エンプティ・ヒーロー

執筆時BGM:ぼっちぼろまる『勇者のくせに』


 第三回こむら川小説大賞二本目の作品。今回のテーマは『から』です。

 マンドラゴラ賞の講評発表直後、一作目が普段書かないアオハル系だったので自分の好きな概念で勝負だ! と思い立って舞台を『サイバーパンク』に設定。からの理由は『他人に求めているものを与えているから』という部分を先に詰めました(ちょうどFGOのイベントでサンタカルナが出ていたので、施しの英雄的なキャラクターを主軸にしたかった)。

 そこからマンドラゴラ汚染を抜くために1週間の療養(とリハビリ)を挟み、執筆に取り掛かりました。あとは書きながら設定を考えてた。

 主題にヒーローを置いたのは第二回こむら川で御調さんの『ノットヒーロー』があまりにも良かったのでリスペクトしましたね……!!

 少年の名前を『ラウド』にしたのは、声を出さない少年をラストで叫ばせるためのフリですね。おもちゃの銃とか“先約”とか全体的にリフレインを強調した作品です!

(あとサブタイトルに仕込んだ遊びに誰も触れなかったのは笑った)


講評のお礼と返事


謎の有袋類さん:


『命令を受け、それを善悪関係なく遂行するだけの存在が、たった一人の”ヒーロー”になったお話〜』


 ありがとうございます!!

 作中では明示していないのですが、男はラウドの両親の件に関して少なからず責任を感じている奴なんですよね。だからヒーローになることを受け入れたし、自らの命題に意識的に従わなかった。それはこれまでの生命活動においてありえないことで、だからこそ彼は最後に責任を取ることを選んだ……。ということが伝わればいいなぁ、と思いました!


『マンドラゴラの森からおかえりなさい狐さん……』


 リハビリ、完了……!(マンドラゴラ汚染時の作風迷子期を抜けた)


『ラストシーンで「話し相手になってください、僕の“ヒーロー”」と言って青空が見えるシーンがすっっっっっっごくよかったです』


 ありがとうございます!!

 『それから』、基本的に僕の普段の作風だと数年後の話は書かないのですが、こっちの方がエモいな、ってなってプロットを書き換えました(元プロットだとハイウェイの上で空を見上げて終わる)。これは第二回こむら川で神ひなさんが書いた『喰らう箱と死なない少女』のエンディングを参考にしました!

 終盤で青空を「メトロポリスでは見えない」と書いているのですが、彼が最後に見た青空は彼の精神状態が見せた風景だとエモいな……!!


謎のアンデッドさん:


『サイバーパンクにおけるAIが生命・知性・個体になり得るのか〜』


 僕はこの概念が好きすぎる説がある。

 この辺りのテーマってサイバーパンク作品における魅力にして難しさの一因でもあると思っているのですが、「読みやすく書いてある」って褒められると嬉しいですね!

 僕は擬似家族の概念も好きなので、この後の彼らは家族として共に過ごすといいな……と思っています。

『EAT-MAN』、面白そう……!!


謎の神さん:


『冒頭の「願望器、聖人、サンタクロース。俺を呼ぶ名前は無数にあって~」のくだりが、最後になって繰り返されるところが特に良い〜』


 ありがとうございます!!

 このリフレインは思いついた瞬間に気持ち良くなって脳汁がドバドバ出ました!


『マジでサイバーパンクの書き方が上手すぎてめっちゃ勉強になりますね〜』


 サイバーパンク性壁語り、やりましょうね……!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る