第2問 音楽・前編

「さぁ、第2問目は音楽です! 皆さんには、プロの吹奏楽団の演奏と、全国大会常連校の高校生の演奏を聞き比べていただきます!」



太「次は音楽か。しかし、どれもこれも見たことがない楽器ばかりだなぁ」

白「たぶん次はお前が答える感じだぞ、太郎。大丈夫か?」

太「まったく自信がないよ」

飛「てことは、相方は姐御かぁ……。姐御はどうなの、その辺?」

青「舞なら多少は齧ったけど、音楽の方はねェ……」



ト「あらやだ、プロの楽団?! そんなのが生で聴けるなんて素敵じゃない!」

小「素敵なのは良いけど、お前音楽の良し悪しなんかわかんのかよ」

ト「わかるに決まってんでしょ! アンタは黙ってあたしについてくりゃ良いのよ!」

小「へいへい」

蓼「うわぁ、トンちゃんカッコいい! 王子様みたーい!」

柘「えっ、蓼沼さん……?」



然「順番的に次は僕とサルメロ君だよね。マリーさん、僕頑張るからね!」

矢「おっ、すごいやる気じゃん。然太郎、音楽詳しいの?」

然「ううん? 全然」

矢「ちなみに学生時代の音楽の成績は?」

然「一番良くて4」

矢「オッケー……」

オ「サル、頑張るのよ! あなたほら、たまに鼻歌とか歌ってるし」

サ「鼻歌にそんな期待しないでくれ」



マ「ヨリちゃん、音楽って得意だった?」

ヨ「うーん、いずくんのCDなら毎日聞いてますけど」

マ「それクラシックでは……ないよね?」

ヨ「ないですね」

湯「大丈夫よ! こっちには木更津さんがついてる!」

木「ほーっほっほっほ! このクラシックおばさんこと木更津さんにお任せあれ!」



伏「片岡君、君、音楽の方は……?」

光「伏見主任、大丈夫ですよ。藍ちゃん、歌すっごく上手いんですから!」

片「ちょ、光ちゃん?」

大「何だ片岡、歌えるのか。それじゃ今度の社内カラオケ大会、営業部からはお前が出ろ」

片「絶対そうなると思ってたから黙ってたのに……。それに上手くはないですから……」

伏「まぁまぁ謙遜するなよ片岡君」



「では、もう予想されてるかとは思いますが、『桃嫌いの桃太郎チーム』太郎さん、青衣さん。『公家顔君と木綿ちゃんチーム』富田林様、小暮様。『スミスミシン・大食い魔女チーム』然太郎さん、サルメロさん。『そこそこカフェチーム』ヨリ子様、木更津様。『あけぼの文具堂チーム』片岡さん、小橋さん、こちらへどうぞー」



〜格付けスタート! A・Bの演奏を聞き終えて〜


 それでは一斉に札(AかBか)を上げてください!


 ※『 』はスタジオの声です。各代表者には聞こえていません。またA・B各部屋はモニターでお互いの部屋の様子を見ることが出来ますが、音声は繋がっていないものとします。



・桃嫌いの桃太郎チーム


青「それじゃァ、坊。まずは同時に札をあげてみようかねェ」

太「わかった」


白『うおぉ、頑張れ太郎……』

飛『ねぇねぇ、おいらは絶対Bだと思うんだけどさぁ。白ちゃんは? ねぇねぇ』

白『ちょっともうお前一回黙れ。お前がBならおれはAだ』


青「せーのっ、B!」

太「B!」

青「おや、揃ったじゃァないか」

太「本当だ。どっちもとても素晴らしかったんだけど、Aの方は、何か応援したくなる感じがしたから」

青「応援したくなる感じ?」

太「これ、熟練の上手い方を選ぶんだろ? Aの方は、まだまだ伸びしろがある気がして。……選んでやれなくて済まない」

青「まったく、坊らしいねェ」


宇部『何あのピュアネスボーイ……尊っ……』

白『おい、あの司会者大丈夫か。膝をついて拝みだしたぞ』

飛『わーい、おいらもB! タロちゃんと一緒一緒ー!』



~Bの部屋~


太「あれ? 誰もいないな」

青「そりゃァわっちらが最初だったからねェ。さ、坊、おかけな。だァれもいないんだし、わっちが膝枕でもしてやろうかえ?」

太「ははは、遠慮しとくよ。俺の頭重いし、青衣の足が痺れたら大変だ」


白『おれらがいないと思って姐御の野郎……!』

飛『いや、タロちゃん。その断り方何……? 重くなかったら良いってこと……?』

宇部『ねぇ、あのピュアネスイケメンどこで売ってるか教えて?』



・公家顔君と木綿ちゃんチーム


ト「ちょっと高校生、思った以上にレベル高くない……?」

小「ウチの吹部と全然違ぇんだけど。おい、決まったか? 札上げるぞ? 良いな?」

ト「アンタが仕切ってんじゃないわよ! 行くわよ、せーのっ、A!」

小「A!」


蓼『あっ、揃った! 揃ったよ柘植君! やったね!』

柘『揃ったけど……、これ揃えるのが目的じゃないよ蓼沼さん』

蓼『そうだった……』

宇部『ちなみに君達はどっちだと思った? あっちのチームは、犬君がAで、猿君がBだって』

柘『俺はBかな、って』

蓼『私もBだと思った!』

宇部『ほうほう、それは何で?』

柘『何でって言われると……迫力っていうか、メリハリ? みたいな? こないだ吹奏楽団の映画見たし』

蓼『私は勘です!』



~Aの部屋~


ト「あら? 桃太郎チームさん達いないわよ!?」

小「げぇっ、ほんとだ!」

ト「一緒のお部屋だったら色々お話してみたかったのに~」

小「何だよ、やっぱお前もああいうイケメンが良いわけ?」

ト「違うわよ、お姉さまの方!」

小「ああ、そっちかよ……」



「さて、格付けの途中ですが、ここでスタジオの皆さんと読者の皆さんだけにこっそり正解を教えます!」


 正解は〜?


 Bです!

 

飛『いえー! おいら合ってた〜! おいら耳は良いもんねぇ〜』

白『くっそぉ……!』


蓼『えぇっ!? じゃあトンちゃんと小暮君、不正解ってこと!?』

柘『そういうこと……だね』

蓼『あっ、でも私達は合ってたよね? じゃあ大丈夫?』

柘『そうだね。でも俺らが合ってても駄目なんだよ。大丈夫じゃないよ』

蓼『そうなのぉ……?』



・スミスミシン・大食い魔女合同チーム


然「サルメロ君、間違ってても恨みっこなしでね」

サ「それはもちろん。ていうか既にウチの大食い魔女がやらかしてるしな」

然「それじゃあ同時に!」

サ「おう!」


矢『頼むわよ、然太郎……、Bよ、B! 私は正直Aかなって思ったけど、Bよ!』

オ『大丈夫よマリーちゃん! 私のサルを信じて!』


然「せーの、B!」

サ「せーの、A!」


宇部『割れたァ――! よっしゃ然太郎、折れろ折れろ!』

矢『然太郎――! 負けるな――!』

オ『サル――! 然太郎君に譲って――!!』


然「割れちゃったね」

サ「どうする?」

然「サルメロ君、自信ある?」

サ「なくは……ないけど」

然「それじゃあ僕もAにするよ。僕、全然わからなくて、何となくで選んじゃったから」


矢『いやぁぁぁ! その何となくを信じてぇぇぇぇ!』

オ『サル――! サルメロ――!! あなたの鼻歌、時々音外れてたから――!』


然「Aで」

サ「Aで」


宇部『お二人の声、届きませんでしたねぇ……(ニヤニヤ』

矢『ううう、さらにランクダウンするのね……』

オ『マリーちゃんごめん、ウチのサルが……』



~Aの部屋~


然「失礼します……。あっ、良かった、いた!」

サ「はぁ、良かった。人がいると安心するな、これ」

ト「いらっしゃーい」

小「おお、イケメン来た来た。やっぱAだよな? な!」

然「やっぱりAだよね? いや、僕は最初Bにしちゃったんだけど」

サ「いやでも、正直自信はないけどな」


宇部『小暮君のあの自信よ……くくく……』

柘『小暮、お前もうしゃべんな。恥の上塗りだから……』

蓼『あーん、トンちゃんが間違えるなんてー』

矢『もう私、色々あきらめて来た。もういっそ落ちるところまで落ちよ、オリヴィエちゃん』

オ『まだまだぁっ! あきらめちゃ駄目よ、マリーちゃん! まだ食の問題はあるはずだし!』

宇部『おい、そこの魔女っ娘、お前さっきそれで外してるからな』



 さぁ、そこそこカフェ(一流)とあけぼの文具堂(普通)の運命や如何に!?


 後編へ続く!

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