第16話 お家

「ここだよ」

マカナさんの家は木でできた家で、1人で住むのは少し広い気がした。

「大きな家ですね」

「でしょ1人で住んでると寂しいんだ。だからもしこの村に来るんだったら宿代わりに使ってよ。この村宿的な所無いし」

新情報、この村には宿がないらしい。僕らは運良く泊まれるけど普通の人はどうするんだろう。

「まぁそこまで外から来る人居ないからね。来てもその日のうちに帰ったりばっかりだし」

「えっと、じゃあ何故僕達が泊まると思ったんです?」

「あーえっと、話してもいいのかな」

マカナさんはうーんと少し悩んで「まぁあいっか」と言って話を続けた。

「ルトに頼まれたからだよ」

「ルト、えっルトさんに?」

僕らが来る前からルトさんが声をかけてくれてたらしい。

「昔馴染みって奴だよ。色々あってね」

ルトさんと昔馴染み、

「えっとお幾つですか?」

気になったので歳を聞いてみる。

「女性に年齢を聞んじゃないよ」

「そうですよね」

見た感じたど20前後に見えるけど、ルトさんは48だしそれくらいって事だよね。

「ジロジロ見て、考えるのもダメだぞ」

おでこをこずかれる。

「ごめんなさい」

「まぁほら入ってお茶入れるからさ」

家の中のリビングに案内される。

「「お邪魔します」」

僕とアルマはカーペットの上に座って待つ。

「どうぞ暑いから気をつけてね」

湯気のたった、いい香りのするお茶を渡される。

「「ありがとうございます」」

「今頃だけど敬語使わなくてもいいよ」

「あっはいそうします」

僕とアルマはお茶に口を付ける。でも僕はお茶が熱くて全く飲めなかった。アルマアルマ一口で半分くらい飲んでたけど。

「どう?美味しいかい?」

アルマは頷く。僕は「もうちょっと冷めてから飲みます」と答える。

「そっかまぁそれはいいとして本題に入ろう。」

マカナさんは机に肘を置いて話を始める。

「ルトから聞いてるかも知れないけど君たちにな海の中に入ってあるものを取ってきて欲しい。」

僕とアルマはそんな話はルトさんから聞いてないため首を傾げる。

「、、、ルトからは聞いてないみたいだね。えっと取ってきて欲しいものはね、海の中にいる鯨の口の中にある小さな石なんだ。」

話しながら石を見せてきた。大きさはスーパーボールと同じ大きさで赤黒い色をしている。

鯨紅石げいこうせきと言ってここら辺の鯨の中にたまにある。」

鯨紅石を見せてもらい目の前でクルクルと回す。

「何に使うかは取ってきてもらってから話す事にするよ」

手を差し出されたので鯨紅石をマカナさんに返す。

「まぁ今日はもう日が沈みかけてるし明日にしようか。私はご飯の用意するからくつろいでてよ」

そう言われてアルマは僕の膝に寝転がって「はーい」と手を挙げて返事をした。

僕もとりあえずゆっくり休むことにした。

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カニさんの歩く道 電光軍手 @KANINI

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