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「んちゅ、あむ……はぁっ、先輩……っ」

「ひぅっ……あ、だっ……めぇっ」

「おいしい……おいしいです、先輩。はぐっ」

「いっ!」

「あぁっ、すみません先輩。私としたことが、つい夢中になってしまって……。優しく、優しくしますから、だから、もうちょっとだけ……んむっ」

「んっ、んむ、ふぅっ、ぁふ……っ


 先輩の耳はすっかりベトべトになってしまった。

 耳たぶも、溝も、裏側まで、赤い耳がてらてらと光っている。


「先輩、ご存知ですか? 濡れた耳って、すごく敏感になるんですよ。例えば、吐息とかを……ふっ」

「ぁっ」

「不思議な感じがするでしょう? 私の声もいつもと違う感じに聞こえませんか? どうですか?」

「……な、なんか、体の中に直接響いてる感じがする……かも」

「ロマンチックな表現ですね。本当にそうだったらいいのに……。ねえ、先輩?」

「な、なに?」

「先輩、好きです」

「きゅ、急になによっ?」

「今だったら先輩にちゃんと私の気持ちが伝わるんじゃないかと思って……。直接触れ合ってる腕から、お腹から、敏感になった耳から……。好きです先輩」

「も、もうわかったから……っ!」

「大好きです。先輩のことが、本当に好きなんです。好き、大好き、先輩好きです。好き、好き、好き、大好き、先輩」

「~~っ!!」


 先輩が強くしがみついてくる。

 それに応えるために、私も先輩を強く抱きしめた。


「わ、私も、す、好きだよ……キリちゃん」

「先輩っ?」

「でも、えっちなことしようとしてくるところは嫌い。今でもまだ、キリちゃんが脅してきた時のこと覚えてるから。だから、まだキリちゃんのことが少しだけ怖い。でも、私のことを好きだって言ってくれるのはとっても嬉しいから……」

「先輩……っ!」

「私も、キリちゃんのこと好きだよ。でも、友達としてだからね! 私の嫌がることをしないキリちゃんが好きなんだからね! いい?」

「もちろんです、先輩!」

「じゃ、じゃあ、もういい? ちょっと、急に恥ずかしくなってきちゃったから……!」

「あっ、ちょ、ちょっと待ってください先輩。少し目を瞑ってくださいませんか?」

「えっ、な、何をする気?」

「違います、その……っ下着が」

「えっ?」

「その、この下着可愛いんですけど、私には向いてないみたいで……。えっと、染みが目立ちやすくて……っ」

「っ!?」

「はしたないところをお見せするのも忍びないので、その、少しだけ見ないでいただけると」

「あ、あぁ、う、うんっ」

「その代わりと言ってはなんですが、先輩」

「ん、んっ?」

「明日は期待していてくださいね?」

「え?」


 明日は休日。

 また私の家でふたりきりだ。

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