第9話
『バシュッ』とハイスネークから吐き出さられた毒の玉を避ける。さっきから防戦一方で僕からは何も攻撃が出来ていない。
(ルトさんのように上手く出来ないけど、僕もやらないとな)
次の毒の玉が撃ち出された。僕はそれを前目乗りにしゃがんで避ける。
「よし、今だ」
ハイスネークが口を閉じる。ルトさんの言うにはこの時何も出来ないらしい。だからこのチャンスを逃す手はない。僕はハイスネークの首目掛けて剣を振るう。
「、、僕にもできた、勝てたよルトさん」
僕の横に切り落としたハイスネークの首が落ちる。それを見てルトさんは隠れていた茂みから出てきた。
「あぁちゃんとできたな。じゃあ次は処理の方法を教えるぞ」
「えっ、処理?この魔物持ち帰ったりするの?」
「いや違うぞ。倒したって言う証明として魔物の中にある核を受付の係の人に渡すんだ」
そう言ってルトさんはハイスネークの腹を丁寧に裂いて中に手を突っ込んで赤黒い玉を取り出して見せてきた。
「どうだ?簡単だぞ?」
「うぇ、こんな事しなきゃダメなの?もっとなんか楽な(精神的に)やり方ないの?」
なんと言うかすごくグロテスクなやり方でちょっと僕はやりたくないなーなんて
「ないぞ、それに何回かやればすぐ慣れると思うしな」
「ないのか、大人しくやるしかないのか」
「あぁわしも最初はキツかったから分かるがやり続ければ何も感じなくなるからな」
そう言ってルトさんは解体用のナイフを渡してくれた。
「やるか、、ヘビさんごめんなさい」
そう言って僕はハイスネークのお腹を開く、
それと同時かちょっと早いくらいにアルマがハイスネークの死体を連れて来て
「私にも処理の仕方教えて」
とルトさんにお願いしていた。てかあれ?なんかアルマが持ってるハイスネーク頭が無くね?どうしたらあんな事になるの?なんかアルマの口元も赤いし、まさかね?
「おおいいだろう、それではまず腹を開けるんだ」
ルトさんがそう言うとアルマは爪を立てて腹を切り裂いた。
「やめようアルマの方を見るのは、今の僕にはきっと耐えられない」
なんか怖いし自分の方に集中する事にした。
「こんな感じでいいかな。それじゃあ中に手を、、」
グチュグチュと音を鳴らしながら僕の手がお腹の中に入っていく。
「うぐっ、やっぱりキツイな。えっと、これかな」
何か丸いものを掴んでお腹から引き抜く。
「うん、これだな」
手を広げてみるとルトさんが取り出したのと同じものだった。
「ルトさん終わったよ」
そう言ってルトさんの方を見る。
「私も取れた」
、、ついでに体のほとんどが赤黒い血で染まっているアルマの方も。
「うん正解じゃ、それじゃああと2体だな
行くぞ」
そう言ってルトさんは前を歩いて行った。
「冒険者も楽じゃないな」
僕は小声でそう言いながらルトさんのあとをアルマと一緒に追いかける
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