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「う、うぅ……」
首と首を触れ合わせるように、互いに強く引き合う。
やけくそになっているのか、先輩もかなり強く抱きしめてくれている。
「首、とっても熱いですね。先輩の体、とっても熱いです。太ももだってそう、私の体に触れてる先輩の体は全部熱いです」
「そ、そう……」
「……手、服の中に入れてもいいですか?」
「だ、だめ……っ」
「どうしてもだめですか? 私、腕も先輩に触れたいんです。背中に回すだけ、少しだけ服をめくって、直接先輩に触れたいだけ……だから」
先輩のスカートから少しずつブラウスを引っ張りだす。
先輩はだめとは言わなかった。
ただ、私の首に回している手がほんのちょっぴり強張った。
「失礼しますね?」
「ひゃっ」
「ごめんなさい。手冷たかったですか? 逆に先輩はとっても暖かいですね。赤ちゃんみたいにポカポカで、肌もすべすべで、気持ちいい」
「あ、あんまり撫で回さないで……」
「すみません、つい……。服、もう少しめくりますね」
先輩のブラウスを胸の少し下までめくりあげ、落ちないよう二人の体で挟んで固定する。
「ーーっ!?」
「これでお腹も……あぁ、もっと。先輩、もっと強くくっつきましょう。おへそが触れ合うくらい、もっと強く……」
「ん、っく……」
「先輩、気持ちいいですか? それとも、恥ずかしいですか? 気持ち悪かったりしないですか?」
「べ、別に……キリちゃんがしたいだけなんだから、私がどう思ってようと……」
「そんなのずるいですよ。先輩の気持ちを教えてください。私は気持ちいいです。とても、ずっとこうしていたいくらいに……先輩はどうですか?」
「……っぁ、っ……うぅ」
「先輩?」
「わ、わかんない……でも、嫌じゃない」
「嫌じゃないってことは、いいってことですか?」
「わ、わかんないって言ってるでしょ! こ、こんなこと、は、初めてだし……」
「じゃあ、気持ちいいって言ってみてください、先輩。私とこうするのは気持ちがいいって……私先輩にそう言っていただけたら、嬉しいです」
「い、嫌よ、そんなの……っ」
「どうしてですか?」
「だ、だって……」
「嘘は付きたくないですか? それとも……」
「……は、恥ずかしい」
「恥ずかしいのは、それが本当のことだからですよね? 先輩、そういうことなんですよね?」
「い、言わないで……っ!」
「先輩、耳が真っ赤です……どうしましょう。先輩の耳、おいしそうです」
「ぴゃっ!?」
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