第13話 二人旅
ルトさんとの話を終えて寝室へ戻るとアルマは既にベッドで寝息を立てていた。
「不安な旅路になりそうだな」
アルマを見て小声でボヤきながらアルマとは別の隣のベッドに横たわる。
「おやすみ」
そのまま寝息を立てて眠りにつく。
朝、寒気を感じて目が覚める。
「左手よし、右手よし」
左手、右手を布団から出して無事を確認する。
次に布団をめくる。
「今日はお腹かぁ」
すると横腹をアルマが噛み付いていた。
「なんか慣れたけどやっぱビビるよな」
アルマを引き離すとお腹はベッタベタに濡れていた。傷ができてないだけマシだけどね。
「アルマ起きて朝だよ」
ほっぺをぺちぺちしながら声をかける。
「むにゃむにゃ、がぶぅ」
そのまま指を噛まれる。
「痛ってぇ」
勢いよく引き抜くとアルマは驚いて起きる。
「むぐ、おはよカルト」
「、、、おはよう」
痛いなやっぱり。
「どうしたの?泣いてるの?」
「なんでもねぇやい」
痛いだけやい。
「それはいいからもう行くよ、ルトさん待ってると思うし」
「わかった」
宿から出る支度を済ませて部屋からでる。
受付に戻るのやはりルトさんは待っていた。
「待ちました?」
「いやそんな事ないぞ」
ルトさんに鍵を渡して近くの椅子に座って待つ。
「そいえば昨日ルトさんとはどんな話をしたの?」
横に座ったアルマに聞かれる。まあ簡潔にこれからの事だけ言えばいいかな?
「あぁそれね。これから僕とアルマだけで旅をすることになるらしい。ルトさんは村に帰るみたい」
「えっ、ルトさん帰るの?これから2人っきりなの?」
「まぁそうだね」
と言うと戻ってきたルトさんも
「そうじゃぞ」
と言った。
アルマと僕は立ち上がって、3人で宿をでる。
「ここからは二人でここから東側の海辺の村に行ってもらう。」
「海、、遠いの?」
アルマが首をひねりながら聞く。
「それほど遠くもないぞ、歩いて半日位だと思うし」
半日、長くないのかそれでも。
「そうだ竜の姿になった私に乗ればすぐ着くんじゃない?」
確かに早く着きそうだけどなんかなぁ
「それだとアルマが目立ちすぎてしまうだろう。そんな事したら色んな所が黙ってないだろうし。危険じゃな」
だよなぁ
「そっかなら歩いて行こっと、それでいいよねカルト」
「うんいいよ」
「じゃあ決まりじゃな」
それと同時に街の門に着く。
「じゃあわしは村に戻るとするよ。何かあれば連絡してくれな。じゃあの」
そう言ってルトさんは走って行ってしまった。それもとんでもない速さで。
「あの速さでの半日じゃないよね?」
「、、、多分?」
不安を抱きながら街を出て東に歩みを進める。
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