第5話 町へ

「よし、この山を降りればもうラルドルフは目の前だぞ」

村を出て2日が経った。その道中大きなイノシシの魔物や大蛇の魔物に出会したりした。

まぁルトさんが切り裂いたりして守ってくれたけど。

山の上からラルドルフを見下げると広々とした街が目に映った。

「おぉ、かなり広そうな場所ですね」

「人多そう、怖い」

「あぁ広いし人も多いぞ、あとアルマよ。わしらが着いてるから大丈夫だよ」

またアルマが不安になってる。多分記憶も失ってるし人間不信みたいになってるのかな?

「アルマ、翼と尻尾見えなくしたり出来ないか?検問があって少し面倒事になるかもしれんからな」

「翼と尻尾を見えなく、やってみる」

アルマの翼と尻尾がスッ、、と消えた。

「出来た、どう?」

「あぁ大丈夫、わしでも見えないし鑑定眼でも使われない限り大丈夫だろう」

「鑑定眼?なんですかそれ?」

「鑑定士が持ってる力の1つで見た物の本当のステータスを見ることができるものだ。まぁ最近は普通の冒険者でも稀に持ってることがあるが大丈夫だろ」

色んな力がありそうだな。僕、この3人の中で1番弱いし頑張らないとな

「それじゃあ降りるぞ、もうひと踏ん張りだからな」

「「はーい」」

山を下りラルドルフの入り口へ向かう。

入り口には大きな扉があり、その横の2人の兵士さんが検問をしていた。道中でルトさんが「人の出入りが多いから検問では少し待つかもしれんな」と言っていたが、まだ日が昇ってからそれほど時間が経ってないためか人が全然いなかった。これなら少しも待たずして入町出来そうかな?

「3人だが大丈夫か?」

「おぉルトか、一ヶ月ぶりか?。もしかしてそれが前に言ってた少年か?それでもう1人の少女は?」

ルトさんと知り合いらしい中年の男兵士と話を始めた。この様子だと昔からの馴染みなのかな?

「あぁそうだな、名前はカルトだ。わしの弟子のような者だな。それでこっちはアルマ、こっちに来る道中で知り合ってな。訳あって一緒に来る事になった。良いか?」

「大丈夫だぞ。それで今回の入町理由はその少年、カルトの冒険者登録って事で良かったか?」

「あぁそれで頼む」

ルトさんと兵士さんとの話が終わったようだ。やっと町へ入ることが出来る。なんかさっきからずっと僕の後ろでアルマが震えてる気がするけど。

「(大丈夫だよ、何があっても僕が着いてるからさ」

まぁ僕の方が弱いけどね?

「(うん、でも何でだろう。何故かあの兵士さん見覚えがある気がする)」

アルマがルトさんと話している人とは別の、もう1人の金髪の少し目つきの悪い兵士を見つめて小声で言う

「(そうなの?もしかして昔の知り合い的な?あぁでもそれなら話しかけてきたりするかぁ)」

「カルト、アルマ、手続きが済んだから行くぞ」

どうやら僕とアルマが話してる間に手続きも済んだらしい。これで僕ももう少しで冒険者になれるんだな。まぁなったからって何か変わるの?って感じだけど。

「「はーい」」

僕とアルマは手続きを済ませて何か嬉しそうなルトさんの後ろについて町へと入っていった。

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