第3問 盆栽・前編

???「さぁ、2問終了した時点で早くも二流キャラが出てきてしまいました! 一流はなんと一組だけ! そこそこカフェチーム様、名前はそこそこですけど、一流でございます!」


マ「いやー、良かったねぇヨリちゃん。でもこれでお客さん増えたらどうしようね」

ヨ「あんまり忙しくても困りますもんねぇ」

宇部「何この店」


???「さて、第3問です。ここからは、『そういや宇部作品にアナウンサーいたじゃん!』ということで急遽お声がかかりました、わたくし、『果樹園の指と釣具店の声』より、日の出テレビアナウンサー山海やまみ章灯しょうとが作者の宇部に代わりまして進行役を務めさせていただきます!」

宇部「なっ、何だと!」

章灯「というわけですので、宇部さんはここからはただの賑やかし要員です」

宇部「そんな! 解答者側にも回れないの!?」

章灯「作者ですから駄目です。というわけで、3問目は『盆栽』です。一つは、一億円の盆栽『雷神』と、そしてもう一つはお菓子で作られた盆栽です」



太「菓子で作った盆栽かぁ。石蕗屋ウチの店でも売れるかなぁ」

飛「いやぁ、さすがにどうだろ。作るのに時間がかかりすぎちゃうんじゃない?」

白「ていうか、さすがにおれらを馬鹿にしすぎだろ。本物の盆栽と菓子ってなぁ」

青「そりゃァそうだ。そォんなの、間違える方がどうかしてらァね」


蓼「お菓子で作った盆栽だって! えー、どんな味なんだろうね。やっぱり葉っぱは抹茶味とかなのかな? 早く食べたーい」

小「葉っぱが抹茶だとすると……幹はチョコの可能性あるな」

ト「ちょっと待って、大丈夫かしらこの子達」

柘「蓼沼さん、これはお菓子だけど、食べるわけじゃないからね?」

小「マジかよ! 食べて判断するんじゃねぇの?」

ト「馬鹿ね小暮。そんなの食べたら一発でわかるでしょ。片方はお菓子でももう片方は木なのよ?」


然「お菓子で盆栽作るとかすごいね、マリーさん」

矢「まさか食べたーい、なんて言わないわよね?」

然「いっ、言わないよ! 大丈夫!(ちょっと思ったけど)」

オ「これはサービス問題なんじゃないかしら、ねぇサル?!」

サ「そう……かな? まぁ、そう……なのかな?」

オ「ちょっと、自信持ちなさいよ! あなた樹人みきじんでしょ!」

矢「今帰仁なきじん? サルメロ君沖縄の人なの?」

然「マリーさん、今帰仁じゃないよ、ミキジン。……ミキジンって何?」

オ「樹人っていうのはね、この世のすべての植物を知り尽くしている種族よ」

矢「何それすっごーい!」

サ「いや、大地に根を張ってるやつだけな」

然「だとしてもすごいよ! よーし、これはもらったね!」


マ「盆栽、盆栽かぁ……。よく古じいがいじってたっけ。何か名人とかっていう人が遊びに来てたんだよなぁ……ブツブツ」

ヨ「(だと思ったわ、さすがはガチセレブ)」

湯「木更津さん、盆栽とかどうなの? 結構植物とか詳しくなかった?」

木「うーん、めちゃくちゃ詳しいってわけでもないかな? ちょっと前までカビについては小説一本書けるくらい勉強したけど」


伏「盆栽かぁ……」

片「主任、どうですか?」

伏「いや、全然駄目だ。私はどちらかというと植物を枯らすタイプの人間だからな」

大「はーっはっはっは! 勝った!」

光「大槻主任、うるさいです」

伏「いきなりどうしたんだ大槻君」

大「俺は最近植物と相性が良い!」

片「相性が良いって……」

伏「彼女、花屋さんだもんねぇ。順調そうで何よりだよ」

光「でも、だとしたら、万が一間違ったりすると……?」

大「うぐっ」



章灯「さて、今回の解答者は、『桃嫌いの桃太郎チーム』太郎さん、白狼丸さん。『公家顔君と木綿ちゃんチーム』蓼沼さん小暮さん。『スミスミシン・大食い魔女合同チーム』矢作ちゃん、然太郎ちゃん。『そこそこカフェチーム』湯部様、木更津様。『あけぼの文具堂チーム』、大槻さん、小橋さんです。では移動してください!」



白「よっしゃ、任せろ太郎!」

太「頼りにしてるよ、白狼丸」

飛「そんなぁぁぁ、タロちゃぁぁぁん」

青「まぁまぁお猿。次があるよゥ」

飛「次は姐御とじゃんかぁぁぁ」

青「ほらほら、膝枕してやるから、泣くのはおよしよ」

飛「わぁい!」

章灯「えーと、すみません、カメラ回ってまーす」


蓼「トンちゃん、柘植君、頑張ってくるねー」

小「汚名挽回してくるぜー!」

柘「待て小暮! 汚名じゃなくて名誉を挽回してくれ!」

ト「いやぁぁ! あたし達まで馬鹿だと思われちゃうじゃない!」


矢「ええぇ、私達かぁ……」

然「サルメロ君だったら良かったんだけど……。でも頑張ろう、マリーさん!」

オ「大丈夫大丈夫! 間違ったって死ぬわけじゃないんだから!」

サ「そうそう、……ってこれ間違い続けると『書く価値なし』ってやつになるんじゃなかったか? 俺らにとってはある意味死刑宣告なんじゃ……?」

矢「……」

然「……」

オ「……」

サ「わ、悪い。いまのは失言だったな」


伏「頼んだよ、大槻君」

光「夏果さんに恰好良いところ見せてやりましょうね!」

大「おっ、おう!」

片「大槻主任、膝が震えてますが大丈夫ですか?」

大「バッキャロー片岡! こ、これはな、武者震いってやつよ!」

片「な、なら良いんですけど(良いのかな)……?」




〜格付けスタート! A・Bの盆栽を見比べて〜


 それでは一斉に札(AかBか)を上げてください!


 ※『 』はスタジオの声です。各代表者には聞こえていません。またA・B各部屋はモニターでお互いの部屋の様子を見ることが出来ますが、音声は繋がっていないものとします。



・桃嫌いの桃太郎チーム


太「それじゃあ同時に札をあげようか」

白「おう。せーの」

太「A」

白「A」

太「良かった、同じだ」

白「何だよ太郎、自信ねぇのか」

太「うん。今回はもう本当に何もわからなくて。だから、純粋に好みの方を選んでしまった」

白「成る程なぁ」

太「白狼丸は?」

白「あんなもん匂いでわかんだろ」

太「わかる……もんなのか?」


飛『いや、わかるわけないから! 普通わかんないから! 何なんだよ白ちゃんの鼻!』

青『ちょっとあの二人、距離が近過ぎないかえ? んまァっ、駄犬の野郎、坊の腰に手まで回して! 厭らしいっ!』

章灯『お二人とも、格付け以外のところで大盛り上がりですね』

宇部『これが深夜枠だったらもっと面白いことになるんだけどねぇ』

章灯『宇部さん! ここはカクヨム健全なサイトですよ?』



〜Aの部屋〜


太「当たってると良いなぁ」

白「心配いらねぇって。おれの鼻を信じて大船に乗ったつもりでいろ」

太「そうだな。白狼丸の船なら安心だ」

白「だろ?」


飛『あぁもうほら! イチャつき出した! 近い近い近い!』

青『駄犬め……。いまのうちにあいつの席にまきびしでも仕込んでおこうかね』

飛『それ良いね! 撒こう撒こう!』

章灯『駄目です』

宇部『大丈夫だよ、ちゃんと残酷描写ありにしてるから』

章灯『そういう問題じゃない! 作者!』



・公家顔君と木綿ちゃんチーム


蓼「ええええ、あんなのわかるわけないよぉ。トンちゃぁぁん!」

小「泣くなよ蓼沼。だーいじょうぶだって! 確率は1/2だ!」


ト『あーん、可愛いわねぇ、木綿ちゃんったら! やっぱり頼りになるのは親友あたしよねぇ! ほーっほっほっほ!』

柘『ぐうぅ……、蓼沼さん……』


蓼「うぅ、ぐすっ。そうだね、1/2だよねぇ」

小「おうよ! そんじゃ同時にせーのっ」

蓼「A!」

小「B!」


章灯『おっと割れましたねぇ』

柘『これ正解がどっちかわからないからどっちを応援したものか……』

ト『あーら? あたし個人としてはもちろん木綿ちゃんを応援するけど? 何? アンタは可愛い彼女のことを無条件に応援出来ないわけぇ?』

柘『そんなわけ……!』

宇部『やれやれー! 揉めろ揉めろー!』

章灯『宇部さん!』


小「割れちまったなぁ。えー、蓼沼どうする? 何でAにしたんだ?」

蓼「もう全然わかんないから勘! 小暮君は?」

小「何かさー、Bの方が作るの難しそうじゃん? 枝とかうねうねしてるし」

蓼「確かに……」

小「だからさ、引っ掛けかなーって思ったわけ。作るのが難しいから菓子なわけがない! ……と見せかけて実はBが菓子でした! みたいな!」

蓼「すごい! 何かすごいね、小暮君! 探偵みたい!」

小「へっへー、だっろぉ?」


柘『騙されるな蓼沼さん! もういまので確信持った! アイツが自信満々で語る時は大抵駄目だ!』

ト『さすがは親友、わかってるじゃない』

柘『長い付き合いだからな』

ト『あたしも木綿ちゃんとは長い付き合いだからわかるのよ。こういう時あの子はね――』


蓼「じゃあ私もBにするよ!」

小「おう!」


ト『100%譲るのよ!』

柘『蓼沼さぁ――――――んっ!!』

宇部『あっはっは! さすが親友!』

章灯『美しい友情ですね! 高校生らしい爽やかな展開でした!』



〜Bの部屋〜


蓼「失礼しまー……あれっ?! 桃太郎さん達いないよ!?」

小「うっそマジかよ! あのワイルドイケメンとお近づきになりたかったのに!」

蓼「えー、小暮君、白狼丸さんみたいな人が好きなの?」

小「やーっぱ男はさー、ワイルドな方が良いじゃん?」


章灯『おーっと、修学旅行の夜みたいな会話が始まりましたねぇ』

宇部『学生の修学旅行の夜は恋バナって決まってるからねぇ、うんうん』

ト『何、小暮ってああいうのが良いわけ? なぁんか意外……でもないわね、うん』

柘『あいつ昔からそうなんだよなぁ』

ト『そりゃあアンタなんか眼中にないわけだわね』

柘『だから何度も言っただろ』



 さぁ、二流になってしまったスミスミシン・大食い魔女チームはここで踏みとどまれるのか?! そして、一流のそこそこカフェチームは一流のままでいられるのか?!


 そして花屋の彼女を持つ大槻隆の運命は?!


 後編へ続く!

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