第4話 冒険者メシ

「ルトさんただいま、あと彼女がコールで話た人でアルマって名です。えっと一緒に来るって事になったけどいいですか?」

ルトさんの元へ戻り、アルマを紹介する。

「君がカルトの言ってた、あぁ大丈夫だ」

ルトさんから許可をもらい安心したのか、僕と繋いでた手が少しだけ緩んだ。

「えっと、ありがとうございます。私龍人だし記憶がなくて、迷惑かもしれないですけど、、」

アルマがそう言うとルトさんが話を遮るように優しく

「そんな事ない、迷惑なんてかけて当然だ。わしだって色々な人の力を借りて育った。だから大丈夫だ、君を見捨てたりはしないよ」

ルトさんに頭を撫でられ、耐えきれなくなったのかアルマの目から涙が流れる。

「(言ったでしょ、ルトさんは大丈夫だって)」

小声でそう言うと僕とアルマ、ルトさんのお腹が「グー」と鳴いた。あれ?なんでアルマも?パン食べたよね?

「よし、それじゃあ冷める前にお昼ご飯を食べるぞ」

ルトさんは鍋に入ったスープをよそって僕とアルマに手渡してくれた。

「「いただきます」」

「あぁどうぞ」

受け取ったスープにはゴロゴロと色々な具材が入っていた。あとなんか虹色の子魚?らしき物があるけど食べれるヤツだよね?まぁアルマとルトさんが美味しそうに食べてるし大丈夫かな?覚悟を決めスープを口に運ぶ。

「あっ、ちゃんと美味しい。こんなにヤバそうなのになぁ」

「そうだろうそうだろう、冒険者になりたての時に頑張って仲間と研究したからな」

「研究って、なんか薬でも作ってるみたい」

「いや実際そうだが?新薬作ってる際の副産物なんだよなコレ」

「「え?」」

パクパクと何杯もおかわりしていたアルマも一緒に反応した。

「でも美味しいだろ?」

「美味しいけどそう聞くとなんかなぁ」

「美味しいから大丈夫、おかわり」

「おお、よく食べるな。良いぞいっぱいあるからな」

「あれ?僕がおかしいのかな?」

僕変じゃないよな?おかしいと思うのは普通だよね?不安が残っているけどそれでも美味しくて僕も少しおかわりした。

「おぉ、結構あったと思うのに無くなったな。どうだ?お腹いっぱいか?」

「うん、これだけ食べれば大丈夫。美味しかった、ご馳走様」

「、、、一体アルマはどれだけおかわりしたんだろう、僕も少ししたけどさ。ご馳走様」

「あぁご馳走様。よしそれじゃあ片付けてもう行くか。まだ先は長いしな」

使った鍋と食器を片付けて、またラルドルフへと足を進める。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る