ。せーの」

柘「お、おいっ!」

ト「B!」

柘「B!」

ト「……あら、揃ったわね」

柘「そうだな」

ト「こうなりゃ一蓮托生よねぇ。間違っても文句ないわね」

柘「こっちの台詞だ」



~Bの部屋~


ト「お邪魔しまーす……アラッ! お姉さまいるじゃない!」

柘「本当だ。いや、富田林、邪魔しちゃ悪いって」

青「なァに遠慮するこたァないさ。お入り」

飛「そうそう。美味しいお団子もあるよ。おいでよ」

青「飛助、寝ながら食うのはおよし」

飛「だってさぁ、思いのほか姐御の膝枕がちょうど良いんだもん~」

柘「何か俺達とんでもないものを見せられてるような……」

ト「何よ柘植、羨ましいの? アンタがどうしてもって言うんなら、してあげても――」

柘「いらん!」



・スミスミシン・大食い魔女合同チーム


オ「すごかったわねぇ。ほら、あれみたい!」

サ「カンナ集落の雷祭りか?」

オ「そうそう、雷猿美味しかったわねぇ。思い出すわぁ」

サ「それはいま思い出さなくて良いから。ほら、とっとと札上げるぞ」

オ「わかったわよぅ。せーの」

オ「A!」

サ「B!」

オ「……あら?」

サ「割れたな。どうする」

オ「そうねぇ。さっきサルは音楽の問題で外してるものね?」

サ「うっ、それを言われると……」

オ「じゃ、Aってことで良いわね?」

サ「そうだな。Aにしとくか」



~Aの部屋~


オ「お邪魔しまーすっ! あれっ?! 嘘ぉ?!」

サ「誰もいない……」

オ「えっ、私達もしかしてこれまずい?」

サ「い、いや。人数が多けりゃ良いってもんじゃないからな。俺らだけ正解、ってこともある。きっとある、うん」

オ「そうよね。そういうこともあるわよね! ね!」



 さぁ、そういうことがあるのか否か?!

 そして、山海アナの運命や如何に?!


 後編へ続く!

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